「韓国をPRするには、韓国史を正しく知るべき」

 世界各国の人々に韓国をPRする使命感に加え「国際活動を経験したいという欲求を満たせる」という利点もあることから、サイバー民間外交使節団「VANK」への加入を希望する青少年の数が大幅に増えている。しかし、VANKの正会員になる道は、思ったほど楽ではない。「サイバー外交官養成課程」あるいは「ワールドチェンジャー養成課程」のどちらかを選び、1カ月かけて計12段階の教育を履修しなければならないからだ。段階別の課題を全て完成させなければならない上、提出期限に間に合わなければ落第となるため、学校の勉強とボランティア活動を両立させる青少年にとっては、並の難しさではない。

 そのため、夏休みは「VANK入り」を狙う青少年にとって良いチャンスとなる。ハン・ジョンミンさん(ソウル、英波女子高3年)、チェ・ヒウンさん(京畿道、軍浦高校1年)、イ・ドンヒョンさん(ソウル、慶煕女子高1年)は、学業とボランティアの「二兎」を追い、今年上半期の「VANK最優秀サイバー外交官」に選ばれた。今回この3人に会い、VANKの会員になるための秘訣(ひけつ)について尋ねた。

■英作文より大変なのが「自国を正しく知ること」

 VANKの正会員になるために必要な二つの教育課程には、難易度が非常に高いプログラムもある。▲英語で自己紹介をする▲韓国の広報資料を集める▲外信記事の翻訳▲海外のウェブサイトで韓国に関する内容の誤りを見つける▲外国の教科書出版会社に親善の書簡を送る-といったプログラムがその代表例だ。1カ月間で10種類以上の課題を全て仕上げるには、3日に1件のペースで課題をこなさなければならない。並の覚悟では手に負えないレベルだ。

 ハン・ジョンミンさんもまた、1カ月にわたり時間と戦いながら、課題に挑戦した。大学入試の準備で忙しい高校3年生ということもあり、なるべく週末の時間を集中的に活用した。ハンさんは、難しい教育課程をこなすことができた理由について「(VANKの会員になりたいという)目的意識がはっきりしていたから」と語った。「多数の外国人が、“韓国は中国の植民地だった”とか“韓国の歴史は高麗から始まった”というように、韓国の歴史について誤った認識を持っている。最近、日本や中国が韓国の歴史を歪曲(わいきょく)していることにも腹が立った。日本や中国に韓国の歴史を正しく伝えるためには、まず自分から勉強しなければという思いを抱いた」

 正会員にチャレンジするための課題をこなすには、一定レベル以上の英作文の実力が必要だ。しかしチェ・ヒウンさんは「完璧な英語を駆使しなければならないという強迫観念を捨て、内容を伝えることに集中したので、特に問題なくクリアした」と語った。ハンさんも「課題や英作文よりも大変だったのは、韓国について知らないことが多すぎるという事実を思い知らされたこと」と語った。「意欲ばかりが先走り、韓国をPRしようというのに“中身”がなかった。南大門について説明しようとしても、一つ一つ関連資料を探さなければならなかった」

キム・グヨン記者(エデュ&ライフ)
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