原発政策が争点となった山口県知事選は自民、公明両党の推薦候補が当選したものの、「脱原発」を掲げた飯田哲也氏が予想を上回る追い上げを見せて善戦した。自民党は保守王国とされる山口での勝利に安堵しつつ、脱原発や第三極を掲げる勢力が今後の選挙で存在感を増す展開への警戒感を強めている。
自民党の河村建夫選挙対策局長は29日夜、自公両党の推薦候補の勝利について「固い保守基盤の県民の冷静な判断が働いた。大阪維新の会など第三極の影響が全国に及んではいけないと危機感を持ち、全力で戦った結果だ」と強調した。
山口県は民主党への政権交代の風が吹き荒れた2009年の衆院選でも、自民党が4議席中3議席を獲得した。自民党は今回の知事選を次期衆院選の前哨戦と位置付け、総力戦で臨んだ。地元の安倍晋三元首相や高村正彦元外相らの選挙応援に加え、終盤は石原伸晃幹事長や茂木敏充政調会長が山口入りし、国政選並みの態勢を整えた。
7月下旬には公明党の支持母体・創価学会にも協力を要請し、自公で懸命に組織票を固めた。それでも自民党幹部からは「投票率が上がれば浮動票は相手候補に流れ、厳しい結果になる」との声が出ていた。
敗れた飯田氏は大阪府と大阪市の特別顧問を務め、橋下徹大阪市長のブレーンの一人でもある。その善戦ぶりは橋下氏が代表を務める「大阪維新の会」などへの支持の広がりを予感させる。みんなの党は政府の消費増税方針への反対や第三極の結集を訴えており、知事選でも勝手連的に飯田氏の応援をした所属議員がいた。
自民党の谷垣禎一総裁は「反原発の流れが県知事選で出てくることが日本の将来を考えたときにいいことなのか」と指摘してきた。だが原発政策は、今後も選挙で重要な対立点の一つになるとみられる。公明党幹部は「原発即時ゼロを看板にした候補者に多くの支持が集まることは脅威だ」と語る。
民主党は今回の知事選で自主投票に回った。米軍岩国基地に搬入された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本格運用は各候補が慎重姿勢を示して争点とはならなかったが、政府は今後も難しい調整を迫られる。
国民新党の下地幹郎幹事長は「不安除去がオスプレイの運用の条件と山本氏は語っている。政府は今回の結果を軽視すべきではない」と語った。
河村建夫、安倍晋三、橋下徹、高村正彦、石原伸晃、茂木敏充、谷垣禎一、自民党、下地幹郎
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