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【放送芸能】

メッセージを込めて個性競うジャケット 音楽CD30周年

 音楽CDが登場して今年は30周年。CDの歴史やジャケットの変遷が分かる展示会「ミュージック・ジャケット・ギャラリー2012」が19日、東京都内で始まった。LPレコードから小ぶりになって久しいが、アーティストたちは音楽だけでなく、ジャケットにもこだわり、個性を競っている。 (藤浪繁雄)

 新宿高島屋一階JR口の特設会場。奥の方に、CD草創期のコーナーがある。説明パネルによると、日本は世界に先駆け、CBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント=SME)がCDを生産した。一九八二年四月にプレスされた、米ロック歌手ビリー・ジョエルのアルバム「ニューヨーク52番街」が最初の一枚だった。

 CBSソニーはレコードからCDへの転換を押し進めた。SMEによると、CBSソニー会長だった大賀典雄氏(後のソニー会長)が音質の向上にこだわり、時間と共に劣化するレコードとは違うメディアを追求し、その成果がCDだった。声楽家としても知られた大賀氏は、ジョエルや指揮者カラヤンら親交のある音楽家にCDの音の魅力を伝え、発売にこぎ着けた。

 この年十月には、大滝詠一、山口百恵、松田聖子ら日本の作品も発売した。こうした懐かしいCDも会場に飾られている。

 展示会では、昨年度に発売されたCDを対象にした「ミュージック・ジャケット大賞」の候補五十作品と、特別賞候補十五作品もみることができる。前衛性や芸術性という観点から、英国のロックとポップスの約二百作品も並べられている。

 CDの生産枚数は減少傾向が続く。日本レコード協会によると、ピークは九八年の約四億五千七百万枚で、昨年は約二億枚だった。若い世代はネット配信で音楽を購入するようになり、ジャケットを手にとって購入を決める「ジャケット買い」も少なくなっているようだ。

 こうした状況を打開しようと昨年から始まった試みが、この展示会やジャケット大賞。運営している実行委員会を構成する協会の田口幸太郎専務理事は「ミュージシャンはジャケットにもメッセージを込めている。CDを買うことが少ない若い人たちにも、ジャケットの魅力を印象づけたい」と話している。

 展示会は二十四日まで。入場無料。問い合わせは実行委員会=(電)03・3750・2107。

 

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