「バスター・キートン作品」LD
■昨年末、fpdさんの「キートンの蒸気船」の記事を拝見してから、キートン作品を見たくなり、正月に我が家にあるLDから「キートンの蒸気船」「荒武者キートン」「キートンの探偵学入門」の3本を見ました。
「キートンの蒸気船」:前半はそれ程面白くもないですが、後半、大嵐の中、家が崩れたり、飛ばされたり、木にしがみついたキートンがそのまま吹き飛ばされたりとアクロバティックなアクションが凄いです。キートンが風に抵抗して斜に傾いているシーンや倒れてきた家の壁に潰されるか?と思わせておいて、キートンが立っている所がちょうど窓になっていてセーフというシーンは映画的名場面ですね。
しかし、このLDに使用されている音楽はもの悲しいノスタルジックなバーラード調のピアノ演奏でコメディ作品の音楽とは少し雰囲気が違う気がします。もっとテンポのいい音楽を使っていたら、もっと面白く感じられるかもしれません。(音楽だけ独立させて聞くと結構綺麗なのですが…)
「荒武者キートン」:先祖からいがみ合っている二つの家系の子孫の男女が愛しあうが、女性の家族(父親、兄達)がピストルなどで男(キートン)を殺そうとするのからキートンが逃げるというのが基本のストーリー。反目しあう家系の男女の恋は「ロミオとジュリエット」からのものか。「キートンの蒸気船」でもやはりライバル同士の息子と娘が愛しあっています。冒頭のシークエンスは悲劇的なシリアス・ドラマのようです。
「キートンの探偵学入門」:探偵に興味がある映写技師が眠りの中で、その分身が映画の中に入り込み、ドタバタを繰り広げる作品。(ウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」はこの作品からのアイデアか?)
キートンの動きに合わせて背景がパッパッと切り替わるシーン(普通の道を一歩踏み出すと、次の瞬間に場面が海に切り替わり水の中に落ちるなど)や、キートンが先頭に座った運転手のいなくなったバイクが町を暴走するシーンなど体を張ったギャグの宝庫。
※画像左上から:
(1)「キートン傑作小品集」(キートンのコニ−・アイランド/キートンの警察騒動/キートンの鍛冶屋/キートンの空中結婚/キートンの華麗なる一族)
(2)「キートン特撰集」(キートンの探偵学入門/海底王キートン)
(3)「荒武者キートン」
(4)「キートンの恋愛三代記」
(5)「キートンのカメラマン」
(6)「キートンの蒸気船」
(7)「キートンの大学生」
(8)「キートンのセブン・チャンス」(ハロルド・ロイドの「ロイドの要人無用」とのカップリング)
(9)「バスター・キートン/ハードアクトに賭けた生涯」(キートンのドキュメンタリー。自身の回想映像や名場面、初公開資料、妻やエキストラなどの証言でキートン作品の魅力に迫る。30年代〜40年代頃の作品では昔のギャグの使い回しが多くなりますが、そのオリジナルとの比較も収録。また、珍しく笑った姿も収められています。)
チャップリン、キートン、ロイドが3大喜劇王と呼ばれていますが、やはり一番語られる機会が多く一番ポピュラーなのはチャップリンでしょうね。チャップリンはもう歴史上の人物と言えますし。
フィルムの保存に関しても、チャップリンの作品はDVDで相当綺麗な状態で見る事が出来ます。キートン作品もDVD化されていますが、画質はどうなんでしょう?発売元がIVCなので、余り期待出来ないですが。
今回、キートンLDを久しぶりに再生したら、チカチカとノイズが入る画面が2面ありました。これはLDの劣化ですね。もともとのフィルムの状態が良くないので、動画の部分ではほとんど気になりませんが、黒ベタの字幕場面では少し気になります。
以前に持っていたダグラス・フェアバンクスの「バグダッドの盗賊」のLDではチカチカどころではなく、ひどいメダカノイズで見る事が出来なくなり、処分した事もありました。
これってどんどん進行してくのでしょうか?特にひどい保存をしているわけでもなく、盤質を見ただけではキズもなく新品のような状態なのが、逆に悔しい。
劣化しているLDが他にもまだあるかもしれません。
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