映画:「苦役列車」で貫多演じる森山未來 強さやてらいのなさ実感
毎日新聞 2012年07月30日 東京夕刊
◇一見ダメ男、しっかり見せ肯定したい
西村賢太の芥川賞受賞作を映画化した「苦役列車」が東京・銀座の丸の内TOEIなど全国公開中だ。その場しのぎでひねくれやの主人公貫多役の森山未來は「演じていくうちに、貫多の強さやたくましさと、それへのてらいのなさを実感した」と語った。【鈴木隆】
貫多は19歳の日雇い労働者。稼いだ金は酒と風俗遊びに費やし、家賃の滞納を繰り返していた。現場で専門学校生の正二(高良健吾)と知り合い、友だちと呼べる存在になっていく。正二の仲介で恋い焦がれていた古本屋の康子(前田敦子)とも「友だち」になるのだが……。
「脚本を読んで、最初は社会から逸脱した人物で、じとーっとした生活も見え、低いテンションで現場に入った」。しかし、山下敦弘監督から「19歳という年齢を意識してほしい」と言われ、「考えたらもっとセンシティブで感情をあらわにしていいと感じた」。