◇広島1−1巨人
延長10回で引き分けた。広島は4回にエルドレッドの二塁打で先制したが、9回のサヨナラ機を逸するなど拙攻が目立った。順位は3位に浮上。巨人は0−1の7回に長野の適時打で追い付いたが、8回以降は無安打だった。
首位を走る原巨人が余裕の小休止だ。攻守の要である阿部が前日の試合で左かかと付近を打撲。原監督は「次の試合に備えるためのその1」と主将を欠場させ、ベンチにも入れなかった。それでもドローで、猛暑の中での敵地3連戦を無敗で乗り切った。
奪った得点は1。しかし、負けない。焦ることも、慌てることもなく、シーズンの先を見据えながら引き分けた。「今日は相手の投手が粘り強かった。1点が重かったですね」。指揮官は何事もなかったかのような表情で振り返った。
しかも、大きな収穫があった。同点に追いついた直後の7回を田原と高木京で無失点に抑えた。守護神のマシソンが右肘痛で27日に登録抹消。救援陣の駒不足が心配される中で、ルーキーコンビがキッチリと役割を果たした。
原監督の声のトーンも高くなる。「田原も京介も良かった。あの辺が出てきてくれるとね。あとは、われわれが勇気を持って送り出すこと」。9回は西村、10回は山口でゼロ封。救援投手に黒星が付いたのは4月22日が最後。3カ月以上も“無敗”を守るブルペンの存在は頼もしい限りだ。
球宴後の2カード5試合は4勝1引き分け。憎らしいほどの強さを見せつけ、31日からは本拠地東京ドームで2位・中日を迎え撃つ。先発は沢村、ゴンザレス、杉内の3枚が有力。眼下の敵を踏み付け、3年ぶりのペナント奪回に弾みをつける。
この記事を印刷する