南場の会社は、携帯電話のサイトを中心にしたネットビジネスを行う。熾烈(しれつ)な競争の繰り広げられるIT業界、常に新規事業の開拓を積極的に続ける。
新しい企画を考える社員たちの話を聞くとき、南場は大切にしていることがある。それは、小さなことでも、面白い芽があれば、提案者以上に前のめりに考えることだ。未熟な部分は、後に議論をつくし実現化に向かわせればいい。まず最初に組織のトップが一番前のめりになることで、社員たちの気持ちを盛り上げ、アイデアを豊かにさせる。
南場の会社は、携帯電話のサイトを中心にしたネットビジネスを行う。熾烈(しれつ)な競争の繰り広げられるIT業界、常に新規事業の開拓を積極的に続ける。
新しい企画を考える社員たちの話を聞くとき、南場は大切にしていることがある。それは、小さなことでも、面白い芽があれば、提案者以上に前のめりに考えることだ。未熟な部分は、後に議論をつくし実現化に向かわせればいい。まず最初に組織のトップが一番前のめりになることで、社員たちの気持ちを盛り上げ、アイデアを豊かにさせる。
南場の豊かな表情に、社員たちも気持ちを盛り上げる
変化の激しい携帯ネットビジネスの世界。南場は、めまぐるしく変わる状況に機敏に対応するため、頻繁に人事異動を行う。その時、南場は、そのチームの大黒柱である、皆が頼りにしているエース社員を躊躇(ちゅうちょ)なく引き抜く。
すると、残されたチームのメンバーたちは、穴を埋めるために必死で仕事をし、次の大黒柱が生まれる。常に甘えられない状態におくことで社員たちを育てる、南場一流の人材育成術だ。
現場から時に反発があっても、根気強く説得を続ける
もともと大手外資系コンサルティング会社に勤めていた南場。8年前、日本ではまだなじみの薄かったインターネットオークションサイトを作ろうと、たった5人で起業した。
しかし、サイトの開設直前に外注していたプログラムが手違いにより全くの白紙だったことが判明、会社存続の危機を経験した。ぼう然自失になり何もできずにいる南場を変えたのは投資家からの1通のメール。
「この事態をどう乗り越えるか、すべての投資家が見ています」。
その1か月後、南場は、11人の社員たちと、ただ前のめりに困難な事態を乗り越え、サイトを無事立ち上げた。闇の中でも、どこかに光が必ずあると信じ続ければ道は開ける。それが南場の経営者としての信念となった。
大勝ちする日までともに頑張ろうと、南場は語り続ける
南場は、自社のサイトのチェックに余念がない。そのために必要となるのは2台の携帯電話。携帯電話会社によって、サイトの機能や画面が違うためだ。常にユーザーの立場となりサービスを確認することを、南場は大切にしている。意外なのは、待ち受け画面に設定された愛犬さくらの写真。一日一回は撮影するという南場の心の癒しだ。
南場が片ときも手から離さないスケジュール帳。中には30分単位でびっしりと、ミーティングや会議の予定が書き込まれている。以前は、携帯電話など電子機器でスケジュールを管理しようとしたこともあるが、立ち上げるまで時間がかかることを嫌い、紙のスケジュール帳を愛用し続けている。いつでも、何をしながらでもすぐに開けることで、忙しい中でも機敏に対応できるという。