中国江蘇省南通市啓東でデモの取材をしていた朝日新聞上海支局長の奥寺淳記者(41)が28日、警官らに押し倒され、頭などを蹴られる暴行を受けた。撮影ずみデータが入ったデジタルカメラ、外国人記者証も奪われた。
暴行を受けたのは同日午後0時半ごろ、啓東の市公安局前の路上。デモに参加した市民を警官が集団で暴行している様子を撮影していた奥寺記者は、突然カメラを奪われ、取り囲んだ15〜20人の警官に地面に押し倒された。自分は記者だと名乗ったが、約20秒間にわたり蹴られ、体の上に飛び乗られた。暴行がおさまった後で見せた記者証も取り上げられた。後頭部や腕、腰などに痛みが残った。
朝日新聞は中国政府に対し抗議し、カメラと記者証の即時返還を求めた上で再発防止を申し入れた。上海の日本総領事館は同日、地元政府に対し、(1)暴行が事実なら厳重に抗議する(2)奪われたカメラなどの原状回復を求める、などとする申し入れをした。
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〈渡辺勉・朝日新聞国際報道部長の話〉 正当な取材活動に対して加えられた極めて悪質な妨害であり、看過できません。中国政府に抗議し、謝罪と、カメラと記者証の返還を求めています。