那智の滝は那智の御滝と称され、熊野那智大社の別宮、飛瀧神社の御神体です。
飛瀧神社は約2700年前に熊野の地に上陸された
神倭磐余彦命(かんやまといわれひこのみこと)が御滝を神としておまつりされたのを起源としております。
その後、神仏習合の時代を経て「飛瀧権現」とも称せられ、明治の御代に飛瀧神社と定まりました。また、那智の御滝は国指定名勝であり、世界で守っていくべき存在として世界遺産にも指定されております。
7月15日当日は司法当局による逮捕という形で治まりましたが、この度の件で御神体にチョック(岩の隙間にはさむ登山具)を打ち込んだという事実は当社に与えた影響はもちろんのこと、神社界を含むすべての宗教界に与えた衝撃は計り知れません。
また、国内を始め世界中の皆様に懸念を抱かせてしまったと案じておりました。
しかしながら、当社に寄せられたお言葉は当社に対する暖かい気遣いで満ちておりました。
7月22日、佐藤裕介氏・大西良治氏・宮城公博氏の三名が謝罪のため、当社に来山致しました。
三名の所業は許されるものではありません。
お寄せ頂いたお言葉の中には今後のためにも告訴してほしい、という旨のお声もあり、皆様のお言葉は何よりも心強く感じておりました。
三名が来山の折りには宮司より長きにわたり崇拝の対象となってきた那智の御滝の歴史・名勝や世界遺産にも指定された那智の御滝の存在、どれほど多くの人に迷惑と心配をお掛けしたか、また前日にあたる7月14日の「那智の火祭」斎行に際して昨年の台風被害を乗り越え、どんな想いで氏子の皆さんが取り組んでくれていたか、など伝えるべき事すべてをお伝えし、二度とこのような事をしないという誓約書を交わしました。
そののち、飛瀧神社へと移動し宮司先導の下で謝罪の機会を設けました。
今後の処理については司法に一任致しますが、三名には今回の件に関しての様々な人々の想いを背負い、これからの日々を送っていただきたいと思います。
今後、当社においてだけではなく斯様なことが二度と繰り返されないよう願い、熊野那智大社及び関係各位の御隆昌と那智勝浦町を含む熊野地域の復興に職員一同尽力致します。
最後に、頂きましたお言葉は何よりもありがたく、この場をかりましてお言葉を賜りましたすべて皆様に心より御礼申し上げます。
この度は誠にありがとうございました。
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