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  アクタレ 作者:あみまみま
戦うことは罪じゃない。その戦いに意味を付けないのが罪だ。
ちょっとヘタレなんだ
僕の名前はコハル。先日、無事に16歳になりました。
みんなの住んでいる世界では高校一年生・・・かな。

もちろん僕も高校一年生。
でもね、こっちの世界の高校一年生ってのはたぶんみんなの思ってる感じとは
全然違うんじゃないかなぁ・・・。

みんなの世界では「携帯電話」ってあるでしょ?
それの代わりと言ったらなんだけど、大体の高校一年生は
合格祝いにポケモンをもらえるんだ。

もちろん、さっき携帯電話と例えたのは
女子では結構早いうちから持ってる人って多いよね。
だから、早いうちからもらった子は
高校生になる頃にはかなり親交を深めてるっていう。


まぁ、そんなことは置いといて。
今日で晴れて僕も高校一年生。ポケモンをもらえるんだ。
一体どんなポケモンをもらえるんだろう・・・・。

「おーいコハル。お前もうもらってきたか?」
「あ、ナツキ。まだだけど・・・ナツキは?」
「俺もまだ。今からもらいに行くとこだけど、一緒に行くか!」
「うん!」

彼は僕の幼馴染。名前はナツキ。
とても勇敢で心強い。僕の親友だ。

「それでさー・・・ん?あれって・・・マフユじゃねぇか?」
「あ、ホントだ。おーいマフユー!」

少し遠くにマフユが歩いているのを見つけた。
この子も僕の幼馴染なんだけど、ちょっと変わった子で・・・。

「コハル・・・ナツキ。どした」
「いや、今から俺たちポケモン貰いに行くんだけどよマフユはもう貰ったのか?」
「まだ・・・」
「そっか。じゃあマフユも一緒に行こうぜ!な、いいだろ?コハル」
「あ、うん。マフユがいると迷わないしね」
「な、なんだよ。俺がいると迷子になるってか?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・」
「いいよ。行こ」

マフユは記憶力がいい。
一度見たものは絶対に忘れないんだ。なんていうんだっけなぁ・・・
「絶対記憶」だったかな。


そんなこんなで僕たちはオーキド博士がいるポケットモンスター研究所
・・・略して「ポケモン研究所」に到着していた。


「こ、こんにちはー・・・」

真新しい自動ドアが開く。
当然のごとく自動で開いてくれた。

中は、人であふれていた。

とはいっても、僕たちのような子供の姿はなく
みんな白衣を着た大人たちばかりだった。

「おや?おやおや・・・まだもらってない子がいたとは」
「これは・・・予想外ですねぇ」

オーキド博士はテレビとかでよく見るからすぐにわかったけど
その隣にいる人は・・・見たことがない。

「こ、こんにちは」
「どうも」
「・・・・」

僕たちはそれぞれ頭を下げ、挨拶をした。

「うむうむ。感心感心。君たちは・・・・16の子かね」
「あ、はい!そうなんです」
「俺たちちょっと出遅れたみたいで・・・」
「ポケモン頂戴」
「ま、マフユ!」

マフユは正直だ。というか、隠し事はしないし思ったことはすぐに言ってしまう。

「はっはっは!実に面白い子らじゃ。よろしい、好きな子・・・とはいっても
 わしの子たちじゃなく、このシキ博士の子じゃからな。
 挨拶はこちらの博士に頼むよ」

そう説明すると、オーキド博士は横へずった。
横の男の人に注目する。この人が・・・シキ博士?

「いやぁ・・・驚き。君たちはきっと一番最後でしょうねぇ」

男の人だけど、高い声が耳に残る。
細身で、色白のメガネをかけた見た目は、まさに研究者・・・って感じだった。

「私の名前はシキィ・・・よろしくねぇ」
「よ、よろしくおねがいします」
「ど、ども」
「・・・・変な人」
「ま、マフユ!」
「はは・・・よく言われるよ」
「あ、あの・・・・すいません」
「構わないよぉ・・・そんなことよりポケモン・・・
 君たちのパートナーになる子たちなんだけどぉ」

パートナー・・・。その言葉に思わず胸が躍る。
そう。僕たちはこれから一生連れそう仲間に出会うのだ。

「は、はい・・・」

言葉にも自然と力が入ってしまう。

「あーいやいやぁ・・・。君たちに上げようと思う子たちはちょっと曲者でねぇ。
 人によっちゃぁ嫌いになるかもぉ・・・って思ってたけどぉ・・・」

シキ博士は僕たちはぐるりと眺める。
眺めるというより・・・観察?

「あ、のよぉ。一体何なんだ?」
「ちょっとナツキ。失礼だよ」
「で、でもよぉ」
「見られるの・・・好きじゃない」
「マフユまで・・・」

「あ、いやいやぁ・・・すまない。うん。大丈夫だ。
 君たち合格。あの曲者たち・・・君たちに任せられそうだぁ」

さっきから「曲者」という言葉が気になる。
曲者・・・?変な子・・・なのかな。

「それじゃ、連れてくるからぁ・・・待っててねぇ」

そう言うとシキ博士は奥の部屋へと消えていった。
「かなり時間がかかるから待っててねぇ」なんてことを言っていたから
僕たちは研究所の待合室に座って待つことにした。

「あの博士のさ、曲者・・・って何なんだろうな」
「・・・変な子」
「かもねぇ・・・でもどんなポケモンなんだろう」
「楽しみだなっ!」
「そうだね」
「・・・・・(コクリ)」

待合室で待って早20分。まだまだ博士は出てこない。

「ん?んんんー?お前たちはぁ・・・あぁ、16の子か。
 いや、でも遅すぎるような・・・」

茶髪の人が僕たちを見かけてぶつぶつ言っている。
なんなんだろう・・・この人。
髪の毛はツンツンでチャラチャラした格好が気になる。

「あ、あの・・・」
「ん?なんだ?」
「誰だ・・・?あんた」
「誰だ・・・ってお前俺を知らないかぁ!珍しぃなおい」

どこかで見たことあるような無いような・・・。

「知らないもんは知らないんだけど」
「んなら教えてやんよ!」

あれ・・・・この人・・・・。

「俺っちはカントー地方のトキワジム、ジムリーダーの・・・」
「グリーン?!」

僕は思わず叫んでいた。

あの・・・グリーン。
グリーンと言えば、今や伝説とまで呼ばれた「レッド」の永遠のライバル。
カントー地方最後のジムリーダーとして挑戦者を向かい打った若き強者。

そんなグリーンが目の前に・・・!!

「お、なんだ知ってんなら早く言えよな!
 そう。俺っちはトキワジムジムリーダーのグリーン様だ!」
「すげぇ・・・本物かよ」
「・・・・キザい」


驚きで三人が硬直してる時、ちょうどシキ博士が帰ってきた。

「お待たせぇ・・・あれ?グリーン君じゃないか。またジムを抜け出してきたのかい?」
「へへっ。まぁな。ちょっとじーさんに用があって」
「あー。オーキド博士なら奥にいるよぉ」
「サンキュー。それじゃ、俺っちはこの辺で。バイビー未来の挑戦者」

指二本を宙につきたてグリーンは奥へ走っていった。

「あ、それで・・・君たちのポケモンだよぉ。
 この3体の中から選んでねぇ」


並べられたモンスターボール。

それぞれ、一個ずつボールを持ちあげてみた。

「あーナツキ君が持ってるのがぁ・・・ガーディだねぇ」
「ガー・・・ディ・・・?」
「炎タイプの熱いポケモンだよ」
「そ、そうなのか!!じゃあ俺こいつにする!」

「んでぇ・・・マフユ君が持ってるのがぁ・・・ニョロモだねぇ」
「・・・ニョロモ」
「水タイプのかわいらしいポケモンだよ」
「・・・・・」

マフユはそれをぎゅっと抱きしめた。

「それで・・・あれ?コハル君の持ってるのはぁ・・・なんだっけ」
「え?」
「え、あいやぁ・・・ちょっとど忘れ。
 試にみんなポケモンを出してみなよぉ」
「は、はぁ・・・」


僕は手に持ったモンスターボールを宙に投げた・・・・。



モンスターボールはパカッと開き眩い光が辺りを包み
そこから現れたのが・・・・・



「ニュ?」
「こ、これ・・・は」

黒い姿に赤い・・・耳?
角のように生えた毛が特徴だ。
手には大きな爪が付いており、いかにも鋭そうだ。

見た目は・・・・猫?


「そうだぁ!そうそう。この子はニューラ。
 悪タイプのずるがしこいポケモン・・・のはずなんだけど」


「!!」

ニューラは出てくるや否や僕たちを見てどこかへ隠れてしまった。

「ちょっとヘタレなんだ」
「ヘタ・・・レ?」



そう。この子が僕の後の相棒・・・
かぎづめポケモンのニューラだ。


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