つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【放送芸能】戦争の記憶継承 各局、多彩な視点で番組作り終戦から六十七年。テレビ各局は今年の夏も、戦争や平和、核をテーマにした番組を多彩な視点で制作する。体験者が高齢化し、記憶の風化が進む中、次代にどう継承していくか模索が続いている。 ■軍法会議の実像は 八月十四日夜のNHKスペシャル「戦場の軍法会議」は、太平洋戦争末期、飢餓に苦しみ部隊を離れた兵士らを裁くために、日本軍がフィリピンなど前線に開設した軍法会議の実像に肉薄する。 軍の法律の専門家である「法務官」が上層部の圧力で法をねじ曲げ、死刑判決を乱発していく過程が未公開の証言テープなどにより明らかになる。小山大祐チーフプロデューサーは「正義感にあふれる『法の番人』の変容を通じ、個人の意思をゆがめる戦争の本質に迫りたい」と力を込める。 ほかにも、被爆者の健康調査や戦争末期の終戦工作をテーマにしたNHKスペシャルを、六日夜と十五日夜に編成。BSプレミアムでは十一日夜に戦艦大和を取り上げる。 ■民放は地方発中心 民放は地方局制作のドキュメンタリーが中心だ。日本テレビで十二日深夜に放送されるNNNドキュメント12年「除染の島へ」は広島テレビが制作。第五福竜丸事件を引き起こした水爆実験など、核実験が繰り返されたマーシャル諸島で、多くの島民が移住を余儀なくされたロンゲラップ環礁の現状を伝える。 実験終了から半世紀以上たち、政府は除染が完了した地区への帰島を促すが、健康被害を恐れ慎重な人が多いという。 番組は原発事故で福島を離れざるを得なかった人々にもカメラを向ける。寺岡貴光ディレクターは「被爆地のメディアとして、何を伝えられるかが問われている」と話す。 五日深夜は、ニューギニアで四半世紀にわたり日本兵の遺骨収集を続けた男性を追った高知放送制作の番組が放送される。 テレビ朝日は、愛媛朝日テレビ制作のテレメンタリー2012「地図から消された島で」を放送。戦前、瀬戸内海の小島に存在した毒ガス製造工場で働いていた男性の証言や米国公文書館の資料を基に、中国大陸での毒ガス戦の実態に迫る。 ■ニュースでも特集 フジテレビ系のテレビ新広島は、放射線の影響調査を続ける広島の研究者に密着した特別番組を制作。八月六日以降、フジ系の一部の局で順次放送される。 TBS系も七月二十八日夕の「報道特集」の中で中国放送のディレクターが取材した原爆関連の企画を放送する。 こうした番組に加え、八月六、九日の原爆の日に合わせ、俳優の綾瀬はるかが戦争の記憶をたどる恒例のシリーズ「綾瀬はるか 戦争を聞く」を放送する「NEWS23クロス」(TBS)など、各局のニュース番組も取り上げる予定だ。 PR情報
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