君の好きなとこ ~運命の人は既婚者だった~

言葉では、伝えきれない切ない想い。 初めて経験する恋する不安。
泣いても 哀しくても 寂しくても 
それでも あなたを愛してる・・・。


テーマ:
前からの逢う予定であった土曜日

突然 逢えなくなった。





この前の プチ喧嘩・・・。





この日は 呆然とした気持ちで

パソコン前で

椅子の上で

窓ガラスに寄りかかりながら

ラインのチャットの文字が

現れるのを 眺めていた。





結局 最後まで話は平行線を辿り

一段落することなく

そのまま終了することになった。





その ライン最後の最後で

風邪を引いた

と書かれた。





そして

明日 行くのやめるね

と・・・。





私も 逢いたくない・・・。

そんな気分にはなれない。

このまま消えてしまいたい。





そんな風に思った。





その日の夜は

自分の心の中が

揺れているのが分かった。





駿を愛している自分と・・・

どうしても許せないでいる自分がいる。





愛しているからこそ

許せない自分・・・。





だけど 許せないということは

別れを意味する。





私は 駿を失ってまで

自分を守りたいんだろうか???





何度 同じ質問を

自分にぶつけたことだろう。





何度 二極化する答えを

出したことだろう。





気持ちがブレる。





その日の夜は

なんとか寝付いた。

だけど ふっとした瞬間に

目が覚めてしまう。





二度寝 三度寝を繰り返し

のんびりとした遅い朝を迎えた。





こんなにヒマな時間が

私にはあったんだ・・・。

駿と出会ってから

毎日が忙しかったなぁ~、って思った。

駿のことばかり考えて・・・。

駿のことを愛して・・・。





ぽっかりと穴があいてしまった。

今まで この時間を

何に使っていたんだろう、と考えるほど

何も思い出せない。





もうパソコンの前に 

座りたい気分じゃないと

時間を こんなにも 

持て余してしまうんだ・・・。





そんな風に やることがなくて

暇だから 何をしようかと考えていたところ

突然インターフォンが鳴った。





宅急便も 手紙も 何も

受け取る予定はない。





まさか・・・?





そう思って インターフォンに問いかける。

が 返事がない。





駿?





ダッシュで玄関に行く。

覗き穴から見る時間が

もったいない。





ドアを開けると

そこには 

ほとんど倒れかけている駿が見えた。





風邪を引いているどころの姿ではなくて

歩くのがやっと、という状態。

それを片道2時間かけて

私の部屋にやってきてくれたのだ。





私は 全身で彼を支えた。

そして 部屋に入れた。





フラフラになりながら

キッチンを通過し

1ルームの部屋に到着した途端

布団の上に倒れ込んだ。





言葉を発するのがやっとの状態の駿。

意識もない状態。

おでこや顔に触れてみると

やはり熱・・・。





前に駿がお見舞いに来た時に

買ってきてくれた冷えピタが

冷蔵庫にあったのを取ってきて

駿のおでこに貼った。





そして 抱きしめた・・・。





抱きしめたくらいじゃ

なんの謝罪にもならない。





分かってはいるけど

抱き締めずには いられなかった。





ごめんなさい・・・。

そして 来てくれて

ありがとう。





朝から何も食べていない駿に

何かを作ってあげる時間もなく

夜勤のために 出勤する時間になってしまった。





そして 再び フラフラになりながら

駿は私と一緒に電車に乗り

職場近くの最寄り駅まで

一緒に着いてきてくれた。





途中 彼と会話をするけれど

なんだか 魂が抜けたような状態の駿・・・。





返事にも まったく力がない。





生気が感じられないほど

彼が大きくショックを受けているのが分かった。





私はショックを受けても尚

夜勤をしようとしている力が残っているんだ・・・。





どっちが

大きいストレスを受けたのかは

一目瞭然。





早く いつもの駿に戻って欲しい。

そう思った。

だけど それも酷な話。





強い駿でいることは

私の望みではあるけど

駿だって たまには弱くなっても

いいじゃない。





駿は なんとか力を出して

私を引き寄せてキスをしてくれた。

電車の中で・・・。





私を安心させるために・・・。





本当は そんな余裕も力も

ないはずなのに・・・。

フラフラで

歩くだけで精一杯なのに・・・。

それなのに 私のことを考えてくれている。





私はいつもそう・・・。

なんで もっと早く

自分を切り替えてあげられないのだろう。





駿がこんな状態になるまで

私は 駿を責め続けてしまうんだ・・・。





抱きしめて癒す時間がない。





そして 職場近くの

最寄り駅の改札口付近で

しばらくふたりで立ち尽くし

そして キスをした。










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