家庭用品で覚醒剤精製？　容疑のシンガポール人と日本人夫妻を逮捕

　マンションの一室で覚醒剤を精製したとして、警視庁組織犯罪対策５課は１０日、覚せい剤取締法違反（営利目的製造）の疑いで、シンガポール国籍の自称会社役員、ザイナブ・ビンティ・ユソフ（５１）と、夫の同、平山哲男（６５）の両被告＝ともにマレーシア在住、同法違反（営利目的所持）の罪で起訴＝を再逮捕した。

　同課によると、関係先からは覚醒剤の結晶を含む粉計約５６０グラムに加え、精製道具なども押収された。２人とも「覚醒剤は造っていない。（押収された粉も）覚醒剤とは知らなかった」などと否認しているという。

　同課によると、平山容疑者らは３月２２日、マレーシアから短期滞在ビザで成田空港に入国。東京・日暮里や上野のウィークリーマンションを転々としながら、家庭料理用のざるや灰汁取りシート、除光液などを使って、不純物の混ざった黄色いパウダー状の粉から覚醒剤の結晶を精製していたとみられる。同課は販売先があるとみて、関係者の特定を急いでいる。

　再逮捕容疑は、４月４日〜８日、東京都台東区松が谷のウィークリーマンションで、覚醒剤約５１０グラム（末端価格約４０８０万円相当）を精製したとしている。

　同課が３月下旬、東京税関からユソフ容疑者に関する情報提供を受け、捜査していた。