ライフ大飯再稼働も燃料費が収益圧迫 値上げ必死2012.7.30 21:32

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大飯再稼働も燃料費が収益圧迫 値上げ必死

2012.7.30 21:32
会見で記者の質問に答える関西電力・八木誠社長 =30日午後、北区の関西電力本店(志儀駒貴撮影)

会見で記者の質問に答える関西電力・八木誠社長 =30日午後、北区の関西電力本店(志儀駒貴撮影)

 関西電力の平成24年4~6月の連結決算は、保有原発の停止に伴う火力発電の燃料費増の影響で、4~6月決算で過去最悪の995億円の最終赤字となった。大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働で電力需給は見通しが立ったが、苦しい経営状況に変わりはなく、「次の再稼働」がなければ、電気料金の値上げが現実味を帯びてくる。

 「安全が確認された原子力は速やかに再稼働させたい」。

 関電の八木誠社長は30日の決算発表の記者会見で、自身の「大飯の次」に関する一連の発言で混乱を招いたことを改めて陳謝した一方、さらなる原発再稼働を重ねて求めた。

 東京電力福島第1原発事故前、関電の原発による発電比率は4割だったが、昨年度は2割に減少。火力発電は7割に増えた。このため液化天然ガスなど火力燃料の負担が経営を圧迫し、24年3月期は過去最悪の2422億円となった。

 関電は今期、収支改善に向け内部留保の取り崩しに着手。燃料費の急激な変動に備えた「原価変動調整積立金」(870億円)を全額取り崩し、別枠の「別途積立金」(6400億円)のうち2200億円を取り崩すことで計約3千億円を確保した。しかし他の原発が再稼働しなければ燃料費は2400億円増となり、積立金も底をついてくる。

 収支の悪化は株価に跳ね返っており、30日の関電株価は一時、福島事故前の4分の1程度の550円まで値を下げた。八木社長は要因として(1)大飯3、4号に続く原発再稼働への見通し(2)電力需給への不安(3)火力燃料の負担増-の3点を挙げたが、負の連鎖を脱却するのは容易ではない。

 関電は今春から、副社長をトップとした経営効率化推進部会を立ち上げて収支改善を目指すが、具体策は見えてこない。現時点で料金の値上げを否定する八木社長だが、経営の低迷が続くと「ありとあらゆる選択肢を考えなければならない」と含みを持たせる。

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