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【サッカー】

日本2連勝 永井弾で8強

2012年7月30日 紙面から

◇ロンドン五輪男子サッカー1次リーグD組 日本1―0モロッコ

日本−モロッコ 前半、ゴール前に飛び込む永井(左)=セントジェームズパーク(共同)

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 【ニューカッスル(英国)松岡祐司】サッカーの男子日本代表は29日、当地で行われた1次リーグD組第2戦でモロッコと対戦し、1−0で快勝した。日本は2連勝で勝ち点を6に伸ばし、2000年シドニー五輪以来、3大会ぶりのベスト8進出を決めた。一進一退の息詰まる攻防が続いていたが、後半39分にFW永井謙佑(名古屋)が決勝ゴールを決めた。日本は8月1日の第3戦でホンジュラスと対戦する。

 ついに決めた。やっぱり、この男が決めた。歓喜の瞬間は後半39分だ。センターサークル付近から、MF清武が振り向きざまに敵陣左サイドへ浮き球を送る。即応したのは驚速の永井だった。ボールに追い付くと、そのまま浮き球でゴールへ流し込んだ。

 殊勲の背番号「11」はスコアボードで仁王立ち。跳びはねてガッツポーズだ。関塚監督は両拳を突き上げ、スタジアムも騒然。粘って粘って、モロッコのゴールをこじ開けた。

 欧州王者スペインを沈めた劇勝から中2日。「どこも同じ条件。全力で、チームとして一体感のあるサッカーをさせたい」。関塚監督はそう語っていたが、故障を負ったDF酒井宏は欠場に追い込まれ、他の選手も足に鎖をつながれたように動きが重い。身体能力に優れるモロッコを相手に前線から連動した守備圧力がはまらず、FWアムラバトの力強いポストプレーに手を焼いた。

 開始から押し込まれた。前半6分、そのアムラバトにDF鈴木、DF吉田がハンドオフではじかれ、GK権田と1対1のピンチ。同18分、左CKから浴びた2本のシュートはDF酒井高が体を張って間一髪で阻んだ。同22分にはDF徳永があっけなく破られ、同35分にはビタウイの無回転ミドルをGK権田がセーブした。ヒリヒリするような展開。まるで断崖絶壁のタイトロープを渡るような戦いとなった。

 試合前日、GK権田はこんなことを言っていた。「スペイン戦は前の選手が頑張ってくれたが、今度は頑張れない状況になるかもしれない。なおさら、今度は後ろ、守備陣の仕事。後ろの選手が落ち着いてどれだけできるか」。思うようにできなくとも耐えた。初戦の勝ち点3を殺さぬよう、辛抱強く、粘り強くプレー。勝利の女神は最後の最後にほほ笑んだ。

 吉田はこう言っていた。「次で決める。1位突破へ、モロッコに勝って決めたい」。関塚監督に率いられ、サッカーの母国で若きサムライたちが新たな扉を開いた。

 

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