冬水田んぼから始まる命のつながり
「ほたるの居る田んぼを創る会」は、会長の園原久仁彦さんを中心に17名のメンバーからなり、長野県上高井郡高山村中山地区の盆地で、2005年から岩澤信夫氏が提唱する「冬期湛水不耕起栽培」とEM技術を活用した稲作に取り組んでいます。
「冬期湛水不耕起栽培」は冬の間も田んぼに水を張り続けることから、生き物の活動が途切れません。さらにEMを活用することで豊かな微生物環境が短期間で安定的に構築できるので、春の水温の上昇とともに、微生物層を底辺に、小動物、昆虫、貝類、メダカやドジョウなどの魚類、藻類、水生植物などの多くの生き物の活動が活発となり、多様な生態系が創出されます。
土も水も健康になり、生命の循環はパワーに満ちあふれ、その中で生育したお米には豊かな自然の味わいが凝縮されています。
ヘイケボタルの幼虫
会の名前に冠する「ほたる」は、1年目で増え始め、毎年初夏には数千匹のホタルが乱舞するそうです。この地域の特徴はホタルの種類が多様なことで、ゲンジボタルとヘイケボタルが同じ地内で、光の競演を行います。
高山村の豊かな生態系に群れるトンボたち
ホタルだけでなく、写真に収めて確認できるものだけでも25種類のトンボが棲息しており、高山村には希少種である高山性のカオジロトンボ、カラカネトンボ、ルリボシヤンマやムカシトンボ、ムカシヤン ろん、ヒメギフチョウの棲息も確認されており、推定でトンボは40種位、チョウは80種位が棲息している可能性もあるそうです。
「トンボは昆虫などを捕食して食べる肉食性です。トンボが多いということは、それだけ餌があるということ。つまり生態系の底辺が豊かだということを示しています。だから高山村の田んぼはすごいのです。」と日本鱗翅学会会員である関舜二さんも話してくれました。
「トンボは昆虫などを捕食して食べる肉食性です。トンボが多いということは、それだけ餌があるということ。つまり生態系の底辺が豊かだということを示しています。だから高山村の田んぼはすごいのです。」と日本鱗翅学会会員である関舜二さんも話してくれました。