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【社会】美浜原発2号機が運転開始40年2012年7月25日 02時03分
関西電力美浜原発2号機(福井県美浜町、50万キロワット)が25日、運転開始から40年を迎えた。経済産業省原子力安全・保安院が昨年3月の福島第1原発事故後初めて40年を超える運転延長を認めた原発。脱原発に向けた「運転開始40年で原則廃炉」という新ルールが早くも骨抜きになるとの警戒感が強まっている。 現行制度では運転年数に制限はない。40年を迎える原発は、保安院が原子炉や部品の老朽化などを評価し、運転延長が可能かどうかを審査する。 国内では、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)に電気を送った日本原子力発電(原電)敦賀原発1号機(福井県敦賀市)と美浜1号機が福島事故前に40年超の運転が認められている。関電は事故後の昨年7月に美浜2号機の運転延長を申請し、保安院は今月19日に認めた。 原発の審査は、9月から新たな安全基準の下で発足する原子力規制委員会が担うだけに、美浜2号機の運転延長も「規制強化前の駆け込み審査」との批判が強かった。ただ、規制委員会設置後も「40年廃炉」のルールに例外規定があり、保安院の専門家会議委員の井野博満東京大名誉教授は「新組織でも延長運転が既成事実化する。審査を保留すべきだった」と話す。 関電の担当者は「40年を超えた原発も重要電源として動かしたい」と意欲を見せるが、美浜1、2号機とも再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)の一次評価を提出していない。原電も現時点では、敦賀1号機の提出を控え、世論の動向を見極めている状況だ。 老朽化原発の運転は地元の美浜町にとっては死活問題だ。3号機も4年後には40年を迎え、運転制限が原則通り適用されれば原発が町からなくなる日は近い。原発近くに住む男性(59)は「地域経済、雇用を考えると原発は必要。後継機はしばらく無理だろうし、数年は2号機を動かしてほしい」と訴える。 7月12日には、山口治太郎町長ら町幹部が経産省などを訪ね、「原発の寿命を40年に制限する科学的根拠を示してほしい」と新ルールに疑問を投げ掛けた。山口町長は「原発が町からすべてなくなることは想定できない」と苦しい胸の内を明かした。 (中日新聞) PR情報
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