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がれき広域処理 北九州市民ら142人が宮城県などを提訴

 福島第1原発事故で放射能に汚染された可能性のある宮城県の震災がれきを北九州市が試験焼却し、精神的苦痛を受けたとして、がれき受け入れに反対する北九州市民ら142人が27日、北九州市と宮城県に計約1560万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。原告側によると、震災がれきの広域処理をめぐる訴訟は全国で初めて。
 訴状によると、北九州市は5月、宮城県から運ばれた木くずなどの震災がれき約80トンを市の施設で試験焼却した。放射性物質を含む災害廃棄物の広域処理は法的根拠がない上、文部科学相の許可を得ずに焼却し、放射線障害防止法に違反すると主張している。
 宮城県は震災がれきの処理量を大幅に下方修正しており、不必要な広域処理で市民の健康、風評被害への不安を増大させているとし、原告1人当たり10万円の賠償を求めている。
 北九州市の北橋健治市長は試験焼却後の6月、がれきの本格受け入れを表明。市議会は7月臨時会で、ことし8月〜来年3月の受け入れ予定分2万5800トンの処理費8億5000万円を計上した補正予算案を可決した。
 市は8月上旬までに宮城県と2012年度分の処理契約を結び、その後も14年3月まで計6万〜7万トンを処理する予定。
 北橋市長は「反対される方々には幾度となく説明してきたが、ご理解いただけなかったのは残念だ。今後も市民への説明は続ける」とコメントした。
 宮城県の村井嘉浩知事は「訴状が届き次第、内容を検討する。提訴という事態は大変残念だ」との談話を発表した。


2012年07月28日土曜日


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