2011年4月14日19時0分
全国銀行協会の奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)は14日の定例記者会見で、福島第一原子力発電所の事故の損害賠償は大半を政府が負担すべきだとの考えを示した。
奥会長は「地震や津波の規模は想定以上。因果関係を冷静に分析すれば、東電の免責が検討される余地がある」と語った。政府の支援が「東電の経営だけでなく、株や社債の市場全体に好影響を与える」とも述べた。ただ、東電を一時国有化する案が一部で出ていることについては「民間企業として独り立ちしていくのが基本だ」と反対した。
一方、銀行業界が今夏予想される電力不足にどう対応するかについては「自動車業界のように同業他社で営業する店を調整する『輪番営業』は不可能」と語った。そのうえで「各銀行が営業時間を短縮するなど地道な節電を積み上げるしかない」との見方を示した。
福島第一原発の破綻を背景に、政府、官僚、東京電力、そして住民それぞれに迫った、記者たちの真実のリポート