ロンドン五輪:日本メディアも判定を批判=柔道

チョ・ジュンホと海老沼の準々決勝

 柔道男子66キロ級でチョ・ジュンホが銅メダルを獲得した。しかし、準々決勝の理解し難い判定で敗者復活戦に回り、金メダルを狙うチャンスが失われた。競泳の朴泰桓(パク・テファン)も男子400メートル自由形で疑問の失格判定を受けるなど、今大会は序盤から韓国選手の受難が相次いでいる。

 世界ランキング8位のチョ・ジュンホは29日(現地時間)、ロンドンのエクセル競技場で開催された柔道男子66キロ級準々決勝で、日本の海老沼匡(世界ランキング4位)に判定負けした。競技時間の5分間は双方共にポイントが取れず、それぞれ警告1で延長戦に入った。チョ・ジュンホは延長終了直前に海老沼の小内刈りで有効を取られそうになったが、ビデオ判定で無効となった。延長終了後、3人の審判(主審と副審2人)が全員チョ・ジュンホの道着の色とおなじ青の旗を揚げ、全員一致の判定勝ちを収めたように思われた。チョ・ジュンホと監督も一瞬大喜びした。

 ところが直後に雰囲気が変わった。応援席の日本ファンから激しいブーイングが浴びせられる中、海老沼もその場を離れようとしなかった。すると国際柔道連盟(IJF)のカルロス・バルコス審判委員長(スペイン)が主審と副審を呼んだ。審判委員会の1人が「判定に問題がある」と委員長に告げ、委員長がこれを受け入れたのだ。その後、ビデオ判定により海老沼の優勢が認められ、判定が完全に覆った。

 すると今度は韓国の鄭勲(チョン・フン)監督と大韓柔道会の役員が激しく抗議したが、今度は覆らなかった。チョ・ジュンホは取材でうなだれながら「理解できない判定」と不満をぶちまけた。国際柔道連盟役員のアルメン・バグダサロフ氏は「非常にわずかな差だったが、審判委員長を含む役員全員が、日本の選手が上回っていたと判断した。主審と2人の副審はいずれもミスを犯した」と説明した。

 韓国選手団の役員を務めるチョン・ソンスク竜仁大学教授は「審判委員長がポイント判定に介入するケースは見たことがあるが、判定が出た後にこれを覆すのは、2006年にビデオ判定が導入されてから五輪では初めて目にした」とコメントした。

 日本のメディアも速報で「審判委員長の異議で判定が覆る異例の展開」(スポニチ)、「誰もが後味の悪さを感じた判定」(日刊スポーツ)などと報じた。共同通信も「3ばか大将の映画をパロディー化したように、3人の審判がわずかな話し合いで、一度下した判定を翻した」と皮肉った。

ロンドン(英国)= チャン・ミンソク記者
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