新潟県長岡市の国立長岡工業高等専門学校で昨年２月、１年生の佐藤史歩さん（当時１６歳）を刺殺したとして殺人罪に問われた元同級生の少年（１８）の裁判員裁判で新潟地裁は２７日、求刑通り懲役５年以上１０年以下の不定期刑を言い渡した。藤井俊郎裁判長は「胸部や腹部などを３５カ所突き刺すなど残忍さが際立つ」と理由を述べた。

　争点の刑事責任能力について、弁護側は「事件当時何らかの精神障害を発症しており、刑事責任能力は限定的」として家裁に移送した上で少年院送致などの保護処分を求めていたが、藤井裁判長は「精神鑑定は国際的に確立された診断基準に基づき合理的。解離性障害の発症は事件後という鑑定結果は信用できる」として退けた。

　判決によると、少年は昨年２月１４日、同校４階の大講義室で、佐藤さんの胸や腹をナイフで突き刺すなどして失血死させた。【塚本恒】