EMグループの活動事例

2011年12月06日(火)

【三重県】2011EM活用交流会

カテゴリ : その他

パネルディスカッション
  • 福島での放射能除染の事例を発表するEM研究機構の新谷取締役
  • 比嘉教授講演

2011EM活用交流会が
2011年12月3日(13:00~16:00)に
三重県総合文化センター 多目的ホールで開催されました。

プログラムは以下の通り。
13:00開会あいさつ
13:10事例発表①「東日本大震災・被災地におけるEM活用状況」
NPO地球環境共生ネットワーク運営委員 高橋比奈子氏
    事例発表②「福島でのEMによる放射能汚染の低減化」
         (株)EM研究機構 取締役 新谷正樹氏
13:50パネルディスカッション「震災後の新しいまちづくり」
         コーディネーターUネット  高橋比奈子氏
         パネリスト 名桜大学    比嘉照夫教授
               三重県議会議員 津村 衛氏
               三重県議会議員 石田成生氏
               EM研究機構  新谷正樹氏
15:10講演 「EM技術の最新情報」
         名桜大学    比嘉照夫教授

事例発表① 被災地におけるEM活用の具体的な状況報告

NPO地球環境・共生ネットワーク 運営委員 高橋比奈子氏の発表主旨は以下の通り。
岩手県を拠点とした動きでは、盛岡市から、支援物資やEMの配達・ボランティアの受け入れの対応などの報告、岩手コンポストの岩手県各地でのEM供給にUネットから提供された1トンタンクが使用されている状況報告と18000トンの冷凍魚の埋設処理にEMが使用された報告がなされました。
宮城県を拠点とする活動として、Uネット世話人の小林氏が担当する塩害対策でのEM活用で、鈴木有機農園やJA石巻で実際に施用した水田で、見事な収穫ができたこと、SPCジャパンの平野氏が5トンのタンクローリーでEM活性液を要望があった各地へ提供している状況、気仙沼市全域における理想産業足利さんの活動状況、東北EM普及協会の活動状況などが報告されました。また岩手県大船渡市を中心としたボランティアグループ オールハンズとの連携の状況も報告がありました。

【関連事例】
▼災害支援事例一覧
▼EMフォーラム2011(前編)

事例発表② 福島でのEMによる放射能汚染の低減化の活動の状況報告

株式会社EM研究機構 取締役新谷正樹氏の福島でのEMによる放射能汚染の低減化の活動の状況報告は以下の通り。

福島県内で、EMを積極的に活用している農家での調査

福島にはEMを利用している農家が多数ありますが、EMとEM発酵肥料(ボカシ)。堆肥を活用したEMオーガアグリシステムという生産システムを普及しているマクタアメニティ株式会社の幕田社長の協力を得て、同システムの契約農家を中心に定期的に訪問し、土壌や収穫物の放射性セシウム濃度の調査を行っています。土壌汚染の比較的低い地域で栽培された農産物であっても、放射性セシウムが検出される場合があるのですが、これまでの調査ではEMオーガアグリシステムの契約農家で生産された農作物からは放射性セシウムは検出されず、不検出となっています。(下図)


農家 所在地 品目 検査日 検査結果 土壌測定値 検査機関 
 1  伊達市  小松菜  7月23日  不検出  2,781  同位体研究所  
 2  伊達市  小松菜  9月21日  不検出  1,779  同位体研究所 
 3  伊達市  小松菜  11月7日  不検出  2,044  同位体研究所 
 4  伊達市  ほうれん草  11月7日  不検出  2,418  同位体研究所 
 5  伊達市  梨  8月23日  不検出  2,338  同位体研究所 
 6  本宮市  キュウリ  10月28日  不検出  2,659  日本大学 
 7  本宮市  ナス  10月28日  不検出  4,984  日本大学 
 8  本宮市  キュウリ  7月31日  不検出  6,083  同位体研究所 
 9  本宮市  キュウリ  9月21日  不検出  3,271  同位体研究所 
 10  須賀川市  キュウリ  7月31日  不検出  2,476  同位体研究所 
 11  郡山市  米  11月16日  不検出  3,580  同位体研究所 


放射性セシウム濃度が5000ベクレル/㎏以下の農地であれば、表土を剥離せずに、EMとEM発酵肥料を積極的に活用し、物理性・化学性・生物性の優れたバランスの良い土づくりをすることにより、放射性物資が検出されない、安全で高品質でおいしい農作物ができる可能性があります。今後も農家での調査を実施し、データを蓄積していきます。

飯館村における実証試験
EM開発者の比嘉照夫教授は震災直後から、EMによる災害対策と放射能汚染対策をするべく、EM研究機構をはじめとする関係各所を集め、即時の対応を指示が出されました。
その指示を受けて、4月より福島の現地に入り、偶然知り合えた有機農業をしていた農家の圃場にて、5月より実証実験を開始しました。調査結果は土壌の放射性セシウム濃度が20000ベクレルあったものが1ヶ月後には40%減少、2カ月後には約75%減少の5000ベクレルまで減少しました。当初この大幅な減少は放射性セシウムが土壌中で浸透・流出したのではと考え、15~30cmの深さでも分析しました。しかし分析データからは浸透・流出は考えられませんでした。土壌中の放射性セシウムがEMやEM散布により活性化された土着の有用微生物により低減化された可能性があると考えられます。放射性セシウム濃度が7月以降は5000ベクレル/㎏前後で推移していることも含め、協力関係にあるベラルーシ共和国国立放射線生物学研究所との共同研究により放射性セシウム濃度が大幅に低下した原因を明らかにしてゆく予定です。

【関連事例】
▼福島県 放射能汚染対策プロジェクト

ベラルーシ共和国国立放射線研究所での研究成果
チェルノブイリ原発事故により、国土が放射能物質で汚染されたベラルーシ共和国の国立放射線研究所では放射線生態学研究室長のニキティン博士が中心となり、主に放射性ストロンチウム(Sr-90)を対象としたEMの研究を継続しています。放射性ストロンチウムによる汚染は日本では、まだ注目されていませんが、放射性セシウムと比較して、体内被曝した場合の人体への影響が大きいこと、ベラルーシ共和国では化学肥料や石灰の散布(石灰=カルシウムは化学的性質がストロンチウムと似ている)では放射性ストロンチウムの作物への移行を効果的に抑制できず、原発事故から25年経過した今でも問題となっていることから、今後福島第一原発から距離が近い地域では大きな問題となることが予想されます。ベラルーシ国立放射線生物学研究所が行った研究では、EMを土壌散布し農作物を栽培した場合、放射性ストロンチウムの農作物(レタス、トウモロコシ、豆類、ニンジン、タマネギ)への移行が抑制されることが認められ、その結果を国際会議などで発表しています。

先月ベラルーシで行われた国際会議において、私たちの福島での取り組みを報告したことがきっかけとなり、ベラルーシ国立放射線生物学研究所と本格的な共同研究を再開することになりました。来年1月から放射性セシウムやストロンチウムに対するEMの効果のメカニズムの解明やラットなどを用いた体内に蓄積した放射性物質の排出効果についても研究を進める予定です。

また、ベラルーシでは、事故後、セシウムの化学的性質がカリウムと似ているため、除染のためにカリウムの化学肥料を大量に散布しました。一部に抑制効果が見られたものの、一部は自然放射能であるカリウム40に移行しました。現在カリウム40の放射線量が自然の状態以上に多くなり、カリウム40における内部被曝が問題となっています。


【関連事例】
▼EMフォーラム2011(後編)

パネルディスカッション

テーマ:震災後の新しいまちづくり
参加者 コーディネーターUネット  高橋比奈子氏
    パネリスト 名桜大学    比嘉照夫教授
          三重県議会議員 津村 衛氏
          三重県議会議員 石田成生氏
          EM研究機構  新谷正樹氏

高橋:母が病気になった時に東条百合子(自然療法の大家)さんの言葉
「ものごとには根っこがある」に出会いました。その根っこの部分を考えなければ、解決は難しい。
その時から、環境問題に興味をもちました。その後EMと出会いました。EMを家中、身体中に使っています。EMで掃除をするとゴキブリがでないのです。3日間なまけるとゴキブリはでてきます。

石田:EMとの出会いは、今は亡き父が漁師で、プールを使用してEMの大量培養をしていた経緯がありました。今は自分が引き継いで、イーエム市民広場の小川さんと活動をしています。

津村:尾鷲に住んでいます。県会議員をしています。私はEMの初心者です。なぜEMなのかというと、選挙前に選挙活動をしていると、いつも紀州EMひろばの山路さんの2トントラックが前にいました。何をしている人か気になりました。EMを地域や生まれ育った海をきれいにするために何とかしたいと、なぜボランティアで、熱心なのかに興味を持ちました。
地元の白石湖(汽水湖)の浄化活動に参加しています。

新谷:青年海外協力隊でホンジュラスで木を植えていました。何も出来なくて、帰国して、もう一度勉強しようと琉球大学へ入学。比嘉先生の授業を聞いて、すごいと思いました。修士を終了後、すぐにタイへ、コスタリカ、中米と13年間海外にいました。アメリカで飲むEMを扱ったことから、日本で東京女子医科大学に入学。医学博士に。
口蹄疫では宮崎で活動。今回の大震災では福島へすぐに行くように指示があって、現在は実証実験中。仕事をしながら、いつもワクワクしています。ローソンのエクアドル産の田辺農園のバナナはEM栽培です。

石田:7月の終わり、石巻へ行きました。
津波がビニールハウスの中へ押し寄せ、ヘドロがたまりました。そこからヒエがでてきました。ヒエを抜くボランティアというのもありました。どうせなら重機でヘドロをどかせた方がいいと思いましたが、それより、EMを撒いた方がいいですね。

比嘉:この答えは「シントロピー【蘇生】の法則」の本の中に書いてあります。津波での塩害の田んぼに、どうしても今年もお米をつくりたいと、仙台の鈴木有機農園から言ってきました。消費者と契約しているので、どうしても作りたいと。ボカシ300kg100~200リットルのEM活性液。塩抜きをしないで、そのままEMを投入して、播種して下さいと指導しました。Naclは分解すると他と化合して肥料となります。
そして水が来ないので、600万円支援して、井戸を掘りました。津波のヘドロはすべて肥料となります。石巻の佐藤さん、吉田さん、千葉さんも同様に栽培。特に石巻は塩抜きもしていません。結果は良好でした。EMは汚染物を地力へと変える力があります。海からのヘドロには微量栄養素も入っています。

高橋:カキの養殖棚にEMを撒く時、海水で希釈します。

比嘉:海水は雑菌が少ないので、海水の方が良い培養ができます。濃度障害が出るような時は多少薄い濃度で行います。

津村:津波で逃げる場合、楽な道を選んだらだめで、より高い、より遠いところへ逃げなければ津波にやられるよと。このやられるよの言葉は被災者ではない自分にとっては重い言葉です。臭いの問題も重大です。EMは臭いには効果ありと三重県の調査でも出ています。

高橋:ペットの臭い、煙草の臭いはEMで抑制できます。
震災された幕田(マクタアメニティ)さんもEMをやっていてよかったと言っていました。多くの方にEM生活をしていただきたい。

新谷:放射能は目に見えないです。飯館村の現場は平常の見た目は本当にのどかです。しかし長時間作業していると放射能ハイの状態になってきます。

高橋:震災後の新しいまちづくりがテーマですが、広い範囲でお話して下さって結構です。

石田:四日市市の水沢、鈴鹿、亀山はお茶の産地です。ペットボトルのお茶が増え、高級茶は減ってきています。生産者にEMの話をしたら、知っていると言いました。しかし、お茶は化成肥料などで、いじめて栽培するとお茶が甘くなるそうです。かぶせ茶の様に、テアニンを日にあてないよう覆いをすることで、カテキンへの変化を抑えます。お茶が植物として元気になると、美味しくなくなると聞きました。牛もEMを使うとさしが入りにくいと聞きました。健康な牛は肉質がしまるといいますか、付加価値がつかないようです。

比嘉:お茶がまろやかで甘いというのは、窒素過剰でいじめて、アミノ酸が増えるように栽培するので、甘くなります。しかしこのお茶はアブラムシが大好きです。タンパク質になりきれないアミノ酸が増えます。
EMはアミノ酸がなくても甘くて、まろやかなお茶になります。
最初は自然農法の有機のお茶はまずかったです。しかしEMをしっかり使うと甘いお茶になります。牛も同じです。宮城の栗原市の漢方牛はEMを使用して、健康にそだてています。
さしが入らなくても濃厚で美味しいと評判です。ニワトリも、EMで育てると廃鶏が味がよくなります。廃鶏の処分も困った問題です。

石田:三重県英虞湾で行った実験は一定の効果があったと聞きます。効果を認めながらも中止してしまいました。

比嘉:調査項目の設定が問題です。BODやCODといった指標は駄目です。大事なのはヘドロの増減と、生物の調査です。生物調査はしていません。アマモなどの調査もしていません。放射能も同じです。調査項目の設定がおかしいのです。

石田:英虞湾の実験を行った平成13年~18年当時は議会にいなかったので、わかりませんので。

津村:平成13年~17年の調査結果はEM活性液を海に入れただけだったので、効果はあらわれにくいという意見もあります。三重県として、なんとかしないとと考えています。実証データを検証して、白石湖で実験をしっかりと行っていきます。小学校・中学校・婦人会がEM活動をしっかりやっています。しかし行政に持っていくと取り上げてくれないと言っています。

比嘉:県全体としてやっているのは長崎県です。水門をあけさせないために、連合婦人会を通じて、しっかりやっています。水門を閉めてからも漁獲高は上がっています。長崎県漁連はEM活動をしっかりやりました。また小中学校の全校がEM活動をしています。食育もEMでやっています。水門をあけさせないための活動です。
日本橋川の浄化で、東京湾がきれいになったと東京都も認めました。EMはすでに開発から30年たっています。効果がなければ使いません。生態系にもなんら問題はありません。わけのわからない微生物と批判する人はもっと勉強して下さい。

石田:震災後のまちづくりはハード面の話になりがちです。ハードよりもソフト面でEMを活用できます。生活に密着したところで、EMは使えます。行政でとりあげられないところは、個人、地域、民間、行政などトータルよりも部分でカバーする方がいいです。平成13年~18年の英虞湾の実験の検証のやり直しを津村さんと一緒にしたいと思っています。

比嘉:三重県が始めたのは瀬戸内海の内海町の視察をしてからです。漁協と一緒に実態をみながらやれば、すぐわかることです。

高橋:ぜひ2議員で手をつないで、やっていただきたい。

津村:長崎県を検証したいです。平成13年~18年の英虞湾の実験も再検証します。確実に災害が予想されています。解決方法の選択肢としてEMを皆に知らせるべきですね。ネットワークの再構築を図ります。コミュニティを再構築する良いツールと思います。

新谷:国は福島県の除染で表土を剥離しようとしています。これは外科手術。EMなど内科の手法で対処しなければいけません。人材が必要です。今後EMの研究成果やデータが重要になってきます。

比嘉:まちづくりには危機管理が重要です。大洪水で、山路さんやUネットが頑張って活動をした経験があります。口蹄疫も昨年迅速に終息したのも、EMによったためです。日常的にEMはプラスを生みます。いざというときにも使えます。常にEMを大量に使用する体制になっていれば、災害時にも対応可能です。通常の危機管理に抜本的に解決する技術はEM以外ないです。

高橋:EMを使うときにも仲間が必要です。この大会を契機に議論が広がればいいと思います。

比嘉教授講演主旨

名古屋の宮の渡しで行われた7月18日の海の日には、愛知県の大村知事が参加しました。3時間近くも参加していました。
震災後、関係者に連絡を取り、臨戦態勢を整えました。
有機農業推進議員連絡協議会の300人くらいの勉強会では、皆、茫然自失状態でした。官前総理が一番悪いです。阪神淡路大震災の時の内閣は村山内閣で、対策会議の動きが早かった。こうした時には総理大臣の権限でしか動けません。4月6日に政府関係者の会議で気がつきました。宮崎の口蹄疫渦では指導力を発揮した前農林水産大臣の山田氏もしょぼんとしていました。これではだめだと思い、EMの関係者を呼びました。
資金がいるので、銀行からお金を借りてでも資金調達をしてほしいと関係企業に指示しました。冗談ですが、返せれなかったら踏み倒してでも、借りて下さいと言いました。これくらいの覚悟がないとダメだと思ったからです。EMがあれば放射能も大丈夫。岩手コンポストでは100トン位のEM活性液を作る能力があります。SPCの平野さんもタンクローリーで体制を整えました。南部地域は百倍利器を用意して、体制を整えました。4月末には被災地全部にEMを供給できる体制ができました。山形にはEMインストラクターがたくさんいます。ボランティアとして、山形から、愛知からも多くのEMインストラクターが駆けつけました。新潟、九州からもボランティアが駆けつけました。
夏には感染症が一件も出ませんでした。EM対策は国も学会も認めていませんが、EMは自分で自分を守る方法です。福島県では女性部がEMを散布しました。EMの農家の農産物を放射能検査を徹底して調査。検出はNDでした。あちこちにタンクを設置して、EMを供給。山は山の頂上から流すだけでOK。加湿器には500倍のEMをいれれば蒸気で除染できます。タイでは洪水で被害があったので、軍の施設で培養しています。常識では万能なものは存在しないが、EMは万能です。コンクリートにいれれば300年はもちます。石灰岩みたいに硬くなります。EM技術の万能性は様々です。安全性はミジンコで検証しています。ミジンコは動物プランクトンなので、上の生物はすべてOKです。pH3.5が重要な基準です。食品衛生上は3.5以下では消毒はいらないレベルです。3.5以下では悪い増えません。良い微生物は実際は増えますが。作物で病気を抑えたい場合のpHは3.2くらいがベストです。EMは嫌気性菌と好気性菌が共存しています。
EMのシントロピー現象は抗酸化作用、非イオン化作用、3次元のエネルギー転換機能です。
EMの構成菌の光合成細菌は腐敗菌とくっつきやすいので、pHの管理が重要です。




ページの先頭へ