脱原発デモ:政党は距離感つかめず
毎日新聞 2012年07月28日 00時02分(最終更新 07月28日 00時41分)
「年金はどうなるのか、息子は就職できるのか。政治自体に不満を持つ人が原発反対をきっかけに集まっている」。民主党の輿石東幹事長は周囲にこう語り、デモに表れる政治不信に懸念を示した。【高橋恵子、福岡静哉】
◇組織前提の常識では考えられない事態
新藤宗幸・東京都市研究所常務理事(千葉大名誉教授、行政学)の話 既存の政治家は経済団体、業界団体、労働組合のような組織の中で政治を考えており、新しいデモを起こしている民意の変化を理解できないのだろう。紹介議員を通じて陳情する従来のシステムとはまったく異なる。組織を前提にした政治の常識では考えられない事態で対応できていないのではないか。
◇あす「国会大包囲網」
有志の市民ネットワーク「首都圏反原発連合」は、29日に日比谷公園周辺をデモ行進した後、国会議事堂を取り囲む「脱原発国会大包囲」を計画している。このため、27日は官邸前での抗議は休止したが、個人的に集まった多くの人たちが抗議の声をあげていた。