小児科学の要点2008.2.17更新
【暗記ユニット】
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キーワード |
暗記ユニット |
備考 |
あ |
アプガー指数 |
7点以下−新生児仮死 |
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う |
ウィリアムス症候群 |
常染色体優性−知的障害−視覚認知障害−高カルシウム血症 |
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う |
ウェルドニッヒ・ホフマン病 |
進行性脊髄性筋萎縮症−フロッピー・インファント |
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お |
嘔吐下痢症 |
ノロウイルス−冬季 |
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か |
カウプ指数 |
栄養指標−乳幼児期 |
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か |
川崎病 |
乳幼児−心臓後遺症 |
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か |
仮性クループ |
吸気性呼吸困難−犬吠様咳嗽 |
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か |
勧奨予防接種 |
麻疹−風疹−ポリオ |
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き |
筋ジストロフィー:デュシャンヌ型 |
伴性劣性遺伝−幼児発症−ゴワーズ徴候−仮性肥大−20歳以前に死亡 |
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き |
筋ジストロフィー:ベッカー型 |
伴性劣性遺伝−デュシャンヌ型の亜型−軽症 |
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き |
筋ジストロフィー:肢体型 |
常染色体劣性遺伝−思春期発症−遠位筋萎縮 |
通常の筋疾患は近位筋萎縮 |
き |
筋ジストロフィー:顔面・肩甲・上腕型 |
常染色体優性遺伝−思春期発症−翼状肩甲−西洋斧様顔貌 |
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き |
筋ジストロフィー:緊張性 |
常染色体優性遺伝−中高年発症−前額禿頭−西洋斧様顔貌 |
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き |
筋ジストロフィー:福山型 |
常染色体劣性遺伝−幼児発症−知的障害−テント口 |
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ぎ |
牛乳のリスク |
異種蛋白アレルギー−鉄欠乏性貧血 |
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し |
新生児の正常体位 |
体重−3kg−身長−50cm−頭位−33cm |
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じ |
常染色体優性遺伝病 |
ハンチントン病−ジョセフ病−マルファン症候群−筋緊張性ジストロフィー−レックリングハウゼン病 |
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す |
スキャモンの発達曲線 |
神経型→リンパ型→生殖型 |
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せ |
正常児の体位 |
体重3.2kg−身長50cm−頭囲33cm |
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せ |
正期産児 |
在胎37週以上−42週未満 |
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せ |
生理的黄疸 |
正常−生後数日 |
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せ |
生理的体重減少 |
正常−生後数日 |
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た |
体重の発達 |
出生−3kg−1歳−10kg−4歳−15kg |
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て |
低出生体重児 |
低出生−2500g未満−極低出生−1500g未満−超低出生1000g未満 |
難聴のリスクは1500g |
て |
低出生体重によるリスク |
知的障害−脳性麻痺−難聴−ADHD |
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て |
低身長の原因疾患 |
小人症−ターナー症候群−クレチン病−くる病−被虐待症候群 |
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て |
鉄欠乏性貧血のリスク |
牛乳>母乳 |
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て |
てんかんの発作型 |
大発作−純粋小発作−精神運動発作−自律神経発作−ウエスト症候群−レノックス症候群 |
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て |
てんかん:大発作 |
意識消失−睡眠 |
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て |
てんかん:純粋小発作 |
倒れない−短時間意識喪失−予後良好 |
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て |
てんかん:精神運動発作 |
精神症状−自動症−学童発症 |
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て |
てんかん:自律神経発作 |
腹痛頭痛−学童期−予後良好 |
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て |
てんかん:ウエスト症候群 |
点頭てんかん−脳波:ヒプサリセミア−予後不良 |
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て |
てんかん:レノックス・ガストー症候群 |
強直脱力−ミオクロニー−予後不良 |
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と |
糖原病 |
糖代謝障害−グリコーゲン蓄積 |
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ど |
動脈管 |
ボタロー管−胎児循環−生後閉鎖 |
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な |
泣き入りひきつけ(憤怒痙攣) |
泣きすぎが原因-呼気相で呼吸停止→チアノーゼ・全身痙攣・意識消失・後弓反張-一過性 |
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に |
乳児の死因 |
1位:先天異常−2位:不慮の事故−3位:肺炎・気管支炎 |
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に |
妊娠高血圧症候群 |
妊娠中毒症−高血圧−蛋白尿−浮腫−胎児発育不全 |
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に |
妊娠中のエピソードとその影響 |
糖尿病−巨大児−飲酒−知的障害−トキソプラズマ初感染−脳内石灰化−放射線被曝−小頭症 |
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ひ |
被虐待児症候群 |
低出生体重でリスク高-低身長−乳幼児>学童−骨折−児童相談所−福祉事務所 |
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ぶ |
分娩 |
満期以前−26-36週−満期産−37週以降−過期産−予定日2週以上 |
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ぽ |
ポルフィリン症 |
日光過敏−多発神経炎 |
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ら |
ランドー・クレフナー症候群 |
発達性失語症−てんかん |
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ら |
ライ症候群 |
急性脳症−インフルエンザ−アスピリン副作用? |
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ら |
卵円孔 |
心臓−胎児循環−生後閉鎖−心房中隔欠損症 |
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れ |
レッシュ・ナイハン症候群 |
伴性劣性遺伝−高尿酸血症−脳性麻痺−自傷 |
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ろ |
ローレル指数 |
栄養指標−学童期 |
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【鑑別のポイント】
[アプガースコア]
徴候 |
得点 |
||
0 |
1 |
2 |
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心拍数 |
欠 |
100/分以下 |
100/分以上 |
呼吸 |
欠 |
弱い、不規則 |
強い、号泣 |
筋緊張 |
弛緩 |
四肢やや屈曲 |
四肢屈曲 自発運動あり |
刺激に対する反応 |
無反応 |
顔をしかめる |
咳、くしゃみ |
皮膚の色 |
全身チアノーゼ 蒼白 |
体幹ピンク 四肢チアノーゼ |
全身ピンク |
10-8点:良 7-5点:軽症新生児仮死 4-0点:重症新生児仮死
[シルバーマンスコア]
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0 |
1 |
2 |
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胸と腹の運動 |
同時に上下する |
胸がわずかに動き、腹だけが大きく上下する |
胸と腹はシーソー運動 (シーソー呼吸) |
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肋間陥没 |
(陥没呼吸) |
なし |
わずかに認められる |
著明 |
剣状突起陥没 |
なし |
わずかに認められる |
著明 |
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顎の沈下 (鼻翼呼吸) |
なし |
顎は下がるが口は閉じている 鼻翼はわずかに動く |
顎が下がり、口を開く (鼻翼呼吸著明) |
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呻吟 |
なし |
聴診器でわかる |
聴診器なしで分かる |
[新生児反射]
反射 |
内容 |
出現 |
消失 |
異常 |
モロー反射 |
音にビクッとする |
出生時 |
4-5ケ月 |
左右差 |
吸啜反射 |
口を刺激すると吸い付く |
出生時 |
4-5ケ月 |
出現しない |
手掌把握反射 足底反射 |
手掌・足底を圧迫すると把握 |
出生時 |
4-5ケ月 |
出現しない |
非対称性頸反射 |
弓矢を引く姿勢 |
出生時 |
4-5ケ月 |
出現しない |
バビンスキー反射 |
足底を刺激すると指を背屈 |
出生時 |
2歳 |
成人で見られると病的反射 |
ランドー反射 |
水平に抱いて顔を上げると体幹・下肢が伸展、下げると屈曲 |
3-6ケ月 |
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出現しない |
パラシュート反応 |
逆立ちさせるように前方に傾けると両腕を伸ばし、手を開いて自分の体を支えようとする |
8ケ月 |
生涯認める |
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[胎内感染と奇形]
風疹ウイルス |
聴力障害、白内障、心奇形、小頭症、痙性四肢麻痺 |
サイトメガロウイルス |
水頭症、精神異常、聴力障害 |
単純ヘルペスウイルス |
小頭症、小眼球症 |
水痘ウイルス |
四肢奇形 |
トキソプラズマ |
水頭症、脈絡膜炎 |
[低身長の原因]
内分泌疾患 |
成長ホルモン分泌不全(下垂体性小人症)、甲状腺機能低下(クレチン病) |
染色体異常 |
ターナー症候群(XO型染色体異常) |
骨疾患 |
軟骨異栄養症 |
環境要因 |
愛情遮断症候群、被虐待児症候群、ホスピタリズム |
その他 |
慢性疾患、心疾患、肝疾患、腎疾患 |
[染色体異常]
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疾患名 |
代表的な染色体形 |
出生頻度 |
主要症状 |
常染色体異常 |
ダウン症候群 |
21番染色体のトリソミー |
1/650 |
特有な顔貌、心疾患、知的障害、ダウン症言語、丸呑み嚥下 |
18トリソミー症候群 |
18番染色体のトリソミー |
1/3500 |
短命、特有な顔貌、その他全身に奇形 |
|
13トリソミー症候群 |
13番染色体のトリソミー |
1/5000 |
短命、特有な顔貌、口蓋裂、その他全身に奇形 |
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猫鳴き症候群 (キャット・クライ症候群、クリドゥ・シャ症候群) |
5番染色体の短腕欠損 |
不明 |
猫様啼泣、特有な顔貌、知的障害 |
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性染色体異常 |
ターナー症候群 |
X染色体モノソミー(XO型) |
1/2500女子 |
女性型外貌、小人症、不妊、知能は半数で正常 |
クラインフェルター症候群 |
XXY型 |
1/588男子 |
男性型外貌、高身長、不妊 |
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スーパー・フィメール |
XXX型、XXXX型など |
1/1000女子 |
女性型外貌、知的障害がXの数が増えるほど重い |
|
XYY症候群 |
XYY型 |
1/600男子 |
男性型外貌、高身長、しばしば攻撃的性格 |
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脆弱X症候群(フラジャィルX症候群) |
X染色体短腕に脆弱部分 |
不明 |
特異な顔貌、知的障害 |
[筋ジストロフィーの遺伝形]
X染色体劣性遺伝 |
デュシャンヌ型、ベッカー型 |
常染色体劣性遺伝 |
肢帯型、先天型:福山型・非福山型 |
常染色体優性遺伝 |
顔面肩甲上腕型、筋緊張型 |
遠位型 |
クーゲルベルク・ウェランダー型、三好型 |
眼筋型 |
眼筋型 |
[筋ジストロフィーの特徴]
|
デュシャンヌ型 |
ベッカー型 |
肢帯型 (LG型) |
顔面肩甲上腕型(FSH型) |
福山型 |
発症年齢 |
小児2-4歳 |
小児2-4歳 |
小児-成人20-30歳 |
小児-成人 |
先天性 |
発生割合 |
60%(ベッカー型含む) |
デュシャンヌ型の亜型 |
30% |
10% |
1%以下 |
遺伝形式 |
伴性劣性 |
伴性劣性 |
常染色体劣性 |
常染色体優性 |
常染色体劣性 |
初発部位 |
下肢帯(腰帯) |
下肢帯(腰帯) |
腰帯or肩甲帯 |
上肢帯(肩甲帯) |
|
顔面筋障害 |
− |
− |
− |
+西洋斧顔貌 |
+テント口 |
仮性肥大 |
+ |
+ |
± |
− |
|
関節拘縮・骨格変形 |
進行に従い出現 |
|
時に+ |
まれ |
|
血清CK |
著明に上昇 |
上昇 |
上昇 |
さまざま |
|
筋電図 |
筋原性変化 |
筋原性変化 |
筋原性変化 |
筋原性変化 |
筋原性変化 |
筋生検 |
孤発性萎縮 |
孤発性萎縮 |
孤発性萎縮 |
孤発性萎縮 |
孤発性萎縮 |
進行 |
速い(数年) |
遅い |
中間(数年-10年以上) |
遅い |
|
生命予後 |
20歳前後で死亡 |
デュシャンヌ型より長命 |
不定 |
良 |
|
[母子感染症]
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種類 |
感染様式 |
臨床像 |
ウイルス |
サイトメガロ |
胎内 産道 母乳 |
肝炎 血小板減少性紫斑病 小頭症 脳内石灰化 知的障害 |
風疹 |
胎内 |
先天性心疾患 白内障 両側性高度感音難聴 知的障害 肝脾腫 |
|
水痘 |
胎内 周産期 |
先天性風疹症候群類似の症状 生後4日以内に発症 母児免疫により予後良好 新生児に重症の水痘 |
|
単純ヘルペス |
産道 |
分娩より1週以内に発熱、脳炎、肝炎などを来たす |
|
HTLV-1 |
母乳 |
しばらくキャリア状態で経過 |
|
HIV |
胎内 産道 |
しばらくキャリア状態で経過 |
|
B型肝炎 |
経胎盤 産道 |
しばらくキャリア状態で経過 |
|
原虫 |
トキソプラズマ |
経胎盤 |
脈絡網膜炎 中枢神経症状:脳内石灰化、水頭症、小頭症、知的障害 |
スピロヘータ |
梅毒 |
経胎盤 |
生後1-3ケ月以内に発症 早期先天梅毒(乳児梅毒):梅毒性鼻炎、長管骨骨端骨軟骨炎、パローの仮性麻痺、ハッチンソン3主徴:ハッチンソンの歯・迷路性聾・実質性角膜炎 2歳以降(主に5-18歳)で発症する遅発性梅毒:扁平コンジローマ、骨髄炎 |
[妊娠中の投与を避けたほうがよい抗菌薬とその副作用]
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母体 |
胎児 |
テトラサイクリン |
肝障害 |
歯牙黄染、骨発育障害、骨組織沈着、日光過敏症、ファンコーニ症候群 |
クロラムフェニコール |
再生不良性貧血 |
グレイ症候群、再生不良性貧血、胎児死亡 |
アミノ配糖体 |
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第[脳神経症状、催奇形性 |
ST合剤 |
発疹、光線過敏、ライエル症候群 |
胎児への安全性は確立していない |
[てんかんの分類]
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部分性てんかん |
全般性てんかんおよび症候群 |
||||||
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単純部分発作 |
複雑部分発作 |
特発性(原発性)全般発作 |
続発性全般発作 |
||||
|
焦点発作 (ジャクソンてんかん) |
自律神経発作 |
精神運動発作 (側頭葉てんかん) |
大発作 |
小発作 (欠神発作) |
ミオクロニー発作 |
点頭てんかん (ウエスト症候群) |
レノックス症候群 |
発症 |
好発年齢特になし |
学童期 |
小学生-成人 |
不定 |
小児 (特に5-15歳) |
好発年齢 1-10歳 |
4ケ月-12ケ月 (最も早期発症) |
3-5歳 |
意識障害 |
− |
− |
+ |
突然意識消失 |
数秒意識消失 |
意識保持 |
|
|
知能 |
正常 |
正常 |
知的障害+ |
知能正常 |
知能正常 |
知能正常 |
知的障害+ |
知的障害+ |
特徴 |
身体の一部より全身に広がるトッド麻痺 |
発作性に自律神経症状:腹痛・頭痛・嘔吐・頻脈・発汗 |
自動症:発作中の行動を健忘 一過性の錯覚・幻覚 |
呼吸停止 眼球上転・咬舌 →強直性痙攣 →間代性痙攣 →発作後睡眠 |
意識消失 会話・動作中断 一点を凝視 痙攣(−) |
四肢・体幹屈筋群の対称性の瞬間的攣縮 |
頸部をガクガクと前屈 シリーズ形成 |
失立発作 強直発作 |
脳波 |
棘波 |
14および16Hzの陽性棘波 |
棘徐波 |
棘波〜棘徐波 |
3Hz棘徐波複合 |
多棘徐波 |
ヒプサリセミア(三相波) |
1-2.5Hz棘徐波 |
備考 |
外傷等による器質的脳障害の合併多い |
異常行動を伴う |
睡眠で賦活 |
最も多い発作型 |
過呼吸により誘発されやすい |
光刺激で誘発されやすい |
先天性代謝異常、脳奇形、分娩時損傷、結節性硬化症等の器質的脳障害あり |
|
治療薬 |
フェニトイン(PHT) バルプロ酸 カルバマゼピン 原疾患治療薬 |
フェニトイン(PHT) バルプロ酸 |
フェニトイン(PHT) バルプロ酸 カルバマゼピン |
フェニトイン(PHT) バルプロ酸 カルバマゼピン |
エトスクシミド カルバマゼピン |
クロナゼパム |
バルプロ酸 フェノバルビタール Vit.B6 ACTH筋肉注射 |
ニトラゼパム クロナゼパム フェニトイン(PHT) フェノバルビタール |
予後 |
比較的良好 |
良好 |
比較的悪い |
良好 |
良好 |
比較的良好 |
双方向に移行あり不良 |
[新生児マススクリーニング]
対象疾患 |
検査方法 |
検体 |
対象 |
受検率 |
発見率 |
フェニルケトン尿症 ホモシスチン尿症 メープルシロップ尿症 |
ガスリー法 |
血液 |
早期新生児 |
94.9% |
1/78400 1/183900 1/514900 |
ガラクトース血症 |
ボイトラー法 ペイゲン法 |
1/35400 |
|||
先天性副腎過形成症 |
EIA法・RIA法 |
1/15200 |
|||
先天性甲状腺機能低下症 |
EIA法・RIA法 |
94.7% |
1/4100 |
||
神経芽細胞腫 |
尿中VMA測定 |
尿 |
6-7ケ月児 |
77.2% |
1/6000 |
[小児医療費公費負担制度]
制度 |
対象 |
根拠となる法律 |
養育医療 |
未熟児、核黄疸の交換輸血 |
母子保健法 |
育成医療 |
身体障害児(18歳未満) |
児童福祉法 |
療育(医療・教育・生活)の給付 |
結核児童 |
|
小児慢性特定疾患 |
10の対象疾患の入院および通院 @悪性新生物 A慢性腎疾患 Bぜんそく C慢性心疾患 D内分泌疾患(下垂体性小人症、思春期早・遅発症) E膠原病 F糖尿病 G先天性代謝疾患 H血友病等血液疾患 I神経・筋疾患(筋ジストロフィー等) |
法でなく予算措置 |