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経済
【ビジネスの裏側】LCC…空の安全は大丈夫? 規制緩和「搭乗中に給油」広がる不安
一方、米国当局はオンボード給油に対してきわめて厳しい。連邦航空局(FAA)は実施の要件としてICAOの基準に加え、機体の近くに消防車を配備▽監視員を適切に配置▽乗客の避難のため、機体周辺に整備車両などを置かない-といった項目を設定。こうしたハードルの高い要件を設定することで実質禁止にしているとみられ、空港業務関係者は「中小型機で給油に要する時間は5分程度。この短い時間を短縮するために乗客をリスクにさらすのか」と反発する。
また国交省は実際の飛行機を使って実地試験を行ってきた副操縦士への昇格試験について、シミュレーターによる実地試験を認める方向だ。実機を使わないことで、航空会社にとっては経費削減のメリットがある。
シミュレーターの機能が向上しているほか、欧米で条件付きで認められていることが日本の規制緩和の背景にあるが、「運航で最も重要な着陸時の機体の特性や操縦桿の重さは、実機でないと再現できない」(航空関係者)との懸念は根強い。国交省は、訓練課程には実機飛行を含める規定は維持する方針だが、今後のLCC増便によるパイロットの需要増を控え、一抹の不安は残る。
(南昇平)
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