- 学校からでる生ごみより作られた堆肥を土嚢袋につめて、野菜や花を植えます。移動可能なことから現地では「モバイルガーデン」と呼ばれています。
- 実習では堆肥づくりや、モデル農場の整備、畜産についても学習しています。
- 2年間のカリキュラムを終えて卒業する生徒達。
EM栽培で農産品の品質向上
ケニアはアフリカ大陸の東、赤道直下に位置し、豊富な日照量と適度な降雨量がある地域が広がり、観光業と並んで農業が盛んな国です。また、ヨーロッパへの航空ルートが近年整備され、ヨーロッパ市場への農作物の輸出も増加し続けています。
こうした条件から紅茶の生産量は世界第3位、また花きも農作物では紅茶に次ぐ輸出作物で、その他、コーヒーなども輸出されています。これらの輸出作物は品質管理を厳しくしているだけでなく、ヨーロッパの資本で運営される加工場では環境面への配慮を目指していることから、農産品の品質向上や加工場での環境改善のためにEM技術の活用が拡がっています。
ニーズの拡大に合わせ規格認証にも対応
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※1 KEBS(Kenya Bureau of Standards):ケニア標準機構
※2 NEMA(National Environment Management Authority):ケニア環境管理局
様々な分野で進められるEM普及活動
ケニアでのEM普及活動は、農業分野、環境分野、ケニア政府との共同プロジェクトなど多様な分野で進められており、それらの活動はNPO法人アフリカ児童基金の会(ACEF)の現地に根づいた活動を土台に、EM研究機構の協力により進められています。
EM1号の現地普及は2002年ACEFがEM事業に特化したNPO法人EMケニアを設立し、EM研究機構との合意書締結により始まりました。2004年には広くケニア市場へのEMの普及を進めるため、EMケニアの業務は会社法人EMテクノロジー社に引き継がれ、現在に至ります。
ケニアでの主なEMの活動は、農業や環境分野へのEMの供給、キベラスラム環境改善プロジェクト、ケニア有機農業学校(KOATEC)(※3)の活動などが進められています。
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※3 KOATEC(Kenya Organic Agriculture Technical School):ケニア有機農業学校
農業学校や大学でのカリキュラムにも採用
ケニア有機農業学校は、ケニアの首都ナイロビから約150キロメートル離れたエナの町にあり、2006年に日本政府の無償資金援助により設立されました。生徒はケニア国内の高校卒業者や実際に農業に従事されている方など様々で、年間に約30~40名がこの学校を卒業し、卒業生は自ら農業を始めたり、農業法人に就職したりしています。
同校では2年間のEM技術を取り入れた農業者の養成やモデル農場での実習、農業者による有機農業セミナーが行われており、近年持続可能な農業や有機農業が見直されてきており、序々に修学希望者も増えています。また、こうしたカリキュラムの有用性は他校にも認知され始めており、2010年3月からはケニアメソディスト大学と提携し、農業実習や講義などの交流を始めました。これにより、カリキュラムの内容がさらに充実するとともに、同校を卒業した生徒はケニアメソディスト大学に編入できるなど、進路の選択肢も幅が広がることになりました。
ケニアでの成果をアフリカ全体に推進
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