下関6歳児殺害:28歳被告に懲役30年判決…山口地裁
毎日新聞 2012年07月25日 15時49分(最終更新 07月25日 22時44分)
山口県下関市で10年11月、元交際相手の次女、松原莉音(りお)ちゃん(当時6歳)を殺害したとして、殺人などの罪に問われた同市向洋町3、会社員、湖山忠志被告(28)の裁判員裁判で、山口地裁(長倉哲夫裁判長)は25日、懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した。判決は、遺体のそばにあったたばこの吸い殻とDNA型が一致するなどの状況証拠を総合評価し「被告が犯人でなければ合理的な説明が極めて困難」と結論づけた。捜査段階から一貫して無罪を主張する湖山被告側は控訴する方針。
湖山被告と事件を直接結びつける証拠がなく、争点は検察側が積み上げた状況証拠の信用性と評価だった。
判決は、湖山被告が持つ希少な型と同じDNA型が検出された玩具や、型が完全に一致したたばこについて、「両者相まって被告が犯人であることを強く推認させる」とした。
また、現場から誰のものか特定できない毛髪やDNA型が出ている点は、「毛髪は服に付着して移動しやすい。DNA型は壊れにくい部分が検出されており、古いものが残存していても不自然でない」などとして、「第三者の犯行の可能性がある」との弁護側主張を退けた。