香港:愛国教育は「洗脳」とデモ 共産党称賛に反発
毎日新聞 2012年07月29日 23時00分(最終更新 07月30日 01時35分)
中国国民としての愛国心を育成するため、香港政府が9月から小中学校で科目「道徳・国民教育科」の順次導入を予定していることに対し、香港で29日、「子供たちを洗脳するものだ」などと導入反対のデモが行われ、主催者によると、親子連れなど9万人以上が参加した。警察発表は約3万2000人。
参加者は「中国共産党の良い部分だけ強調した一方的な内容」などと導入撤回を訴え、香港島の繁華街を練り歩いた。
デモのきっかけは、香港政府から助成金を得ている親中派の団体が作成した同科目を教えるための教師用の指針が明らかになったこと。
指針では、中国を統治する共産党を「進歩的で無私の団結した執政集団」とする一方、民主化運動が武力弾圧された天安門事件などには触れていなかったことから、反発が広がった。(香港・共同)