ロンドン五輪競泳男子400メートル自由形に出場した朴泰桓(パク・テファン)選手がフライングと判定され予選で失格となったものの、判定が覆り決勝に進出、銀メダルを獲得するという波乱があった。そうした中、インターネット上でも騒動が起きた。
28日午後7時15分ごろ、朴泰桓失格のニュースが報じられると「失格させたのは中国人審判」といううわさが広がり始めた。ある放送局の解説者が、失格判定の直後に「失格と判定した審判が中国人だということが引っ掛かる」と言及したためだ。
別の放送局も公式ツイッターに「ちなみに競泳の審判は中国人」というツイート(書き込み)を掲載した。すると、ツイッターには「スターティングの部分を中国人審判が問題視した」「朴泰桓の試合の審判長は中国人のウェン・ダイ」「北京(五輪)・広州(アジア大会)の金メダルに対する仕返しか」などのツイートが相次いだ。こうしたツイートを約1000人がリツイート(引用して掲載)し、うわさはさらに広がった。
また、ID「yueunjae」という人物が「(失格と判定した)中国人審判は同種目で金メダルを獲得した孫楊(中国)の元コーチ」とツイートしたため、300人がこれをリツイートし、約600人が同じ内容のツイートをした。
失格処分が覆された後も、反中国論調は鎮まらなかった。「中国人審判が失格になるべきでは?」「失格を主張しておきながら、後はどうにでもなれ、とでもいうような中国人審判の判定については、最後まで責任を問うべき」と糾弾する声が続いた。
すると、中国水泳協会は「一部メディアで『朴泰桓選手を失格と判定した審判は中国人』と報じているが、事実ではない。ロンドン五輪の競泳で審判を務めている中国人は男性審判2人だが、1人は女子の試合を担当、もう1人はこの日、審判をしていない」と説明した。騒動が鎮静化したのは、失格と判定した審判がカナダ人のビル・ホーガン氏だということが韓国メディアで報じられた後のことだった。