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| (4時間9分前に更新) | ||
オスプレイ配備や東村高江のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に県民の反発が強まる中、県内出身や在住のデザイナーが、紅型やコンピューターグラフィックなどを使った思い思いの趣向で、反対の意思や問題意識を表現している。
読谷村出身で、今は川崎市に住むデザイナーの新屋敷圭さん(35)は、オスプレイの両翼にあるエンジンを花瓶に見立て、プロペラの代わりに花を生けたグラフィックデザインを作った。「前に進むためにプロペラが傾くと水はこぼれるし、花は枯れるし」。こう言葉を添えて、フェイスブックに載せている。
デザイナーとして見るオスプレイは「今まで見たことが無い、ユニークで興味深いデザイン」。「軍事的には、必要なものなんだろう」とも感じる。
一方で、テレビでは繰り返し事故のニュースが流れ、反対運動が盛り上がっていることも聞こえてくる。自身も、小中学校の時に米軍機のひどい騒音を体感したし、学校に通う間に読谷補助飛行場での訓練の様子を目の当たりにしてきた。
芸術家として何ができるか。「ただ反対したり、集会を開いたりするだけでは、デザイナーの意味がない」。そう感じながら、機体をアートしてできたのがこのデザインだ。「目で見てどう感じるだろう。新たな問題提起になればいい」と思っている。
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南城市で雑貨店「虹亀商店」を営む紅型職人の亀谷明日香さん(34)は、オスプレイの訓練が想定されている東村高江のヘリパッド移設工事への反対を表す紅型のTシャツや手ぬぐいなどを製作・販売している。高江の森林、アカショウビンやフクロウなどの小動物を紅型でデザインしている。
東京都出身で1999年に移住し、県立芸術大学で紅型を学んだ。もともと米軍基地問題への関心が高かったわけではなかった。高江に住む知人から工事の話を聞いたり、家族で遊びに行ったりするうち、自然が破壊されることに危機感を覚えた。
「自分ができる方法で反対を表現したい」と4年前からTシャツ作りをスタートした。高江に来た人が地元で着てくれたら、現状を伝えられると思った。
「目を引くようなデザインにしてアピールすればより広く興味を持ってもらえる。そこから広がる」と、デザインや表現方法の可能性を語った。