2012年07月31日

オリンピック−途中で退場させられていた日本人選手団のなぞ

 オリンピックが今週開幕しました。この時期は、何をやってもオリンピックを一面に持ってきて、国内の重要な問題を隠そう、隠そうとします。特に、7月30日の新聞がひどかったことは、ブログでまとめさせていただきました

 原発が稼働できていない九州電力。わたしはオリンピックで金メダルを取った翌日に計画停電をしてくるのではないかと考えています。九州の片田舎の計画停電は、オリンピックの金メダルに比べたらニュースバリューは低いという判断をマスコミ各社はしそうですから。

 最近はテレビをほとんど見ませんので新聞で知るくらいですが、入場行進の時にとんでもないことが起きていました。表に出てきたのは、

インドの中に紛れ込んでいた女性の話のみ。日本人選手の入場行進については一切ふれられていませんでした。
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消されるとは思いますが、LIVEの日本人選手入場行進の様子


 日本は22分頃

コメントから
私もカナダで見ました。日本は旗手が一秒映っただけで、Japa-nの表示すらなく、アナウンスは日本の選手のことを少し話してた-のに、他国を映しててあとは全く見れませんでした。やっと見れて-うれしいです!
Msmanumanuko 2 日前

私の住んでる国では日本は完全にスルーされたので見れて嬉しいで-す!
pineapplesodapop 2 日前


 なぜ、世界の経済大国なのに、ここまで無視されるのでしょうか。なにやら違和感が漂います。

Rubyのロンドン生活日記
オリンピック開会式行ってきました!日本選手団退場の謎! 2012-07-29 23:55:27 から

彼らは、私たちの目の前を通り、つまり、トラックを半周したあと、
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なぜか、ここで立ち止まり、というか、誘導してる人らが立ちはだかっているのですが
他の国はここをまだ前に進みます。日本のときだけ、ここでとめ、
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なーんと!脇出口から退場してしまったのです!!!!!!なぜ???????
私はすべてのチームを見ましたが、あとにも先にも、ここから退場したのは日本チームだけです。
すべてのチームがトラックの真ん中にならばされているのに、日本チームだけが、この中にいないのです!!!!
日本でテレビを見ている友人にもメッセしてみましたが、みんなカットされてて、日本選手がここにいなかったというのは知らないみたい。


 まさしくなぞの退場です。

<ロンドン五輪>活躍願いがれきメダル…被災地の子が手渡す毎日新聞 7月21日(土)21時53分配信
壮行会には被災地となった宮城県石巻市・牡鹿中の生徒約30人が招かれ、がれきの中の木材などをもとに作ったメダルを、お守りとして選手に手渡した。実家が津波で流された同中3年の佐藤瑞保さんは「がれきの山を見ると、今でも心が痛み、あの日を思い出す。でも絶対に立ち上がろうと一歩ずつ前に進んでいる。お守りにはロンドンでの活躍へ願いを込めた。がれきは悲しみの象徴だったが、1年で生まれ変わった」とあいさつ。壮行会に出席した野田佳彦首相は「折れない心は人々に勇気を与える。東日本大震災の被災地で懸命に歯を食いしばり、復興へ向かう皆さんに勇気を伝えてくれると確信している」と、選手たちの奮闘に期待した。

  しかも、この情報を伝えたのはロンドン在住のブロガーの方のみで、多数いたであろう日本人記者はこの件に対して何のコメントもしていません。今のところは、係員の誘導ミスとのことですが、これだけ多人数で通せんぼをしておいて、しかも黒服の一人があきらかに十次で行かないように威嚇しているようにも見えます。

トップ > エンタメ > スポーツ 【ロンドンオリンピック】日本選手団が開会式で“謎の退場”!? 猪瀬直樹東京都副知事も関心寄せる2012年7月31日(火) 12時46分
として、ネットで騒ぎがどんどん大きくなっています。

・入場行進の中継の時に現場にいるアナウンサーがひと言も言及しなかったのはなぜか。
・多数の記者がいながら、なぜ隠されたのか。
・日本人だけなぜ、特別扱いを受けたのか。

石原都知事、首相もまた直前になって、体調不良でロンドン渡航を中止しています。
なにやら深い闇が隠されていそうです。

朝日新聞には次のように書かれていると指摘がありました。
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ロンドン五輪での開会式の日本選手退場は「調整を優先し、参加したのはわずか四十数人」

 他国の選手が全員参加しているのに、日本人のみ退場。しかも放送中にはふれていない。ますますおかしいですね。
タグ:P
posted by いんちょう at 13:51 | Comment(13) | 原子力

2012年07月30日

国会包囲デモ−7月30日の新聞

 7月29日に約20万人の方が参加して、国会大包囲が行われました。各社の取り扱いレベルに随分と差があるようですので、再度まとめてみました。4年に一度オリンピックが行われてはおりますが・・

 読売、福島民友、地方紙他などの一面がありましたら、a00@onodekita.comまで お送りください。


熊日新聞一面(記載無し)
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三面(写真付き)と社会面に記載有り
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毎日新聞 一面、二面、三面記載無し
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社会面のみ記載
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北海道新聞 一面写真付き記載
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三面?
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朝日新聞 一面(初めて一面に持ってきました)
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読売新聞一面(期待を全く裏切りません)
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西日本新聞 一面記載無し
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三面記載
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大分合同新聞 一面記載無し
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福島民友 一面記載無し
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東京新聞
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日経新聞三面白黒写真(内閣支持率20%割れと出してきたのはここが初めて)
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27日にデモの告知有り
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京都新聞 一面なし、三面に関連記事
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新潟日報
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福井新聞 一面無し 社会面のみ(しかも国会議事堂前に人がいない写真)
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産経新聞−当然一面無し
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相変わらずです。産経新聞は、次のような記事をネットに流していました。

最初の配信
脱原発を訴える抗議集会が29日、東京都千代田区の日比谷公園で行われ、1万5千人超とみられる参加者 が集まった。
霞が関などをデモ行進した後、休日の国会議事堂を取り囲み、キャンドルを手に「原発なくせ」と抗議。 国会周辺は一時騒然とした雰囲気に包まれた。

毎週金曜日に抗議活動をしている団体の呼びかけで実施。
インターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」などで多くの一般参加者が集まる一方で、労働組合など組織的なPRも目立った。また、周辺には過激派の姿もあった。
参加者のうち2人は、警備していた機動隊員に暴行したとして、公務執行妨害の現行犯で警視庁に逮捕された。
産経新聞 7月29日(日)22時37分配信


過激派などほとんどいませんので、この配信後抗議が殺到(予想)直ちに記事が差し替えられました。
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さすが産経です。素早い。

OurPlanet の動画です。よくわかります。国会が占拠されました。

 この動画初めて見ましたが、よくわかります。


◆関連ブログ
7.16脱原発デモ・・各紙の報道2012年07月17日
脱原発6万人超のデモ−新聞各社の朝刊一面2011年09月20日
6万人の脱原発デモ−どこがパレードなのか。2011年09月19日
タグ:デモ
posted by いんちょう at 23:07 | Comment(4) | 原子力

2012年07月29日

フクシマが安全という知見は我々にはない−放影研が公式に認める(知られざる放射線研究機関 ABCC/放影研)

 今まで、フクシマが安全安全と色々な学者、医師が説明してきました。山下俊一氏は、100mSvまでは癌は起きないと、結論が出ているかのように何度も何度も発言し、さらに福島の小児科医の方もそのようなお話しを福島県民の前でされているようです。

 肥田先生をはじめとする原爆被害者は、そのようなことはない。内部被曝の怖さを知らないから、そのような安全論を言うことができるのだと非難をされていましたが、国家権力の強力なマスコミ操縦能力の前では、その言葉も打ち消され、一部の人にしか信用されないという悲しい状況になっていた気がしてなりませんでした。


20120728 知られざる放射線研究機関 ABCC... 投稿者 PMG5

を紹介します。この番組に私がもっとも伝えたかったことが描かれています。以下、重要なところだけ画面を切り出します。

このようないずれ消されるであろう動画を自分のパソコンに保存するには、このソフトが便利です。

さて、内容を見ていきましょう。番組の冒頭ははだしのゲンから始まります。
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 原爆投下直後から、「ヒロシマには七五年間草木は生えん」という風説が流布されました。この3/4世紀という時間感覚が、米国が完璧に被害を予測していたことがよくわかります。

はだしのゲン・・何度も推薦していますが、この本は今回のフクシマの全体像を知る上で欠かせない書籍の一つです。全巻を揃えて、お読みください。そして、お子さんにも読んでもらってください。算数、国語の勉強の前に日本人として、そして人間として持っておかねばならない知識です。


米国は、この調査は今後非常に大事だと公文書で述べています
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これとまったく同じ論調の記事を、こともあろうに福島民報が配信しています。
いずれどうせまた世界のどこかで起こるであろう放射能被害に備えて、健康被害の有無を含めた情報を蓄積しておくことは、人類への貢献(福島民報)
米国は、敗戦国に対して、このような非礼を働いていますが、福島民報は同胞に対して同じ発言をしているのですから、決して許されないことです。

トルーマンは、アメリカ兵の命を救うために原爆を使用したといいますが、これが真っ赤な嘘です。広島型原爆とナガサキ型原爆は、燃料(U235とPu239)から、構造まで何から何まで異なります。その新型爆弾を3日足らずのうちに2つも投下したのは二つとも効果を試したかったからで、これは成書にいくらでも記載があります。マンハッタン計画は膨大な資金を費やしたため、この効果を米国民が納得させる形で見せなければ、「民主主義」を標榜している国家としては政権が転覆する可能性すらあるためです。
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そして、ABCCは遺伝的影響も調べますが、結論を出しません(出せません)
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ところが、内部被曝−ペトカウ効果と遺伝疾患で述べたように、遺伝的な影響があるのは間違いありません。それを隠すために、ABCCが統計的に資料を作り上げたと言って過言ではないのは、このあとの番組内にでてきます。

そして、ABCCを全身とする放影研の理事・・驚愕する発言をします。
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 今回のフクシマの事故で最も重要な内部被曝の放射線リスクを一切勘案していないと公式に認めました。この発言は非常に重大です。ガレキの焼却の評価においても同じく内部被曝の放射線リスクを国は一切認めていません。このままでは多大な被害が出ることを白状したと言っていいでしょう。放影研も、いよいよはしごを外しにかかりました。

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このようなことが認められているのに、先日のナガサキ内部被曝訴訟では信じられない判決が出ました。しかも、この内部被曝を無視した判決に対して、被爆者を新作している医師さえも賛同の意をしめしているのですから、信じられません。長崎原爆訴訟−内部被曝を無視する裁判所により棄却

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これぞ内部被曝の本質です。入市被曝として、このブログでも何度も取り上げています。(福島除染ボランティアと入市被爆)これほど明らかなのに、なぜ予算の問題と称して、調査をしていなかったのか。原爆をあれほど製造していた1950年代の米国に、最も重要な放射能被害を調べる予算がなかったとは言わせません。ついに、次の医師が決定的な話をします。

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 そうなのです。現在の国家の力の源泉は核であることは、言うまでもありません。その核が人道的理由によって使えなくなることは、国家バランスが壊れることを意味します。その核に寄りかかって国を存立させている米国が内部被曝の被害を認めてしまうことは、自分で自分の首を絞めることになります。何しろ、米国は次のような発言を何度も繰り返しているのですから、内部被曝の被害を認めることは一切なく、その米国を宗主国として仰いでいる日本政府もまた同じ態度を示すのは明らかです。
「ヒロシマやナガサキでは原爆で死ぬべきものは死んでしまい、9月上旬において原爆放射能のために苦しんでいるものは皆無」1945年9月6日(GHQ発表)
「残留放射能による被害なし。生存被爆者は全て健康。」米国が原爆投下後23年後に提出した国連原爆白書

原爆投下一ヶ月後から、このような恥知らずな発表を繰り返しているのが米国なのです。

 いかがでしょうか。ホンモノの情報は、断片を積み重ねることで、今まで不明だった内容がつながってきます。ウソの安全安心は、勉強すればするほど疑問が積み重なってきます。

この番組に出演されていた方のひと言
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がすべてを物語っています。

他人、特に国家に自分の命を差し出してはなりません。水俣病・AIDSでどのような態度を国が取ってきたのかをもう一度振り返ってみてください。一人一人が問題点に気がつき、声を上げていくことでしか、世の中は変わりません。

内部被曝−その評価と治療方法の中で紹介した市川定夫先生の動画、また、右上に紹介しています私の講演会ビデオ(DVD発売もしています)をご覧になっていただけますと、色々とつながってくると思います。

◆関連ブログ
はだしのゲンの作者−中沢啓治2011年11月06日
いずれどうせまた世界のどこかで起こるであろう放射能被害に備えて、健康被害の有無を含めた情報を蓄積しておくことは、人類への貢献(福島民報)2012年02月24日
長崎原爆訴訟−内部被曝を無視する裁判所により棄却2012年06月26日
放射能と人体(3)核の本質−内部被曝2011年11月14日
100mSv安全の根拠-原爆の知見を信用しますか?(60万アクセス)2011年08月27日
内部被曝−ペトカウ効果と遺伝疾患2012年05月04日
福島除染ボランティアと入市被爆2011年11月09日
内部被曝−その評価と治療方法2011年10月10日
posted by いんちょう at 05:15 | Comment(16) | 原子力

2012年07月27日

大阪の子どもを福島県へ−福島ステークホルダー調整協議会の黒い霧

チェルノブイリが起きた時に、ソビエト政府は一週間で子どもを含めて、避難させました。そして、徐々に避難区域を拡大し、いまでは0.28マイクロシーベルト以上の放射線量の村が全て廃村に。チェルノブイリから180キロ圏内のほとんどの村が消えた。という状況です。

 翻って日本は、警戒区域を解除し、今度は楢葉町まで解除し、子どもを戻すそうです。なぜ、ソビエトと正反対のことをやるんでしょうか。どちらかが間違っているのは間違いありませんが。日本人は、ヒロシマ・ナガサキを経験したから特別放射能に強いとでも言うのでしょうか。

 大阪の茨木市の教育委員会がにわかには信じがたい企画をこの夏休みにします。
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なづけてピーチプロジェクト・ジュニア

主催者−福島ステークホルダー調整協議会
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私は4枚目のサイト報告に注目しました

たむらのサイト http://bit.ly/OrvYhj
安井至 http://www.yasuienv.net/
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松永和紀 http://www.foocom.net/
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(この方は、北九州のガレキ問題の委員)

西澤真理子 http://www.literajapan.com/
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リスクコミュニケーションの専門家

岡敏弘 http://www.s.fpu.ac.jp/oka/sra2011oka_p.pdf
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福井県立大学経済学部教授/大学院経済・経営学研究科教授

「家族のリスクマネジメント勉強会」に参加した方々が、正しい放射線の知識を身につけ、無料動画配信をmixi(465名登録)、ツイッター(160名)、Facebook(31名)などで積極的に発信
http://krmtokyo.jugem.jp/

そして、100Bqに強硬に反対した丹羽太貫(京大名誉教授)氏まで名前を連ねています。
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このNPO法人の資料は、色々な人物をつなげる基礎資料として十分使えそうです。同じ名前があちこちで出てきます。確信犯の方々といっていいでしょう。数多くの名前が出てくるように思いますが、一度記憶しますとあちこちでつながってきます。それは当然です。いくら原発マネーの金額が多いとは言っても、みんなで裕福になるほどはありません。限られた人間が甘い蜜にたかる構造なのですから、必然的に人物数は限られてきます。団体名に惑わされずに、人の名前を丹念に見ておくことで、色々と情報が見つかります。

この団体の情報は、togetterでも良くまとめられています。是非、ご覧になってください。

このような団体の主催する催しで、伊達市のモモを食べ放題。あり得ないと思います。ちなみに、茨木市と伊達市はこのくらい離れており、新幹線を使うと一二時間程度かかります。
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参加者はちゃんと集まるのでしょうか。そして、自民党の議員の方。主催者をしっかり調べてください。あなたたちは、未来に対して責任があるのですから。

先頭にたって進めている市議会議員 福丸孝之氏
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◆関連ブログ
4月からの食品の新基準とそれに反対する勢力2012年03月09日
タグ:P
posted by いんちょう at 21:18 | Comment(23) | 原子力

2012年07月26日

郡山で行われたガイガーカウンターミーティング(GCM)

福島で行われたガイガーカウンターミーティングを紹介します。

未だにこの内容がまかり通っていることには、もはや寒気すら感じます。

2012.7.26にアップされた方が消去されたようです。

恐らく消されるでしょうから、静止画にして書き出します。

女性アナ「昨日、郡山市でガイガーカウンターミーティングが開かれました。」
男性アナ「放射線の知識を学んで様々な立場の人との交流をはかるこの催しには150人を超える人が参加しました。」
TVのスーパー: 「福島のホンネ」が次々と・・・

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β線の影響をのけるために、わざわざ遠く離れて測定しています。
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これがおかしいのは、この絵を見ることで簡単に証明できるでしょう。まさかまさか、未だにこんな「正しい」測り方を教育しているとは知りませんでした。
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本当に怖いのはベータ線源による内部被曝なのに、この講習会では意図的に無視しています。子どもたちの口に入ったり、肺に入ったりすることは一切無視しています。この場所で放射能防護服を着ていれば、むろん正しいと私も思いますけど。

講師 「私が言っているのは、袋に入れましょうということ。それはかなり浸透している。」
「あとは地面の近くに置いた時に、本来の数値よりはるかに高く表示してしまう機械もある。」
「本来γ線を評価すべきところを、β線を拾ったために、本来のγ線の量が分からない。」
「β線の影響を受けて、はるかに大きい数値が出てしまい 本当じゃない数値」
「それでびっくりして大騒ぎしてしまうということが起こる。」
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 私も以前この測り方がおかしいと指摘したことがあったのですが、信者と思われる方からずいぶんなコメントがつき、(当時は対処方法がわからなかったので)落ち込んだことがありましたね。そういえば。
まんが 放射線の正しい測り方 野尻美保子、早野龍五、菊池誠、八谷和彦 鈴木みそ
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 なんだ、皆さん勢揃いしているじゃないですか。

正しい放射線の知識をTwitterで広めている 早野龍五氏
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同じく 野尻美保子氏
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この講習会を受けて「正しい」放射線の知識を得た方達

参加者(男性) 「放射線よりの仕事をやっているので、だいたい分かっているが、人に話すときにどういう感じの内容でしゃべったらいいのか」
「僕らはどうしても、難しい用語で話してしまうきらいがあるが、そういう時に、いかに
普通の人に分かりやすいしゃべり方をするのかということが勉強になった。」

参加者(女性2人)
「そういう(正しい)情報をもうちょっと周知してほしいと思う。知らない人も多いと思うので」


GCMふくしま実行委員会 金沢顕治氏(この方の名前は初めてお聞きしました)
「最初はツイッターで集まった仲間10人くらいでやっていたんですが、いつの間にか膨らんで来て40人、50人という世界になっています。」
「これだけ支援してくださる方がいらっしゃるということは、本当に嬉しいです」

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福島の方達の生の声
女性アナ 「大学教授や漫画家など様々な立場の人々を囲んでの車座集会。参加した人からは、福島のホンネが次々に飛び出します。」
参加者(男性) 「ここ1年何ヶ月かで いったい何人の架空の福島県人が(ネット上で)殺されたか」(会場:笑い声)

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参加者(女性)「自分の家に暮らしている人なら、県外の方が酷いデマを流しても「そんなわけないよ」と言える。でも家族すら別に暮らしている人たちは、そうやって皆で集まって(落涙)、「そんなことないよ」と言うことすら難しい。(となりの男性が大きく、何度も頷いている)

この方達の意見は、私のところに届いている福島の方達の悲痛な叫びとは全く異なります。
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恐らく、どちらも事実なんでしょう。しかし正しいのはどちらでしょうか。

ツイッター上で問題発言を繰り返している菊池誠氏
「そこまでデタラメなことを言って被災地をさらに不幸に陥れなければならないのか」
「希望を捨てさせ、死に至る病である(と)絶望を与えるというのはどうなのか」

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SF作家 野尻抱介氏
「ちょっとくらいベクレルの出る食品を「大丈夫」と言って食べるリテラシーもかっこいいと思う。」
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放射能を食べるのが、かっこいいらしいです。私には訳がわかりません。

加者(女性)「メディアアーティストであったり、漫画家の方もいるので「何となく」しか福島を見ない人たちに「福島けっこういいところじゃない」と思わせる空気を作ってほしい」 (先ほどの男性参加者が大きく頷く)
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 あっという間におなかの痛くなった原発くんをボランティアで各国言語版にしてしまった 司会者(メディアアーティスト 八谷和彦氏)
 「僕らが直接聞くことで、今困っているのがどういうことかや、あるいは東京に住んでいてなにが出来るかわからないというところがあったが、ちょっとでも今やれること、例えば不正確な情報が流れるのを防ぐとか、なるべく正しい情報を伝えるようにするとか、お手伝い出来そうなことがありそうということで、自信につながったということがある。今後できそうだなということが。」
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おなかの痛くなった原発くん

英語1(2011.3.16), 英語2(2011.3.17), フランス語(2011.3.18)・ポルトガル語(2011.3.17), スペイン語(2011.3.18),中国語1(2011.3.19), 中国語2(2011.3.19), タイ語(2011.3.17), ベトナム語(2011.3.17), ロシア語(2011.3.20)

 このようにプロと思われるボランティアの手によって、各国言語訳に直ちに翻訳され、しかも脱原発が通ってしまったイタリア語、ドイツ語はないという用意周到さ。面白い話です。

郡山出身の歌手 小峰公子氏(この方は全く知りません)
アナ「最後は郡山市出身の歌手小峰公子氏(ZABADAK)による自作の詩の朗読。聞いている人たちは美しい福島に思いを馳せていました。」
日があだっている山
そんなの見ると
あぁなんにも
いんねなぁ、て
思ってしまう。
誰だってよ。
たいしたもんだ、
たいしたもんだ。
春だない。

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アナ「今回のガイガーカウンターミーティング、運営の方はもちろんなんですが、ゲストの方々もボランティアだったそうなんです。」
男性アナ「あのー福島を思ってくれる気持ち、本当にありがたいですね。


 どうでしょうか。原発推進側にいる人の名前を一つ一つ覚えていけば、同じメンバーが何度となく手を変え、品を変え出てくるのがおわかりだと思います。本当に大事なのは、このような動画を見ても決して騙されない真の知識だと思います。

追加(立派なホームページがありました)
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◆関連ブログ
原子力発電入門(6)放射能と放射線2011年08月11日
2012年04月22日
福島の子どもたちからの手紙「わたしは何さいまで生きられますか?」
フクシマの今−韓国テレビと投稿から2012年03月12日
タグ:P 内部被曝
posted by いんちょう at 19:23 | Comment(24) | 原子力

2012年07月25日

撤退しないと話した現場最高責任者−本店とサイトは別会社

 死亡説も流れていた吉田元福島第一原子力発電所長。久しぶりにインタビュー記事が載りました。

福島第1原発の吉田前所長、部下は「地獄の中の菩薩」…復興テーマのシンポジウムにビデオ出演
 東京電力福島第1原発事故で収束作業の陣頭指揮を執り、食道がん療養のため昨年12月に退任した吉田昌郎前所長(57)が、復興をテーマに福島市で来月開かれる出版社主催のシンポジウムに、ビデオ出演することが24日分かった。

 約30分にわたるビデオ映像で、吉田氏は危険を顧みず行動する部下たちを「地獄の中の菩薩」と感謝の念に堪えなかったことや、「原子炉の冷却作業をする人間は撤退できない」と死を覚悟していたことなどを生々しく明かしている。

 吉田氏が事故直後の現場指揮官としての心情を一般に向けて詳しく語るのは初めて。

 吉田氏は昨年3月に原子炉建屋の水素爆発が起きた後、部下たちが「現場に飛び込んで行ってくれた」と語る。その上で「私が昔から読んでいる法華経の中に登場する、地面から湧いて出る菩薩のイメージを、すさまじい地獄みたいな状態の中で感じた」と、部下の後ろ姿に手を合わせて感謝していたという。

 政府事故調などで、東電の全面撤退問題が議論になっているが「基本的に私が考えていたのは発電所をどうやって安定化させるかということ。現場で原子炉を冷却する作業をしている人間はもう撤退できないと思っていた。本店にも撤退ということは一言も言ってない」と言い切った。

 昨年3月14日の3号機の水素爆発時は、がれきが飛んでくるなど「(指揮を執っていた)免震重要棟の人間は死んだっておかしくない状態だった」といい、「これからもう破滅的に何かが起こっていくんじゃないか」と恐怖を感じたという。

 シンポジウムは長野県小布施町の出版社「文屋」の主催で、8月11日に開かれる。吉田氏が療養中のため今月11日に東京都内のホテルでビデオを収録。原発の事故処理を指揮する東電幹部のメンタルケアをし、吉田氏と親交のある人材コンサルタント薮原秀樹氏と対談する形で行われた。

 ビデオ映像には英語訳のテロップも添えられ、薮原氏による「聞くことで支える『福島完全安全宣言』」と題した講演の後上映される。

 ◆吉田昌郎(よしだ・まさお) 55年生まれ、大阪府出身。東京工大卒。79年に東京電力入社、10年に福島第1原発所長に就任した。東日本大震災後、原発敷地内の免震重要棟にある緊急事態対策本部で収束作業を指揮。1号機原子炉への海水注入の中断を求めた東電本店の指示を無視し、注水を継続したことが話題となった。健康診断で食道がんが見つかり、昨年12月、所長を退任した。現在は執行役員、原子力・立地本部付。


 熊日新聞には写真入りで掲載されました。この吉田所長が言っていることは本当でしょうし、菅首相が全面撤退は許さないと言っての利根だのも本当でしょう。では、真実はどこにあるのか。

 私が東電に入社したのは1988年4月。1989年1月には福島第二原発3号機で再循環ポンプの事故が起きました。私はまさしく事故の起きたときに、1−2号機を担当する第一保修課に配属されたのですが、事故の規模があまりに大きかったため、手伝い要員として任命されました。新入社員早々に東京に出張し、通産との会議に出席して議事録を取ったことがあります。私はほんのメモ程度だったのですが、他に議事録を取っている人間がおらずに、なんと私のメモを使って、東電の作戦会議をやっていたことを思いだします。出席者は、
・通算省資源エネルギー庁
・本店
・サイト(発電所のことを社内用語ではこう呼びます)
の代表者。サイト側は、原因をまとめて通常の定期検査と同じスケジュールで再稼動を主張していたのですが、本店と通算省は、これだけの大事故を起こしたのだから、何を寝ぼけたことを言っているという態度。サイトからは、たしか工程表も持っていったような気がしますが、こんな議論には当然ならず。全く、意見が違っていたことに本当に同じ会社かと思いました。対役所を一番に考える本店と、再稼動だけを目的とするサイト。もはや別会社の組織としか思えませんでした。

 311の災害を考えますと、本店側の人間が勝手に撤退すると、菅首相に話してしまったんでしょう。この本店側の人間は、原発に対してはほぼ素人である菅首相が、海水注入をやめろ都命令したら、反論することなくそのままサイトにつないだ人間です。つまり、自己の責任感などは何もなく、2F-3の本店で見られた自己の保身だけを目的とする本店サイドの人間だったと考えれば、納得がいく話です。(武黒フェローという名前が挙がっていますが、私はこの方は直接知っておりません)

 そうすれば、東電が撤退は考えなかったといい、現場が撤退するつもりはなかったと話している一方で、政府側が撤退は許さないと怒鳴り込んだという舞台裏が理解できるのではないでしょうか。

 東電の原発は全部で三カ所あります。福島第一(1F)、福島第二(2F)、柏崎(KK)。実はこの発電所に勤める人たちも決して仲がいいとは言えません。勿論サイト間で人事異動はあるのですが、6割程度は変わりませんから、独特な文化があります。

1F・・東電の原子力の開拓をやっていた自負がある。発電所内は、燃料破損事故が多発したため、高レベルに汚染。緊急停止(スクラム)をしてすぐに再稼動。またスクラムといった今では信じられないトラブルも経験しているため、職員全体のレベル(不具合対応の)は非常に高い。きれい事では原発が運転できないこともよく知っている。放射能廃液を夜中にこっそりと捨てていたという話も聞いたことがある。そのくらい、何もかもやっている。そして、なんでも知っている。

2F・・1Fの犠牲の上に立てられた発電所。ベテラン職員は、全員が1F出身。燃料破損事故などは起こしたこともなく、優良プラントだった。敷地もこじんまりとして狭く、よくいえばアットホーム。4基しかないので、職員の人数もそれほど多くはない(350名くらいか)。発電所内にも汚染されて立ち入り禁止にせざるを得ないような場所はない。トラブルも少なく、そのため対応能力は1Fに比べると高くはないと思う。何か大きな出来事があれば、1F出身者が指揮を執る。そんな感じだった。1Fと比べられてもね・・・というのが正直なところか。

KK・・世界最大の原子力発電所。敷地も広大で、最新鋭のプラントがずらりと並ぶ。地盤が脆弱なことは、全員が知っているが、見て見ぬふり。新潟沖中越沖地震では、随分と辛酸をなめさせられたと思う。私の時にはまだ建設プラントが有り、活気があった。2F出身の私は、1Fの大きさにも度肝を抜かれたが、KKはそれ以上。バブル絶頂期に建てられただけあって、標識一つをとっても高級感が漂う。青山通りなんて言うしゃれた名前もついていた。

新入社員、配属先のランキングは、

KK >> 1F > 2F

だっただろう。おそらく。


 原発事故が起こると、じっさいのところは現場の作業員は逃げるしかなくなります。

から

2012072503.jpg

このような差し迫った現場で、逃げることは考えなかったのは吉田所長だったからでしょう。関電の大飯原発所長は、真っ先に船で逃げ出し、社長も海外に逃亡しそうです。死を覚悟して、原発のトラブルに対処するといった悲壮感は全く感じられませんから。なぜ、同じ原発事故で有りながら、ちゃんと目に入ってこないのか不思議でなりません。

このゴルゴ13の別の一ページ
2012072501.jpg

3号機の爆発画像とそっくりだと思いませんか?


このマンガは、一読されることをお勧めいたします。

◆関連ブログ
首相と斑目委員長を診断する☆2011年05月17日
3月12日未明の東電FAXにSPEEDI情報が掲載−政治家は知らなかったと証言2012年02月28日
1-3号機メルトダウン報道について2011年05月25日
放射能の怖さをなぜ人より早くわかることができたか・・説得のヒント2012年05月12日
posted by いんちょう at 22:18 | Comment(4) | 原子力

2012年07月24日

放射能の真実を伝える動画と、推進側の動画

 今まで2回医師会の「公式」見解を紹介しました。医師は専門職です。本来は医師会の言うことなんて、聞かない人たちばかりで、医師会推薦の国会議員だって平気で落とす集団なのに、今回の放射能に関しては約8割程度の人が、医師会の言うことを信用しているのは非常に奇異に思います。通常なら、そんなことは認められないと騒ぐ人が必ず出てくるはずなのに、そのようなことをいっている医師は本当にごく僅かなのはなぜでしょうか。

 私から見ますと、放射能安全でほとんど固めきっているように思えますが、産経新聞は次のような面白い記事を出しています。

「小さな声」でも、原発擁護を口にすれば…
2012.7.19 03:05 [原発]
 〈原発はむしろ被害者、ではないか小さな声で弁護してみた〉〈原子力は魔女ではないが彼女とは疲れる(運命とたたかふみたいに)〉。歌人の岡井隆さんが、「3・11」の後、原発事故について詠んだ作品だ。
 ▼岡井さんは、反原発を主張する東京新聞に「けさのことば」という連載を持つ。今年2月、その東京新聞のインタビューに、元医師でもある岡井さんは、「ぼくは原子力容認派」と答えていた。勇気ある発言に驚いたものだ。
 ▼「日本中の新聞で原発擁護を書いたのは岡井さん一人。袋だたきに遭いますよ」と周りから言われるそうだ。歌壇の大御所でさえ、このありさまである。まして、電力会社の社員に、発言の自由はないらしい。将来のエネルギー政策に関して、国民からの意見を聴取する会に、東北電力の幹部や中部電力の関係者が発言者として出席していたことに、批判が広がっている。
 ▼「個人的な意見として、原発をなくせば経済や消費が落ち込み、日本が衰退する」「(福島第1原発事故では)放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいない」。小欄にはもっともな意見に聞こえるが、会場は騒然となり、テレビのコメンテーターは「信じられない」と罵(ののし)っていた。政府は今後、電力関係者を排除するという。
 ▼16日に東京都渋谷区の代々木公園で開かれた「さようなら原発10万人集会」は、主催者発表で約17万人、警視庁によれば約7万5千人と、大変なにぎわいだったらしい。作家の落合恵子さんは、「今日ここに来ているのが、国民であり市民」と言い切った。
 ▼「小さな声」でも、原発擁護を口にすれば国民とは認められない。そんな日が来るとしたら、放射能より恐ろしい


 産経にとっては、世論調査から考えても「原子力容認」が多数意見だとわかっているはずですが、いつの間にか小さな声だと言っています。なんか、おかしいですね。昨日の福島の医師の意見も、残念ながら匿名にするしかない現状なのですが・・どちらの声の方が大きいのでしょうか。

比較のために、放射能の真実を伝えてくれていると私が考える動画と、その反対の動画をアップします。内容についての判断は、皆様にお任せいたします。

死の灰の正体(1957年)古い映画ですが、真実は古くなりません。必見


真実の原子力 2011年4月 肥田舜太郎氏


チェルノブイリ・レガシー (Chernobyl-Legacy) futures Japan! 閲覧注意


以上3点を代表とします。翻って、原子力安全派

特別編福島とチェルノブイリ 〜虚構と真実〜 (2012/4/20)

これを見ていただけますと、放射能被害を隠そうとしているのが、日本政府だけでないことが非常によくわかると思います。

『福島で日常を暮らすために#1』 木村真三氏


福島原発事故の医学的科学的真実: 稲 恭宏博士 テレビニュース緊急報道
 残念ながら、埋め込みができません。東京大学の稲 恭宏医学博士 など、なかなかすれすれの表現が出てきます。舞台裏がわかると面白いです。英文論文などをふんだんに使っています。

◆関連ブログ
福島県医師会報に載った福島県小児科医の見解2012年07月23日
世界は恐怖する 死の灰の正体1957年制作2012年04月30日
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
posted by いんちょう at 21:33 | Comment(7) | 原子力

2012年07月23日

福島県医師会報に載った福島県小児科医の見解

 私の手元には、「こんなことが書いてあった」 と資料を送っていただくことがあります。なかなか全部を紹介することもできず、申し訳ありません。また、時々ネットでは拡散しないでくださいという資料も送られてきますが、ネットに書かないという約束は致しかねますので、そのような資料はお送りにならないようにお願いいたします。

今回は福島県医師会員の方から送られてきた資料です。最初に福島県医師会報を紹介して、その方のコメントをご紹介します。

福島県医師会報 第74巻 第7号 2012年7月より
(写真も著作物と指摘いただきましたので、表紙も削除しました)

 記事の筆者である市川陽子先生より、著作権違反との申し入れがありましたので、全文削除させていただきます。申し訳ありません。

普段は開封もせず、従って読みもしない雑誌ですが、偶然、開いたら目に飛び込んできまして…。
こんな論稿が医師から発信されている現実…。
これを最初にご覧になった全国の小児科医の皆さんは、どう思われたのでしょう…。

平素よりお世話になっております。
いつも先生のブログやツイッターをフォローさせて頂き、勉強させてもらっています。
改めまして感謝申し上げます。

以前、購入したDVDも有効に活用して、住民の今後の生活、避難・疎開に結びつくように情報を提供、共有していきたいと思います。

ところで、メールにも書かせて頂きましたが、福島県医師会報(2012年7月号)に掲載された、「福島県での被ばくとその影響」と題する論稿に驚愕して筆を取っています。

元々、これは日本小児科医会会報(第43号、36−42 2012)に投稿されたものだそうです。

是非、小野先生にもご覧になっていただきたく、同封させていただいた次第です。
本文は一貫した事実の矮小化、そして自分の逃げ道は常に用意して逃げを打ってある、という文章です。

以下、「聞き捨てならない」部分をいくつか拾ってみます。
・年間20mSv論争の頃、ネットメディアの「福島は危険・子どもを疎開させよ」という情報があふれ、大手メディアや地元メディアもこの論調に同調していた印象がある。この時期に冷静に過去の疫学調査や放射線の医学的影響を説く専門家の方々のほとんどが「御用学者」よばわりされた。
 ←大手、地元メディアがそんな主張をした印象は少なくとも私には皆無です。この論者は別な惑星のテレビや新聞をみていたのでしょうか。
そもそも【冷静に】ってなんでしょう。この期に及んでまだこんな見解を述べる医師がいるのです…。

・自分や近隣の医師が診察した範囲では鼻血を主訴に受診した子供はほとんどいない。下痢・倦怠感も同様と。
←肥田舜太郎先生の「ぶらぶら病」にも言及しているが、驚くべきことにやんわり否定しています。「免疫力の低下から通常の感染症も増える」という肥田先生の主張を、都道府県別統計を持ち出し、
それなら福島県の感染症罹患数が前年度より抜きん出ていなければならないが「感染性胃腸炎」ではのような事実は認められないとしている。
手足口病など、全国的に増えたとされる疾患については「福島県だけが突出しているわけじゃない」と。

・ネット情報の弊害  子育て世代の若い親たちは想像以上にネット情報を得ているということを銘記して、情報を流すべき
←あらかじめ多くの利用者が折込済みであるネット情報の負の部分にしか言及していない。

・低線量被ばくによる健康被害は起きるのか
チェルノの対応と比較して見せている。「チェルノでは3日間政府からの公表がなく〜」そして驚愕の一言。
→【一方、日本では事故は即日周知され、事故後の国の対応も素早かった】 
さらにこの論者には「10日後に予測しても意味がない」という認識はないようです。
【事故から10日後にSPEEDIによる予測線量が発表され〜】

・「規模も質もその後の国の対応も異なる。それを考慮せず、同様の健康被害が起こるに違いないかのような情報は誤りである。」
 →私は、規模は上回り、対応もソ連以下なので、同様どころかそれ以上の健康被害が起こると懸念しておりますが・・・。

誤りであると打ち消しておいて、直後にこう続けています。

・「ただし、福島県での今後の健康調査及びフォローアップが必要であることは言うまでもない。
 →姑息にもこうして「言うまでもない」ことを言って逃げを打ってあるのですね。健康被害が起こらないなら「健康調査やフォローなど必要ない!と主張しても良さそうなものですが・・・。

・ガラスバッジによる外部被ばく調査 から 
「これらの結果から、外部被ばくによる子どもたちの将来の健康被害の可能性は低いと推察される。」
 →しっかり(ちゃっかり)『「外部」被ばくによる』、と書いていますね。用意周到です。本当に悪質。

・内部被ばく調査
 「住民の不安を払拭する目的もあり(中略)南相馬市立病院が県内でいち早く行なったことは、評価されるべきことである」(中略)「このことから、現在までのところ南相馬市の子どもたちは、食事などによる内部被ばくは、ほぼ無いに等しいことが推測されている。」
→この後半に取り上げた文章は酷いですね。「現在までのところ」、「食事【など】」、「【ほぼ】無い」と少しずつ断言を避ける文章になっています。悪質。

そしてここの結びは、
「これまでに出揃っている県内の各地域のデータを総合的に判断すれば、福島県の子どもたちに将来健康被害をきたす可能性は極めて低いことが予想される。」
です。←県の「データ」への疑問は一切なく、「総合的に」判断を下しています。。。
そもそも「総合的」ってなんでしょう。意味不明です。

ここからが凄い。
・リスクのとらえ方と伝え方
1)土壌汚染を指標に避難を決めるべきか?
・今中哲二氏の論文に「強制移住」という表現はない。
・ベラルーシでは5年間は住民への対策が取られなかった。
・さらに当時のソ連と現在の日本は医療・経済状況が異なる。
「これらの違いを考慮することなく、土壌汚染のみで健康被害の可能性を示唆し「避難・疎開」を勧めるべきではないと考える」
←論者は、本当にこう述べています。更に自主避難をするかしないかは、「それぞれの家庭で(勝手に)決めてくれ」と。国の対応と瓜二つ。THE御用の称号を与えたい。

2)自主避難と被災地からの避難
・「危険だ」という情報に煽られるようにして親類縁者のいない他県に避難してしまった親子の中には、避難先の地域になじめず、不登校になっている子どももいる。これらの親子のほとんどは、県内に父親が残り母子だけの避難である。また、離婚などの家庭崩壊をきたした家族や、親子兄弟や友人との不仲を招いている方々がいるというのが現状である。実際の被災地から中通りなどに避難している家族の中にも同じような問題を抱えている子どもたちがいるが、むしろ懸命に暮らしているという印象が強い。
←非常に憤りを感じた一節です。
  まるで、県外に避難した親子はエゴを通したが故に家庭が崩壊し、一方で、中通りに避難してきた親子は(福島から逃げず)懸命に生きていて素晴らしいとでもいうのでしょうか?
そもそも「実際の被災地」ってなんでしょうね。「中通りは違う」という意識の表れでしょうか。かなり違和感があります。中通りこそ「住民が放置された汚染地帯」として問題だと思いますが。
そして決定的なのは「むしろ懸命に暮らしている」という言い回し。これは「県外に避難した母子は懸命に生きていない」と言っているのですね。もはや、この論者は精神を病んでいるとしか思えません。

3)福島県に留まっている親子
・報道では自主避難住民が後を絶たないという印象を与えているようであるが、実際には8割以上の子どもたちが福島県内で生活している。この子どもたちの親のほとんどは、冷静に現状を把握して県内で生活することを選択した。(中略)メディアでは「遠方に避難して頑張っている家族」ばかりが取り上げあれるが、県内に留まって前向きに生活している多くの住民をなぜ取り上げないのか、残念で仕方がない。
←私の地元メディアが伝えている報道の印象は正反対です。西日本に自主避難している子どもを前向きに取り上げた場面を(少なくとも私は)みたことがありません。北海道に疎開した家族を前向きに取材したのは北海道のメディアでした(放送も北海道のみ)。福島のメディアは一貫して、普段通り生活する子どもばかり取り上げていますがね。この論者はどこのメディアをみているのでしょうね。
駅伝、マラソン、鼓笛隊、部活動、高校野球、水泳・・・。すべてが普段通りに(震災前の通りに)進んでいますが・・・。

そして『御用』の常套句、「冷静に」がここでも使われていますね。悪質。

4)子どもたちの思い
・福島県の子どもたちは、メディアや一部の識者によって、将来「がん」になる率が高い、将来障害を持つ子どもが産まれるかもしれない、
と宣告されているに等しい状況なのである。
また「障害を持つ子どもが産まれたら困る」かのような表現にも、小児科医として憤りを感じる。
どのような子どもであれ、産まれてきた命に優劣はない。

この文章も相当に悪質です。前半は事実であり、まず直視して内部被ばくのリスクをできる限り下げる努力を続けなければ、現実になる可能性が高まるだけです。
そしてこの論者が「小児科医」として「憤って」みせている、「障害を持つ子どもが産まれたら困る」という(メディアの)表現も、実は、「(将来親になる)子どもたち自身がそう考えていること。」なのです。それは偽らざる気持ちでしょうに。
この論者は「産まれてきた命に優劣はない」などと偉そうな見識を臆面もなく披露していますが、所詮は「他人事」なんでしょうね。じゃあ、何故、チェルノ後の汚染地帯には次々と「孤児院」が出来たのでしょう。
何故、多くの障害児や、奇形児の存在が現実としてあるのに「今も(マスメディアからは)隠されたまま」なのでしょう。
この論者は 「どこ行くの、パパ?」 (ジャン=ルイ・フルニエ 著) を読んだ事もないでしょうね。障害者が自分の家庭にいるという現実、そして日常を知らないのではないでしょうか。

多分、想像もしたことすらないでしょう。そういう物言いです。
http://oisiihonbako.at.webry.info/201107/article_3.html

「おわりに」と題して、この論者はこれから「福島県の小児科医としてなすべきこと」として、「この地でこれからも生き、生育していく子ども達を心身共に守ることであると考えている」と結んでいます。つまり「『この地』でこれからも生きる子どもしか助けない」と言っているのです。
「県外に逃げた子どもなんか知らん」と言っているのです。

私にはそう聞こえます。

最後まで驚愕の文章でした。

是非、可能ならブログで紹介して頂きたいくらいです。
ネットでは医師ならメディカルオンラインでダウンロードできるようですが、それでも有料ですので・・・。
長文失礼しました。 2012年7月13日
福島県**市 *医院
*** 拝


いかがでしょうか。これは、前回初回致しました医師会の講演内容に合致しますね。私個人としては、肥田先生の内部被曝説をあたかも誤りと断じているところに、非常に憤りを感じました。そこは、本当に許せません。肥田先生のお話をニセモノだという医師がいることに信じられない思いがします。

同じく、福島県郡山の放射線科医ドクターの見解をこちらで紹介しておきます。

あさひ内科クリニック 
2012072301.jpg2012072302.jpg2012072304.jpg2012072305.jpg
 当初と比較すると随分大人しいスライドになっていますね。

最後の福島県は日本一の健康ランドとして人が集まってくる。・・・この意見に賛成する方がおられました。

[健康ランド]副島隆彦氏が『ホテル放射能』を建設する意向を表明2011.10.20
評論家の副島隆彦氏が10月18日、自身の公式サイトで福島県に、
『宗教研究家の中矢伸一(なかやしんいち)氏らと協力して、「健康ランド」とか、「低線量の放射線は人体に良い影響を与える」ことの証明としての「ホテル 放射能」を建設』
することを目指していると表明した。
副島氏らは、3月の原発事故の直後から、現地に入って活動を続け、
『現在の福島程度の放射線量は 人間の体に害を与えない』
『福島では、誰も死なない。こんな微量の放射能のせいで、発病して死ぬ者はひとりもいない。そのように断言します。』
との立場で情報を発信し、危険性を説く武田邦彦、広瀬隆、小出裕章、児玉龍彦の各氏らを、
『バカな恐怖症言論を撒(ま)き散らしている。』
と厳しく批判している。
その中でも、5月3日に、福島県郡山市で対談し、それをまとめた本を出版した武邦氏に対して、
『そのうち、 彼は、各方面の専門家たちから厳しい指弾を浴びて、消えていなくなるだろう。私も、そろそろ、この男の 扇動言論と、確信犯としての犯罪者体質が、 腹(はら)に据(す)えかねるようになってきた。』
などと、特に手厳しく批判している。


◆関連ブログ
除染レベルを上げたのはできなかったから、足の被曝は500mSvだった・・医師会の講習会より2012年07月20日
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
posted by いんちょう at 21:00 | Comment(31) | 原子力

2012年07月22日

なんのために生きているのか・・迷ったときに(DVDと本−ライフイズビューティフル、夜と霧、生きがいについて)



論評を書くのは苦手ですので、Amazonの書評から

ひ弱なヤサ男に真の漢を見た。 2010/10/2 By ぷるぷるねこ
前半部分は洒落の効いたコメディ。(頭の固い人は笑えないかな?)
しかしそれが後半部分にイキてくる。(イタリア訳とか館内放送など)

主役の父親は何も持たず最悪な状況に立ち向かいます。彼のやり方で。
どんな状況になろうと考え方一つで気持ちが変えられる事を彼は教えてくれます。

子供の心に、恐怖・絶望を寄せ付けず。妻を励まし、
色々なアイディアで妻と子供を救う。

強さとは、腕力などでは無く。立ち向かう勇気なんだと気付かされました。

戦争は悲惨で可哀想で涙、では無く。
愛する者の為に見せた彼の勇気に泣きました。(彼も恐かったはず)

色んな事に気付かしてくれた、この映画は間違いなく映画史に残る傑作です。


 本日久しぶりにDVDを取り出して、再度見ました。前半の女性と知り合って結婚するまでのウイットに富んだへこたれないの姿。強制収容所に収容されてからも、何も対抗手段がないまま、ユーモアで対抗するグイドの姿。是非ご覧ください。
 後ろの方で出てくるドイツ人医師の謎かけ。ネットで検索するとと解答を見つけることができます。


 単行本は、「池田香代子」氏の翻訳のようですが、このような文章を書かれた方ですので、こちらを紹介致します。

内容紹介
本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。
そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。
だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。
そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう」(「訳者あとがき」より)。

1956年8月の初版刊行と同時にベストセラーになり、約40年を経たいまもなお、
つねに多くの新しい読者をえている、ホロコーストの記録として必読の書である。
「この手記は独自の性格を持っています。読むだけでも寒気のするような悲惨な事実をつづりながら、
不思議な明るさを持ち、読後感はむしろさわやかなのです」(中村光夫氏評)。


 この中で忘れられない一節があります。(p.131)
 ユーモアもまた自己維持のための戦いにおける心の武器である。周知のようにユーモアは通常の人間の生活におけるのと同じに、たとえ既述のごとく数秒でも距離を取り、環境の上に自らを置くのに役立つのである。私は数週間も工事場で私と一緒に働いていた一人の同僚の友人を少しずつユーモアを言うように教え込んだ。すなわち、私は彼に提案して、これから少なくとも一日に一つ愉快な話を見つけることをお互いの義務にしようではないかと言った。彼は外科医で、ある病院の助手であった。私は彼に、例えば彼が後に家に帰って以前の生活に戻ったとき、収容所生活の癖がどんなに取れないかを面白く描いて見せて、彼を微笑させようと試みた。このことを語る前にまず説明しておかなければならないのだが、労働場では、労働監督が巡視にやってくるときには、看視兵は労働のテンポをその時早めさせようと思って、いつも「動け、動け」と言って我々をせき立てるのが常だった。だから私は友に語った。もし君が手術室に立って、そして長く続く胃の手術をしていたとする。すると突然手術係が飛び込んできて、「動け、動け」としらせる、それは「外科部長がやってきた」ということなのさ。
 すると彼の方でも負けないで、同じようなおどけた未来の夢を発見するのだった。たとえばわれわれはどこかの家の晩餐に招待されたとする。そしてスープを分けるときにうっかりしてそこの家の主婦に−ちょうど労働場で昼食の時にカポーにするように−すみませんが豆が二つか三つか、あるいはジャガイモ半分お皿の中に泳ぐようにスープを「そこの方から」すくってくださいと嘆願するのじゃないかしら、などと言うのであった。



 この本は、東電を辞めるときに、上司の一人(同じ分野の仕事をしていた建設部の副長)からいただきました。当時はそれほどピンと来ませんでしたが、いまの時代にぴったりだと思います。

「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか」神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。

はじめに から
わざわざ研究などしなくても、はじめから言えることは、人間がいきいきと生きていくために、生きがいほど必要なものはない、という事実である。それゆえに人間から生きがいを奪うほど残酷なことはなく、人間に生きがいを与えるほど大きな愛はない。しかし、ひとの心の世界はそれぞれに違うのであるから、たった一人の人にさえ、生きがいを与えるということは、なかなかできるものではない。あるひとにとって何が生きがいになり得るかという問いに対しては、できあいの答えはひとつもないはずで、この本も何かそういう答えをひとにおしつけようという意図は全くない。ただ、この生きがいという、つかみ所のないような問題を、色々な角度から眺めてみて、少しでも事の真相に近づきたいと願うのみである。著者の理解と考えの及ばないところに、まだたくさんの大切なものが残されているに違いない
 生きがいということばは、日本語だけにあるらしい。こういう言葉があると言うことは日本人の心の生活の中で、生きる目的や意味や価値が問題にされてきたことを示すものであろう。
(中略)
 ふつうのおとなにおいてこうした純粋な「生きるよろこび」がいちばんあざやかにあらわれるのは、初めての子を産んだ直後の母親の、存在の根底からふきあがるような喜悦であろう。これは筆者がかつて主婦達の調査をしたときにも、はっきり結果に表れていた。出札直後の歓喜は女性の生きがいの発見の喜びとも言えよう。


p.33から
 しかし長い一生の間には、ふと立ち止まって自分の生きがいはなんであろうかと、考えてみたり自分の存在意義について思い悩んだりすることが出てくる。この時は明らかに認識上の問題となるわけで、大まかに言って次のような問いが発せられるわけであろう。
一.自分の生存は何かのため、またはだれかのために必要であるか。
二.自分固有の生きていく目標は何か。あるとすれば、それに忠実に生きているか。
三.以上あるいはその他から判断して自分は生きている資格があるか。
四.一般に人生というものは生きるのに値するものであるか。

 人間がもっとも生きがいを感じるのは、自分がしたいと思うことと義務とが一致したときだと思われるが、それはとりもなおさず右の第一問と第二問の内容が一致した場合であろう。
(中略)

使命感
 もし生きがい感というものが以上のようなものであるとすれば、どういうひとが一番生きがいを感じる人種であろうか。自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標に向かって全力を注いで歩いている人−言い換えれば使命感に生きる人ではないであろうか。


 私も再度読み返します。

◆関連ブログ
カネと権力でわかりやすく恫喝する政治家・電力・企業と、ペンで非難する女性評論家2012年06月15日
タグ:生きがい
posted by いんちょう at 15:17 | Comment(7) | 日記

2012年07月20日

除染レベルを上げたのはできなかったから、足の被曝は500mSvだった・・医師会の講習会より

 国民の健康をまもる医師の集団・・・医師会。どのような教育を医師に対してしているのか。先日、私の手元に一冊の本が送られてきました。私にとってはかなり衝撃的な内容でしたが、ネット上で一般公開もされているようですから、ここで紹介させていただきます。

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◆講演VIII「福島第一原発事故と放射線被ばくについて」(約20分)
放射線医学総合研究所理事
明石 真言

について、ご紹介致します。(動画もアップされています。・・どなたでもご覧になれるようです)

福島住民の汚染と除染
 今回、福島で私どもが直面した大きな問題は、住民の方々の除染です(図表16)。
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住民の方々、福島県は大体1㎠当たりγ線とβ線で40ベクレルぐらいを事故前の除染基準にしていました。これよりも高ければ除染をする、これよりも低ければ除染をしないということです。これは検出器によって違うのですが、このタイプの検出器を使うと大体1万cpmぐらいのカウントが出てきます。ところが、1万cpmを超える人たちが住民の方に多く出てきてしまったのです。
 何が起きたかというと、今回の災害は、先ほどお話ししましたように、複合災害でありました。結局住民の方に汚染があっても、断水によって水がなかったため、除染ができなかった(図表17)。
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(できなかったらしなくていいのだったら、基準の意味はなさそうですが・・・)

 最も簡易な除染方法は、汚染した洋服を脱いでしまうことです。ところが、気温が低くて雪が降る状況だった上に、皆さん着の身着のままで避難してきた。当然ながら着替えがないので、洋服を脱いで除染することもできないという状況になりました。そこで、除染をする基準値を引き上げざるを得なくなったということが、当時の実情です。

 ところが後になって、高い汚染のスクリーニングレベルを設定することが危険ではないかというような議論が出てきました(図表18)。
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そこで、IAEA(国際原子力機関)が出しているマニュアルを確認したところ、10cm離れたところで1時間あたり1μSv/hというのが、いわゆる“First Responder(消防など真っ先に救急対応する人)”にも、このレベルまでは基本的に何もしないで患者の治療にあたるというレベルであると記されていました。これに比べると今回の除染基準値の引き上げについても大体10cmのところで1μSv/hになるということが分かっていましたから、私たちはこれを適用するように政府に対して提言をいたしました。
 乳幼児まで、この基準でも大丈夫と医師会が太鼓判を押したわけです。乳幼児を緊急対応する人と同じレベルに位置づけていいのでしょうか。基準を緩くすることよりも、どうやったら本当に除染できるかを助言するべきではありませんか?つまり、この基準で言いますとかなりの被曝をしたことが見て取れます。なぜ、医師が現場に合わせる必要があるのでしょうか。自衛隊のシャワー設備でもなんでもやって、除染してあげるように勧告しなくていいのですか?

研究所で受け入れた患者について
 それから今回、実は医師の方が多いのでお示しした例ですが、これはわれわれの研究所で受け入れた患者についてです(図表19)。
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この方は水素爆発によって負傷した方で、われわれの研究所に搬送されてきました。全身、広範囲に汚染が存在していて、高いところでは31,000cpmぐらい、それからほとんどがヨウ素系の放射性物質に汚染していました。
 当然こういう方々でも、けがをしていれば治療をしなければいけないということです。私どもの研究所では、もちろん放射線を測るスタッフもたくさんいますし、放射線管理の専門家がいますので、こういう患者を受け入れることについて何ら問題はないということでスムーズに受け入れました。
 それからもう3名受け入れていますが、3月24日にケーブル作業をしていた患者が汚染水のなかに足を突っ込んでしまって、皮膚にβ線熱傷が出てきたというような、これがわれわれのところに搬送される前にニュースで出てしまったのです(図表20)。
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われわれはβ線熱傷などほとんど出る障害ではないということを知っていました。実は、「おかしいな」と思って受け入れました。そうすると、確かに足には汚染水による汚染というのはかなり付いていました。
 ところが、いろいろな問題が分かりました。ひとつは個人線量計を設定して、一定の線量になると音が鳴るようにしていたのですが、音が鳴っていることを無視して仕事を続けているなど、かなりの混乱のなかでたぶん作業をしていたのでしょう。こんなことも明らかになってきました。
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 一方、足の汚染レベルを見てみると、1時間当たり10μSv/hを超えるような汚染も出てきています。でも、ある程度の知識があれば、これは正確にどのくらいの汚染であるかということが分かりますし、医療スタッフについて危険か危険でないかというのもすぐ分かるわけです。
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私たちはこの3名を受け入れましたが、医師も看護師も、誰もこの患者に近寄ることを躊躇した人はいません。何も問題ないと、すぐ判断をしています。
 つまり、やはり正しい知識というのは非常に重要だということです。
 ちなみにこの足の線量は、約500mSvです。500mSvというと、私たちは皮膚に発赤(erythema)が出てくるのに大体3,000mSvぐらいと考えています。それに比べると出るわけはないのです。ところが、これが世界中のニュースになってしまったという非常に残念な経験をしています。
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 もし、この患者たちが重傷を負っていたら、心筋梗塞があったら、出血をしていたら、受け入れないということは許されないだろうと私どもは認識をしております。
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 こんなふうに、やはり正しい知識を持つ、放射線を正しく怖がるというのは、医師にとって不可欠な要件ではないかと思っています。


 コメントをする気も起きませんが、緊急時でようやく許される500mSvも被曝させておいて、全然怖くないとは一体どのような神経なのでしょうか。やたら、怖くない、正しく怖がれ、冷静にと話しておりますが、では熱傷などはなかったのか。なぜ、足底の写真などを見せていただけないのでしょう。3Svを超えるとようやく皮膚の熱傷が起きるとは、私は知りませんでしたし、今回の被曝量計算は汚染による被曝のみのはずです。もともとの水たまりにあった放射能から、どれだけのβ線障害を受けたかなどの計算はされているのでしょうか。

このようなニュースも流れています。
 東日本大震災の発生から1週間後。親しい某ニュース番組のテレビカメラマンから「お蔵入り映像」を見せてもらった。
 震災直後、関東某所の避難所に、福島第一原発の作業員が妻と娘をつれて訪れた。彼は協力企業の人間からサーベイメーター(携帯用の放射線測定器)を奪うと、愛娘を調べ始める。すぐに針が振り切れ、ピーピーという大きな音。なだめる協力企業の人間から、「俺は毎日つかってっからわかんだ! やべえだろ、これ!」と怒鳴って取り乱す作業員。震災からまだ1週間ほどだったので、モニターを見て思わず息を呑んだ。
 この映像はテレビ局幹部から「あまりにショッキングで、視聴者の恐怖心をいたずらに煽る恐れがある」としてボツになった。「報道の作法」に反するというわけだ


100,000cpmにしてしまえば、引っかからないから安全。なぜ、このようなことを医師が先頭にたって言うのでしょうか。上記のサーベイメーターのお子さんは今はどうされているのでしょうか。

この症例報告で奇妙な点は、何日間入院されて、どのような経緯だったのかが、一切なく、この線量なら怖がる人間はいないというなにやら情緒的な話にすり替えられていることです。10uSv/hrの汚染がある物体に近寄っても怖くないというのは、蛮勇というのではないのでしょうか。

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タグ:医師会
posted by いんちょう at 23:35 | Comment(11) | 原子力
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