名古屋グランパスは最下位の札幌にロスタイムでゴールを決められて8試合ぶりの黒星を喫した。広島は鹿島と引き分け、勝ち点37で首位を守り、仙台も鳥栖と引き分けて同37としたが、総得点差で2位。浦和は磐田に快勝し、勝ち点34の3位。
◆札幌2−1名古屋
北の大地で最悪のシナリオが待っていた。後半ロスタイム、勝ち越しを狙って攻勢に出たグランパスのスキを突くように、札幌FW上原にヘディングシュートを決められた。「勝てていない札幌を相手に、こういう試合をしちゃいけない」。DF阿部はうめいた。
不穏な空気が漂っていた。後半44分、オフサイドの判定についてストイコビッチ監督が激しいジェスチャーで線審に猛抗議すると、扇谷主審から即座に退席処分を言い渡された。扇谷主審は4月28日の浦和戦(瑞穂陸)でPKの判定をめぐってストイコビッチ監督が公然と不満を口にしていた相手。相性の悪い主審から退席を言い渡され、指揮官は憤りを隠さずにピッチサイドへ。その直後に“悲劇”が起きた。
ストイコビッチ監督が退席処分を受けるのは昨年9月10日の柏戦(柏)以来通算3度目で、すべて敗れている。指揮官不在の動揺がピッチ内に伝染した格好だ。
最下位・札幌相手に油断もあったか。慣れないFWに入り、今季初ゴールとなる同点弾を決めた闘莉王は「先に先制される、チャンスは逃す、入ってきた選手は機能しない。(敗因は)いろいろある。今の力はこの程度」とぶちまけた。試合前日は異例の練習休みだったにもかかわらず、全体的に動きも重かった。
勝ち点3を計算できたはずの札幌戦で痛すぎる黒星を喫し、負けなしの進撃も6試合で止まった。チーム内には判定についての不満も充満。後味の悪さだけが残る北海道遠征になった。 (木村尚公)
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