大雨:越前市3地区浸水被害 復旧作業、今も 豪雨から4日目、ボランティア訪れ /福井
毎日新聞 2012年07月24日 地方版
20、21日の豪雨で越前市の粟田部、岡本、味真野3地区に浸水被害が集中し、4日目を迎えた23日もボランティアらによる復旧作業が続けられた。
3地区では住宅など63軒が床上浸水、196軒が床下浸水の被害に遭った。越前和紙の産地、岡本地区の大滝町では、62の和紙事業所のうち23事業所で設備が水につかるなどの損害があった。3地区には同日、ボランティア257人が訪れ、民家の庭や和紙工場にたまった泥の搬出作業などを行った。21〜23日に搬出した災害ごみの総量は計約115トンに上った。
出荷間近の酒瓶が割れるなど、約4割が売り物にならなくなった同市大滝町の老舗酒店「寿喜娘酒造」では、ようやく酒蔵の泥が片づいたという。同店の営業部長、高尾清さん(56)は「復興には1カ月半はかかるだろう」と話す。
和紙職人の山内和夫さん(81)の工場は、材料の楮(こうぞ)を煮る釜や、和紙を乾かすためのボイラーなどが壊れ、作業再開のめどは立っていない。山内さんは「行政の補助がないと、もうやっていけないかもしれない」と途方に暮れていた。【山衛守剛】