アメリカ、韓国、日本そしてロシア。
各国の艦船が今、ハワイに集結しています。
世界最大規模の軍事演習『リムパック』です。
22か国、2万人以上が参加して行われています。
アジア太平洋地域を重視する新たな戦略を打ち出したアメリカが主催するリムパック。
今年はこれまで以上に同盟国などの役割が強化され、軍備を増強する中国をけん制する狙いがうかがえます。
オバマ大統領
「現在のさまざまな難題に立ち向かうには、アメリカの力だけでは十分ではない。
アメリカの総力を結集したうえで、同盟国などと協力して取り組まねばならない。」
演習の現場から、アメリカが描く新たな国防戦略に迫ります。
傍田
「2年に1度行われる世界最大規模の軍事演習『リムパック』が、ハワイとその周辺で先月(6月)から行われています。」
鎌倉
「アメリカが主催するその『リムパック』とは、どういった演習なのか。
黒木さんからです。」
黒木
「リムパックとは、環太平洋合同軍事演習。
アメリカ海軍主催の海洋合同軍事演習のことです。
1971年に開始。
当初はアメリカ、カナダ、オーストラリアが中心となって行っていました。
以来2年に1度行われ、前回の2010年は14か国が参加し、今回は過去最多の22か国が参加しています。
艦船や航空機など部隊として参加したのは、日本や韓国、そして初参加のロシア、ニュージーランドなど11か国。
司令部に連絡将校だけを参加させたのはイギリス、インドネシア、初参加のインドなど11か国です。
艦船46隻。航空機200機。兵士2万5000人が参加して行われている今回のリムパックは、海洋合同演習としては過去最大規模となりました。」
鎌倉
「太平洋の主要な国が参加する中、アメリカが、演習に招待しなかったのが中国です。
急速に軍備の増強を進める中国の動向をにらんだ今回のリムパック。
国防費の大幅な削減という国内事情を抱える中、アメリカ軍は、同盟国の役割を強化することで展開能力の向上を図ろうとしています。
軍事演習を通して、その取り組みを取材しました。」