'12/7/24
マツダ、生産改革を加速
円高が続く中、マツダが車づくりの改革を加速させている。4種類ある車台の基本構造を一本化する。開発と生産の効率を飛躍的に高め、国内生産を維持する。低コスト車が求められる新興市場の広がりもあり、車づくりが大きく変わろうとしている。
マツダは8月に生産を始める新型アテンザに、2月発売のスポーツタイプ多目的車(SUV)CX―5と同じ構造の車台を使う。来年の発売が見込まれる次期アクセラにも採用する方針。1車種で数百億円とされる新型車の開発費は、3割減るという。
効果は開発費の削減にとどまらない。違う工場に簡単に生産場所を移せ、増産がしやすくなる。工場の稼働も安定する。
マツダが生産、開発の改革を始めたのは2006年。成長する新興国向けに低コストで車を造り分ける必要に迫られた。マツダは02年以降、4種類の車台を基に車を造り分けてきたが、これを基本構造上、一つにする。
歴史的な円高の進行で、収益面からも共通化は不可欠となった。山内孝社長は「CX―5は広島で生産しながら、1ドル=77円、1ユーロ=100円でも全輸出先で利益を生む」と強調。生産、開発技術の改革で、国内生産を維持する考えを示す。
近年、コンピューターでさまざまな性能を確認できるようになったことも、車台の統一につながっている。
【写真説明】マツダの本社宇品工場で造られるCX―5。今後の新型車と車台を共通化している