イチロー、初ピンストライプに「ほんとに興奮」

２回１死、本拠地初打席のイチローは、観客の大きな声援を受け打席に立つ（共同）

　◆ヤンキース１０―３レッドソックス（２７日・ニューヨーク）　ヤンキースのイチロー外野手（３８）が、新ヤンキー・スタジアムでのＲソックス戦に、「８番・右翼」で、移籍後初の本拠地での試合に出場した。ファンからの大声援に「ほっぺたをつねりたくなるような感じ」と大興奮。４回には右前安打してマーティンの２ランを呼ぶなど、今季のチーム６０勝目に貢献した。レンジャーズのダルビッシュ有投手（２５）は本拠のＷソックス戦に先発し、６回１／３を８安打６失点で７敗目（１１勝）を喫した。

　２回にコールがおきた。一塁側ベンチから背番号３１の３８歳がホーム初打席に向かうと、右翼席周辺から“イチロー・コール”が始まった。その声に乗せられるように、０９年オープンの新ヤンキー・スタジアムにとって、レギュラーシーズン最多となる４万９５７１人の大観衆のほぼ全員が立ち上がった。

　「ほんとに興奮しましたね。ここまでの流れはほっぺたをつねりたい気分。これまで（ヤンキー・スタジアムで）全部が敵だったのが全部味方。１８０度というか５４０度違う」

　ヤ軍にとって永遠のライバル・Ｒソックス戦が、ホーム初試合となった。２回の初打席は中飛も、４回には球足の速いゴロで右前安打。１点差に詰め寄られた直後で、続くマーティンの試合を決める２ランを呼び込んだ。

　「最後のアウトを取るまで、（Ｒソックスは）嫌なチームという印象。（２５日の）３時間２０分の試合は普通、長い印象ですけど、それを感じなかった。それで、思った。勝つということに集中していることが大きい。明確な目標があるからなのかもしれない」

　地区最下位が続いていたマリナーズとの違い。毎年のようにプレーオフを目指しているア・リーグ東地区同士の試合での緊張感が、心地よさそうだ。ただ、移籍後の４試合で毎試合１安打ずつ放っているものの、ヤ軍ファンに強烈な印象を残していない。これからは、メジャー１２年目のベテランの味を見せることが、イチローに課せられた使命だ。