14〜15歳時の根性


●後輩に”ゴキブリ博士”といわれた
 私の通っていた中学では、2〜3年時、自分の選んだ自由なテーマで研究を進めるという、「自主研究」という授業、というか、そういう時間が1週間に1時間充てられていました。
 その時間に私が研究したのが「ゴキブリ」についてです。ここではその時提出して印刷されたものを原文ママにて大公開!





ゴキブリの世界ふしぎ発見!(草野)
3年M組5番 えとう33


1.研究の動機
なぜゴキブリは昆虫なのに嫌われるのかを調べるため。

2.研究の内容
 (1)名前の由来
日本の文献で最も古いものは 松村松年博士の「日本昆虫学」(1898)で”蜚虫廉”(※えとう注)という難しい漢字を使って、これをゴキブリと読ませたのが最も古い。
語源的には、食器に首をつっこんで、食べ物をあさっている様子から、「御器」「被る(かぶる)」ことからゴキカブリと呼ばれ、それが縮まってゴキブリと呼ばれるようになった。
 (2)ゴキブリの歴史
日本国民大多数が知っての通り、ゴキブリは3〜5億年もの昔からほとんど姿形を変えずにいる。その長い歴史の中でゴキブリは種類を増やし現在は、約450属 3,500種(!)もの仲間を全世界に送り込んだ。
 (3)体のつくり
最もポピュラーなチャバネゴキブリについてここでは書こう。
産卵数 218〜267で産んでから幼虫が発生するまではおよそ17日間である。

幼虫期間…ゴキブリは不完全変態動物なので体の型は既に成虫と同じ。皮ふは乳白色でやわらかいが時間がたつにつれ灰色を帯び、黒褐色になり、かたくなる。10日に1回脱皮。脱皮したては白い。そして1まわり大きくなる。6回の脱皮で成虫になる。成虫もなりたては白い。

成虫期間…寿命は様々。

ゴキブリの感覚
(4)ゴキブリの生活

<<ゴキブリの歩行距離>> チャバネの場合 温度16〜30℃ 湿度38〜72%
オス1日平均23m メス56m  オス1日最大68m メス458m

船…約68%がチャバネ。船内のいたる所に卵を産み、荷物とともに上陸。

列車…やはりチャバネが多い。一昔前、一夏で東海道・山陽新幹線内では、108,477匹見つかった事がある。

飛行機…日本からの便で発見される事は少ないようだが、外国からの場合、いろいろな種類のゴキブリが乗り込むらしい。
(5)撃退法
ゴキブリが家庭に住んでいる数は全体の1%であり、住み始めたのは1950年頃である。その頃から薬品を使って殺し始めた(下図参照)。しかし人間が薬を使うと、それに対してゴキブリが慣れてしまって効かなくなる。その為次々と変えていった。そんな事をしていると、薬が効かない強力なゴキブリが生まれるに違いない。

図→ゴキブリ殺虫剤の歴史
  DDT  →塩素系炭化水素 →有機燐系薬品 →ピレスロイド系・・・→  (1952) (1959)   (1967)  (1980)  現在使用禁止 現在使用禁止  オ○ムでおなじみ キンチョールの中身

この事から、何億年も進化しなかったゴキブリが、数十年の間に進化した、といってもいいだろう。
3.研究のまとめ・反省・感想 ゴキブリが嫌われる理由は黒くて素早く動き、なかなか殺せない、という所にある。繁殖力も強いので家中ゴキブリだらけだと思わせる。だが実際に住んでいるのは全体の1%という所からそう多くないはずだ。又、最近住み始めたということから、人間の生活が豊かになったからだ、と考える。だからキンチョール、ゴキブリホイホイ、コンバット、バルサンなどが売れて、何人もの人の生活を支えている。つまり社会の一部となっている訳で、人間の生活には欠かす事のできない存在になっており、若干矛盾。更にこの文の意味も稍不明。

4.参考文献 理科年表(国立天文台編)、ゴキブリの話(石井象二郎)、害虫博物館(安富和男)

5.3年間の研究の歩み 1年 常磐線について
            2年 ゴキブリの不思議
            3年 ゴキブリの謎

●いつものように添削です
 いや、これは結構普通じゃないかと思われます。少々文法のおかしな所がありますが中学時代だという事を加味しますと、「モノマネ王座」で大矢明彦監督は10点満点つけてくれそうです。というのも、実はこの研究、2年が終わった段階で「中間発表」というのを1学年集まってやったんですが、その時理科部門代表として全員の前で発表したんです。で、”ゴキブリ博士”と。それと、この中間発表のあと、なぜか保健の先生から誉められました。「3年の時は」ですって?! 諸事情で代表にはなれませんでした(プラス方向で)。
 本文ではそれほど強調されていませんがゴキブリは地面から飛び立てないという事を知らない方も多いんじゃないでしょうか? アニメなんかでそういうシーンが出ることがありますが、そんな事絶対にない! ということを覚えておいてください。皆さんもゴキブリは地面にいる限り羽ばたけない、という事を押さえておけば多少恐怖心が和らぐのではないでしょうか。
 ちなみに私えとう33はゴキブリを手掴み出来ます。

 文中の(※えとう注)についてですが、漢字が出なかったのでああいった表記になってしまいましたが、2文字目は「虫へん」に「廉」です。つまり2文字の熟語です。なお、この研究文は1995年当時のものですので、現在と若干違いがあるかもしれません。ご了承下さい。
 あと、最後の「3年間の研究の歩み」ですが、1年時は自主研究の練習のような事をやりました。残念ながらこの時の文章は残っていませんので、掲載は不可能です。

●追加項目
 本文には書かれていない事がまだありますのでここに書きたいと思います。

6.真・ゴキブリ撃退法〜Operation "KILL A COCKROACH" 
@キンチョール作戦:一番受身な作戦ですが、使用頻度は高いでしょう。ゴキブリは走陰性(走光性の逆、つまり光から逃げる)ですので、これで走行先を予測し、薬剤を吹きかけましょう。また感覚毛の関係でゴキブリの後ろに立つのは好ましくありません。そっと近づくなら正面切って行きましょう。
「武士なら正々堂々と戦え!」(マシュマー)

Aゴキブリホイホイ作戦:こちらから仕掛けるわけですので、攻撃的ではありますがHIT待ちなのである意味受身です。これはゴキブリの通り道に仕掛けるのが鉄則です。ではどこを通るか。ズバリ、部屋の端っこです。”4角”より”端”です(「アタック25」でいうと21より23のほうがよい)。そして家具の陰になって光が届かないところに仕掛ければ集合フェロモンの効果もあり、かなりの成果が期待できます。

Bコンバット作戦:これはほぼ「〜ホイホイ」作戦と一緒ですが、効果はこちらの方が上です。ゴキブリが毒のえさを食べ、巣に帰ります。その巣で毒の効果が現れゴキブリが死にますと、その毒の死骸を他のゴキブリは食べます。毒の死骸を食べたゴキブリも毒で死に、その死骸を食べたゴキブリも毒で死に、その死骸を・・・という「無限地獄効果」(えとう命名)が期待できます。ただ、卵の中にいる子供には当然効きませんので「全滅」とはいきません。

Cホウ酸ダンゴ作戦:コンバットと同じような作戦ですが、これだと効き目が強力すぎて、ヘタすると部屋に死骸がころがってる、ということもあるかもしれません。ただ、コンバットより安価です。

Dバルサン作戦:超攻撃的な作戦です。まさに「一網打尽」の効果が期待できますが、家を人払いしなくてはならない、散布後の掃除もある・・・等、面倒な事もありますが余裕があったら試したい作戦でもあります。


 えとうおすすめ作戦は、Bです。御手軽に「プチ全滅」できます。赤ちゃんが生き残ってしまいますが、そのへんは気にならないでしょう(と思う)。

 ゴキブリ嫌いな人は多いでしょうが、どこかの(どこかは忘れた)原住民はゴキブリも”薬”として食していたそうです。人間より遥かに歴史の長いゴキブリをなめてはいけません。ゴキブリがここ数年で劇的進化を遂げたことを考えると、そろそろニュータイプゴキブリが出現してもおかしくありません(キンチョールをことごとくかわし、バルサンの気配を感じ取り全員で脱出したり…)。
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