イチロー、デレク・ジーター、アレックス・ロドリゲスの3選手がヤンキースに結集し、実績面で大リーグ史上最も秀逸なトリオが誕生した。
だがこれは必ずしもヤンキースにとって良い兆候ではない。この3人は合計8619本の安打と4877本のホームランの記録を持つが、最盛期を過ぎたことを歴史は示唆している。
ロドリゲス選手は27日に37歳の誕生日を祝う。20歳でレギュラーになってから最も振るわないシーズンを迎えていたロドリゲス選手は現在、左手の骨折で故障者リストに入っている。38歳のジーター選手は、今シーズンを含む過去5シーズンのうちの3シーズンで、出塁率に長打率を加えた数字がリーグ平均付近かそれを下回った。このままいけば、これが過去5シーズンのうちの4シーズンになりそうな気配だ。10月に39歳になるイチロー選手は昨シーズンに続き、今シーズンもこの数字が平均をはるかに下回っている。打率2割9分は、ピーク時の3割6分6厘に比べると色あせて見える。
野球データに詳しいフィル・バーンバウム氏は、3選手と同様に優秀な過去のトリオが最後に同一チームでプレーした年のデータを調べた。多くのトリオがヤンキースのトリオよりも多くのホームランと盗塁を決めていた。しかし1927年と28年のアスレチックス以降は、どの組み合わせも、今のヤンキースのトリオの安打とホームランの合計数を超えていない。27年、フィラデルフィア時代のアスレチックスにはタイ・カッブ、エディ・コリンズ、ザック・ウイートの3選手がいた。翌年、ウイート選手に代わり、トリス・スピーカー選手が加わった。これら4選手はすべて殿堂入りしている。
アスレチックスは28年、アル・シモンズ選手とミッキー・カクレーン選手、それに弱冠20歳のジミー・フォックス選手のトリオで隆盛を極めた。ヤンキースの今シーズンの優秀な野手も、3選手よりも若年だ。マーク・テシェイラ選手、ロビンソン・カノ選手、カーティス・グランダーソン選手、それにニック・スイッシャー選手だ。これらの打者はまだ先輩ほど実績を積んでいないが、今シーズンの成績はヤンキースに最高の記録をもたらすうえで、かなり大きな助けとなっている。