中央大学付属高校の後輩である上西京一郎君は、ディズニーランドを運営する企業の社長を務めるだけの資質に欠けると言わざるを得ない。
以下に上西君が東洋経済に語った内容を紹介する。
◇うちの場合、現場でお客様に接しているキャスト(従業員)のほとんどは準社員(契約社員)。
◇理論的にはさまざまな視点があると思うが、うちの実態からいえば、まずESありき。
◇私に期待されているのは、顧客志向を愚直に続けることだと思う。想像力があるとか、アイデアマンとか、そういう点では私はまったくの門外漢。キャストの声を公平に吸い上げ、生き生きと働けるようにする。
◇25年間パークを運営してきて、ゲストのニーズにも変化がある。本当に顧客志向に立っているか、もう一度ゼロベースで見直したい。
◇昨年夏にトライアルしたのが、自動販売機による飲料販売。これまでTDRでは飲料はすべて手渡しでのワゴン販売。自販機は置かないというのが一つの大きな考えだった。しかし、夏場のピーク時に、お客様が飲料を買うのに20分近く並ぶこともある。ハンド・トゥ・ハンドありきの考えだけで本当にいいのか。これまでこうした議論が少なかった。
<引用終了>
http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/373de9767aa545bdf9b82c8b2cbf100c/
「うち」って何なのか。せめて「私ども」と表現するべきあるが、それでも世界のディズニーから見ればミクロ、インサイドアウト(自分中心の見方)の物の見方であり、ディズニーの教育を受けてきたのかと疑ってしまう。
私と上西君は正反対の人間である。私は現場一筋、彼は本社一筋である。つまり、彼は現場を全く知らないのである。
現場を知らないとどういう問題が起きるのか上西君に教えてあげよう。その答えは、現場運営の最高責任者であった上澤昇元副社長のこの言葉に表される。
「オフィスにあがってくるスーパーバイザーの顔を見れば、どれだけの仕事をしてきたか分かる」
厳しい言葉である。上澤昇元副社長は、パークモニターする際によくスーパーバイザーを同伴させた。そして、スーパーバイザーに鋭い「突っ込み」を入れた。実質的な指示命令系統の中核をなすスーパーバイザーの力量を常にチェックしていたのである。夏休みが終わると、反省会が開かれスーパーバイザー一人ひとりが、担当部署の「出来栄え」や運営上の問題点などを報告した。ためになる「説教」も聞かされた。
これだけで分かるであろう。パークの事を何も知らない上西君がマネジメント担当者に質問しても、「この人は何も知らないのだから」と思われ、適当にあしらわれるのである。そのことはディズニー・テーマパークの最重要要件である「パーク運営品質」の低下につながるのである。
もちろん私は分かっている。いや、オリエンタルランドの社員全員が分かっていることがある。それは、上澤昇元副社長を「やっつけて」社長になり、会長に君臨している加賀見俊夫会長の傀儡(かいらい)であることを。それが、「私に期待されているのは、顧客志向を愚直に続けることだと思う。想像力があるとか、アイデアマンとか、そういう点では私はまったくの門外漢。」という「なさけない」ことばにつながっているのだ。
東京ディズニーランドを「建国」したオリエンタルランドの役員たちは、講演会等で誇りを持って「東京ディズニーランドには自動販売機がありません」と述べてこられた。今、そのことばをあざ笑うようにパークには自動販売機が設置されている。
以下のPDFは、2009年にオリエンタルランドに送ったものである。私は、スーパーバイザー制度廃止は品質管理上の問題が生じると「想定」したが、まさにその通りになった。現在のオリエンタルランドの経営体質は東京電力同様の「隠蔽」体質であり、ディズニーを愛せない体質に変化してしまったと考えている。
オリエンタルランドへの手紙
http://imagineer.up.seesaa.net/image/olc.pdf
次回は、シンデレラ城ミステリーツアー終了に関するオリエンタルランドの「大疑惑」について記します。
興味ある方は「シンデレラ城ミステリーツアー 終了 理由」で検索してみてください。オリエンタルランドは、何も説明していない、つまり何かを隠していることに気付くことでしょう。