山口知事選:自公推薦の山本氏当選 脱原発の飯田氏ら破る
毎日新聞 2012年07月29日 23時54分(最終更新 07月30日 00時02分)
投票日直前の23日には、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米軍岩国基地(同県岩国市)に強行陸揚げされ、陣営では既成政党批判が一気に高まることが懸念された。しかし、今期限りでの引退を表明し、山本氏を後継指名した二井関成知事が陸揚げについて国に抗議。自民党も、石原伸晃幹事長ら「大物」を続々山口入りさせて組織固めをして引き締め、最終的に逃げ切る形となった。
一方、飯田氏は脱既成政党、原発計画撤回を掲げて、山本氏を猛追した。政党や団体に支援を求めず、ボランティア中心の「草の根」選挙を展開。出身地の周南市の票を堅くまとめた。福島原発事故以降、有権者の間に浸透している原発への抵抗感も飯田氏を後押ししたが、出足の遅れなどから届かなかった。
民主党衆院議員を辞職した高邑勉氏(38)、医師で元県課長の三輪茂之氏(53)は、山本、飯田両氏の間で埋没する形となった。【尾村洋介、佐野格】