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【サッカー】

決勝弾大津 2戦連発へ強行出場!! 左足首打撲なんの!!

2012年7月28日 紙面から

スペイン−日本 前半、先制ゴールを決め喜ぶ大津=ハムデンパークで(沢田将人撮影)

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 【グラスゴー(英国)松岡祐司】26日のロンドン五輪のサッカー男子1次リーグ初戦で、日本は優勝候補のスペインを1−0で撃破。千金弾を決めたFW大津祐樹(22)=ボルシアMG=は第2戦・モロッコ戦出場を志願した。スペイン戦の前半34分、右CKを右足でねじ込んで決勝点を挙げたが、ハビマルティネスの猛烈なタックルで左足首を打撲し前半で交代していた。スペイン戦から一夜明けた27日、チームはモロッコ戦の試合会場、ニューカッスルへ移動した。日本はモロッコに勝てば、2000年シドニー大会以来の決勝トーナメント進出が決まる。

 スペイン戦の歓喜もそこそこに、ヒーローの大津はグラスゴー市内の病院へ直行した。激しい痛みを抱えた左足首は検査の結果、骨などにも異常はなく大事に至らず、チーム同行が決まった。もっとも、「背番号7」の視線ははるか先に向けられている。

 「次の試合に向けて(後半を)休んだ分、取り返すためにも点を取りにいきたい」

 泣いていた。終了の笛が鳴ると涙がこぼれ落ち、何度拭っても止まらない。ベンチの奥で1人、感涙にむせび、男泣きしていた。交代した悔しさではない。ケガの痛みでもない。仲間たちの激闘、奮闘にただただ感動していた。約50分後、取材エリアに現れた大津の目は腫れ、真っ赤だった。

 「自分は出れない中でみんなが一生懸命戦ってくれたのを見て、ちょっとウルッときちゃいました。ちょっとどころじゃなかったですね。うれしいときはうれしいし、泣きたいし。悲しいときも泣けばいい」

 夢の舞台で欧州王者を沈めた。大津が次戦でゴールを決めれば、1964年東京大会で1次リーグ初戦から2戦連続で決めた杉山以来、2人目の快挙だ。放ったシュート数はスペインの6本に対し、日本は12本。退場者が出たとはいえ、決定機の数でも上回った。内容と結果、背反しそうな2つの果実を得た事実は大きい。

 「奇跡だと思ってない。実力だと思っている。奇跡ととらえられるなら、まだまだ僕らは…。そうとられても構わないですけど、僕らはしっかり結果を残した後に…」

 大津が言う「結果」とはメダル。それも最上級の輝きを放つ色のメダルだ。

 「もちろん、金メダルまで行きます」

 大津の劇弾が生んだ歓喜のストーリーは、まだ始まったばかりだ。

 

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