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【サッカー】

永井任せろ8強弾

2012年7月29日 紙面から

練習する(左2人目から右へ)吉田、永井、清武ら=27日、ニューカッスル(ロイター・共同)

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 【ニューカッスル(英国)松岡祐司】2連勝で「世界8強」決める−。ロンドン五輪1次リーグ初戦でスペインを撃破したサッカー男子日本代表は29日(日本時間30日未明)、第2戦でモロッコと対戦する。勝てば決勝トーナメント進出が決まる一戦に向け、驚速で世界を驚嘆させたFW永井謙佑(23)は「初戦と同じ気持ち。チーム一丸となって突破を決めたい」と強調。スピードスターの五輪初得点でメダルロードへ突き進む。チームは28日、当地で最終調整した。

 スペインを沈めた余韻は、ない。相手がモロッコであろうと走って走って、走りまくる。「あの戦い方がベース。体力的にはきつかったけど1人がサボれば失点につながる」。だから、永井は驚速のギアを落とさず、さらに上げる。その先にだけゴールが待っている。

 「もう、バテていたんで…。今度はもうちょっと冷静になってシュートを打ちたい」。スペイン戦後半13分、左足で放ったシュートはわずかに右へ外れ、同42分の絶好シーンはGKデヘアにセーブされた。ゴールネットへの道筋は見えていたが…。劇勝の陰で心の隅に残った1つのシミ。ならば、すぐ晴らすのが本物のストライカーだろう。

 得点への覚醒は福岡大3年のとき。アシストを狙うプレーばかりが先行して、永井の体に眠った「本能」は埋没したままだった。当時、同大の乾真寛監督はこう投げかけたという。

 「スピードを最終的にゴールにつなげないと評価にはならない。今年はアシストするな。すべてゴールを狙え」

 最高峰の目標をあえて強く意識させるように、「おまえは日本の宝だ」「A代表のユニホームを着るんだ」−。

 すると、乾監督が「やれと言われればやってしまう」という素直な性格が、永井自身をピッチへ向かわせた。居残って1時間、2時間…。「まるで何か取りつかれたように」シュート練習に取り組んだ。果たして、ブラジル育ちの原点、はだしでボールを蹴った感覚が蘇り、研ぎ澄まされていった。

 その体に宿る永井だけの得点嗅覚。「モロッコは勝てる相手。シュート練習をして、次の試合を迎えたい」。スピードスターのゴールショーで、世界8強をつかみ取る。

 

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