全国的には「クルマの街」というイメージが強い豊田市ですが、もともとは矢作川流域の気候おだやかな田園地帯。
株式会社中甲はこの地で昭和49年に発足しました。
手間がかからず、収量アップのEM栽培
「安全・安心・地域と共生」というコンセプト、そして「土があり、人があり、農となる」という基本理念を掲げ、稲作を中心に麦、大豆栽培にも取り組んでいます。環境保全型の農法や新しい経営スタイルにも積極的で、数々の「農林水産大臣賞」、「米作り百選の地」(平成2年)などに輝き、全国からも多くの見学者が絶えません。
EM技術による米作りは平成17年から。「私たちが米作りのレベルアップを模索していた時、ちょうど『野菜作りでだけでなく、これからは稲作にもEMを活かしたい』というイーエム総合ネットさんの提案があり、まず2haでコシヒカリの特別栽培米にトライすることになりました。」と代表理事の杉浦俊雄さん。
特別栽培米はガイドラインに沿って除草剤や農薬の使用回数を極力減らした安全・安心のお米であるため、一般的な栽培より手間がかかるのが普通です。 しかし、杉浦さんから返ってきたのは意外な答え。
「EMボカシペレットや発酵液の散布、除草、収穫などをバックアップしてもらっただいたおかげもありますが、実に手間がかからないんですよ。それより何より、収穫量がアップしたのが一番の驚きでした。お米の粒自体が大きいんです!」
そこで2~3年目は栽培面積を5ha、4年目は7haと徐々に拡大、「この方法をよりうまく普及させ、低コストで安定した品質を届けていきたいですし、将来的にはEMを活用した有機栽培にも取り組んでみたい」と意欲的です。
「実は、近隣農家の高齢化や離農によって、今、耕すべき土地はどんどん増えているんです。メンバー増強も今後の課題ですね」とのこと。若いパワーで、おいしく安全・安心に、そして、地域を元気にする農業に取り組む「中甲」さん、今後の活躍がますます楽しみです。