タックスヘイブンに21兆ドル超 超富裕層の隠し資産
CNN.co.jp 7月24日(火)15時51分配信
(CNN) 世界の資産家が租税回避地(タックスヘイブン)に隠した金融資産の総額は2010年末の時点で推定21兆〜32兆ドル(約1650兆〜2500兆円)に達し、米国と日本の国内総生産(GDP)を合わせた規模以上になるという推計を、英組織タックス・ジャスティス・ネットワークが22日にまとめた。
この推計は世界銀行や国際通貨基金(IMF)、国連および各国の中央銀行の統計をもとに算出した。この数字には不動産やヨットといった金融以外の資産は含まれていない。租税回避により失われた税収は2800億ドル(約22兆円)と試算されている。
タックスヘイブンに資産を移転している資産家は1000万人に満たないとみられ、世界人口に占める割合はわずか0.14%。超富豪の資産管理はUBS、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、HSBCなど金融大手が大部分を担っているとした。
タックスヘイブンとして利用されている主な国や地域には、スイス、ケイマン諸島、ルクセンブルク、香港、シンガポールなどがある。
1970年代から2010年にかけて途上国139カ国からの資本逃避について調べた調査では、逃避額は中国からの1.2兆ドルを筆頭に、ロシアが7980億ドル、韓国が7790億ドルだった。
報告をまとめた、米コンサルタント大手マッキンゼーの元チーフエコノミスト、ジェームズ・ヘンリー氏は「こうした租税回避を専門とするオフショア業務は、無名の銀行ではなく、ロンドン、ニューヨーク、ジュネーブといった先進国の大都市に本社を置く世界大手の金融機関や法律事務所、会計事務所によって運営されている」「世界の金融上の格差は私たちが考えている以上に大きいばかりか、急速に拡大している」と指摘した。
最終更新:7月24日(火)16時3分
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