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横浜・曙町の老舗豆腐店廃業へ 戦前創業「体力の限界」/神奈川

2012年7月28日

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未明から仕込みに入る森川商店。店内奥には豆腐の仕込みをしながら物思いにふける森川征之さんの姿=21日午前3時すぎ、横浜市中区曙町3丁目

未明から仕込みに入る森川商店。店内奥には豆腐の仕込みをしながら物思いにふける森川征之さんの姿=21日午前3時すぎ、横浜市中区曙町3丁目

 横浜・曙町で戦前に創業し、戦後も営業を続けてきた老舗豆腐店「森川商店」が7月31日で廃業する。老夫婦が最後の日まで仕込みを続けるのは、横浜最大の風俗街「親不孝通り」の一角。「時代の変化にあらがうには体力の限界もある」として、幕を閉じる決意をした。 

 午前2時すぎ。イセザキ・モールの一本裏側に当たる「親不孝通り」に人影が少なくなるころ、森川商店の明かりがともる。3代目店主の森川征之さん(73)は、妻光子さん(68)とともに当日の販売分の仕込みを始める。

 豆腐は1日当たり平均100丁、油揚げは平均300枚。国産大豆にこだわり、口当たりがまろやかなのが特徴だ。かつて高級料理店などに納めていたが、最近は学校や病院から大口の注文を受けてきた。

 森川征之さんによると、店の初代が第2次大戦前にこの地に創業したが「横浜大空襲」(1945年5月)で焼失。店舗兼住宅の再建にこぎつけたのは1953年だった。征之さんは「焼け野原で、京急電鉄の日ノ出町駅から南太田駅まで見渡せた」と振り返る。

 もともと風俗店が点在していた地域だが、通りには青果店や精肉店、鮮魚店など生鮮品を扱う店舗が並んでいたという。夫婦そろって懸命に働き続ける中、周囲の店舗は後継者難などで次々と廃業。結果、この通りで豆腐店だけが生鮮品を扱う唯一の店として残っていた。

 近年は「デリヘル」を中心とした24時間営業の無店舗型風俗店が増え、従来の「箱ヘル」と呼ばれる店舗型風俗店と競う。光子さんは「犯罪は目につかないが、子育てをする場所ではなくなった」と寂しそう。祖先から受け継いだ土地を売却し「静かな場所で暮らします」と話した。

 横浜豆腐商工業協同組合(横浜市西区)によると、市内に豆腐店は77店舗あるが、高齢化やコンビニエンスストアの進出などを理由に廃業が続いている。 

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