今年の「めひかりサミット」は…
一昨日、アクアマリンふくしまと放射能汚染の分野で共同研究を行っている金沢大学の長尾先生からメールが…
河川の増水時のデータが欲しいので、サンプリングをお願いできませんか? とのことでした。
現在、いわき市内の河川の放射性物質の調査では放射性物質は“ND”、検出せず です。
普通の測定方法では、数値として出てくるレベルではないぐらいの低い値です。
ですから、安心して水道の水が飲めるのですが、極微量の放射性物質が存在します。
それを定期的に測定することによって、放射性物質の河川での動態を予測し、それが環境に与える影響を調べるのが我々の目的です。
ま、低すぎて生物に影響を与えるほどで無いと思いますが、影響がないということを調べるためにも必要な調査だと思っています。
金沢大学の環日本海域環境研究センター 低レベル放射能実験施設では非常に低い値の放射性物質の値を測定することができますので、共同で研究を行っています。
ということで、いわき市内の河川に水をとりに行ってきました。
まずはいわき市南部を流れる鮫川。
橋の上から川の流芯を狙って採水します。
うーん、鮫川はあんまり濁ってないですね。
続いて、車で30分ほど移動して、いわき市中央を流れる夏井川に。
こちらは、ほどよく濁っていました。
採取した河川水は水温、pHなどを測定します。
水温7℃ですか。
もう春ですね。
採取した河川水は宅配便で金沢大学まで送り、測定します。
しかし、毎度のことながら高い橋の上から水を採るのってしんどいです。
運動不足の体には堪えますねぇ。
多分、 “明後日” に筋肉痛だな…
以前から、このブログではこの河川水のサンプリングの様子を記事にしておりますが、結果などは特に公表しておりませんでした。
健康被害が出るような値では決してないので、急いで公表する必要はないかな?と思っていましたので。
…が、その研究成果を皆様に発表する機会が出来ました!
発表の舞台は第6回めひかりサミット。
アクアマリンふくしまで毎年行われている、福島の水産物に関する研究を発表している講演会です。
今年のテーマは、ずばり、“放射性物質が水産物に与える影響”です。
アクアマリンふくしま公式HPに詳細があります。
3月31日、アクアマリンふくしまのマリンシアターで開催します。
1300〜17:00
アクアマリンふくしまと共同研究を行っている各大学の専門家が現在の福島県の現状を講演します。
いつもは魚介類の話ばかりなのですが、今回は環境の放射線の講演もあり、非常に内容の濃い“めひかりサミット”となっています。
演題は5題。
環境中の放射線・放射能の測定と軽減
―放射性物質に対するいわき明星大学の取組み― 佐藤先生のお話って分かりやすくて、放射線のことにあまり詳しくない人でも安心して聴けます。
いわき市の現状について最も把握されている先生ではないでしょうか。
震災直後からの環境放射線のデータは必見です。
県内魚類の放射性物質測定結果について
福島県水産試験場 漁場環境部
根本芳春 氏 アクアマリンふくしまのすぐ近くにある福島県水産試験場さんです。
いま、全国の注目を浴びています。
膨大な量の魚介類のサンプリングを行っています。
現在の福島の海を語る上では外せないところです。
魚類への放射線の影響 水産庁 増殖推進部 研究指導課 研究管理官 農学博士
森田貴己 氏 こちらは初めてご紹介します。
水産庁、お国の機関の方です。
あまり、私はお国の機関と仲良くやりたくないのですが(セカンドオピニオン的な立場で研究したいので)、この森田氏は別格です。
なんたって、今回の原発事故以前から魚介類のチェルノブイリ原発事故などの放射性物質汚染の研究をされていた方です。
私的には森田氏が魚介類の放射性物質汚染の知見では日本で一番詳しい方だと思っております。
最初の出会いは、森田氏が
「アクアマリンふくしまの放射線の担当者とお話ししたい」
とアクアマリンふくしまに訪ねてきてくださったことです。
最初、「国の役人が…」っと小市民的な気分で対応させて頂いたのですが、お話ししてみると、ものすごい知識がある人で、私が当時、疑問に思っていた、あれやこれやを全て解消してくださいました。
その時は3時間以上、放射線談義に盛り上がってしまいました。
魚介類の放射性物質汚染の知見だけでなく、幅広く、そして深く、放射線問題に詳しい方です。
以下、ちょっと危ない話ですので、与太話と思ってください。
国の機関って原発肯定の立場だと思っていましたが、水産庁だけは…
第5福竜丸の事件があったからでしょうか。
陸上の放射能汚染の研究は広島原爆の研究者が一線を退いた後は、その研究が継承されずにいたみたいですが、海の研究は「10年に一度ぐらい事故があるから」継承されてきたみたいです。
こんな水産庁の知見を当初から有効に利用していれば…
省と庁の力関係って…
これ以上は危なすぎるので、もっと聴きたい方はめひかりサミット最後の懇談会の席で(笑)。
本当はもっと前にアクアマリンスタッフ向けに講演してもらう予定でしたが、折角ですから大きな舞台でお願いしたいと思い、今回のめひかりサミットでの講演となりました。
「今、国が何を言っても信用してもらえないので、アクアマリンふくしまから情報を発信できるなら、いくらでもデータを提供しますよ」って言ってくださりました。
たくさん、資料を頂き、一部情報コーナーにて見られるようにしています。
とにかく、一度、講演を聴いて頂きたいです。
河川の放射性物質測定結果 金沢大学 環日本海域環境研究センター 教授
長尾誠也 氏 長尾先生はこのブログで何度か紹介させて頂いていますので、読者さんならもう知っているかと思います。
冒頭でご紹介したいわき市内の河川の放射性物質測定について講演していただきます。
最近、N○Kの番組にも良くでてらっしゃいます。
いわきサイエンスカフェの活動紹介 東京海洋大学 海洋科学部 海洋政策文化学科 准教授
川辺みどり 氏 最後に、今回のめひかりサミットと共同で開催する、いわきサイエンスカフェの活動を東京海洋大学の川辺氏に小講演として紹介して頂きます。
いわきサイエンスカフェはこのブログでも紹介したこともありますが、毎月開催されており、私は毎回参加させて頂いています。
一般参加もできますので、興味のある方は市のHPで参加申込みしています。
ということで、長々と紹介させて頂きましたが、本題です。
今回のめひかりサミット事前申込み受付中です。
マリンシアターは200席しかございませんので、是非、事前申込みをお願いします。
特典として、事前申込みして頂くとアクアマリンふくしまの入館料が割り引き(1600→1300円)になります。※パスポートをお持ちの方は無料です。
アクアマリンふくしまは割引とかほとんどしないのですが、めひかりサミットに参加していただいた皆様を団体さまとして扱わせていただき、団体料金ということで割引するという裏技を使っております(笑)。
ぜひ、この機会にアクアマリンふくしまへお越し下さい。
お待ちしております。
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