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　またも〝宿敵〟に夢を阻まれた。ロンドン五輪柔道女子５２キロ級、中村美里（２３＝三井住友海上）は初戦の２回戦で、最大のライバルの北朝鮮アン・グムン（３１）に敗れ、メダルなしに終わった。

　北京五輪準決勝で敗れた相手に、再び金メダルの夢を消された。中村は開始２７秒、いきなりアンに谷落としで技ありを奪われてしまう。１分後には内股で技ありを奪い返したが、審判は判定を有効に変更。その後も中村は果敢に攻め続け、防戦一方のアンに指導が２枚出されたものの時間切れ。中村のロンドン五輪は５分で終わった。

「すごく悔しい。でも試合は楽しめました」と涙をこらえながら話した中村。世界一に２度も輝きながら、五輪では頂点に立てない。「強さが足りないんだと思います」と振り絞るように話した。

　園田隆二監督（３８）は「技ありの場面では不用意なところが出た。厳しい相手に、それをやるとこういう結果になる。これだけ実績を持ってきても、もっともっと練習するべきなんだなあ、と思った」と鎮痛な面持ち。金メダル２つが期待された軽量級女子でまさかのメダルゼロ。柔道会場に、重い空気がたちこめている。