◇DeNA3−1阪神
DeNAは1回、2四死球と失策で得た好機にラミレスの適時打などで2点を先取。3回にも内野ゴロでしぶとく加点した。6回途中1失点の藤井は自身4連勝で5勝目。継投も決まった。阪神は5年ぶりの7連敗。岩田が10敗目。
最後の盛り上がりもかえってむなしい。2点を追う9回の攻撃だ。無死から新井良が山口から三遊間を破る安打で出塁。初回以来の無死からの走者に客席は沸き立ったが、続く兄の新井貴が二ゴロ併殺打で一気に意気消沈…。それでもマートン、今成が連打でつなぎ、もう一度期待を持たせたが、代打・金本が平凡な右飛で虎党を球場出口へと導いた。
重くのしかかる07年9月以来5年ぶりの7連敗。借金は14に膨らんだ。後半戦が始まって4試合で得点はわずかに3。打線は日々組み替えても復調の兆しはない。チーム本塁打が、7月は新井良の1本という異常事態が続いている。
「初回の2点が、たったの2点と思えないのが現状。選手は何とかしようともがいているんだけど、結果がでないからどうしても重くなってしまう」。和田監督の言葉は沈痛だ。片岡打撃コーチは「打てていないし、チャンスがきた場面でも相手のパターンにはまっている」と、技術面よりも精神面を問題視した。
得点力不足は、負のスパイラルを生み出している。先発の岩田は初回に2つの四死球と自らのけん制悪送球などで自滅。自身5連敗となった。その立ち上がりを問われると「(チーム状態の悪さを)逆に意識し過ぎてしまったかな」と声を絞り出した。連敗ストップが重圧になり、失点を恐れる余り思い切った投球ができない。
守備でも3回に左翼に入ったマートンが前に落ちる荒波の打球にダイビングを敢行。しかし、捕球できずに二塁打とするなど傷口を広げた。何をやっても裏目にでるばかり…。DeNAには04年に12勝16敗で負け越してから7年連続勝ち越しているが、この日の黒星で6勝7敗1分けと負けが先行。特効薬すら見あたらない阪神が長いトンネルを抜け出すのは一体、いつになるのだろうか。(中山隆志)
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