石勝線事故:安全委調査でピンの緩み判明
毎日新聞 2012年07月27日 19時33分(最終更新 07月27日 19時50分)
北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線で11年5月、特急スーパーおおぞら(6両編成)がトンネル内で脱線、炎上し乗客ら79人が負傷した事故で、脱線の原因となった「減速機」を留めるピンが、脱落しなかった他の車両でかなり緩んでいたことが27日、国土交通省運輸安全委員会の調査で分かった。ピンの留め具のワッシャーが設計より小さかったことも判明。安全委は出火原因などに加え、整備や点検に問題がなかったかも調べる。
安全委によると、列車は4両目後部台車のピンが外れ、垂れ下がった減速機の部品がレールに接触するなどして2度脱線。部品は脱落し燃料タンクにぶつかり、タンクに穴が開き火災となった。ピンは何らかの原因で緩み、抜け落ちたとみられる。
安全委は車両に残る他の10カ所のピンを調査。3両目後部台車でピンを固定するナットが手で緩む状態だったことが分かった。さらに、ナットの下に挟むワッシャーが設計では直径85ミリだったのに、10カ所すべてで80ミリが使われていた。安全委は設計より小さなものにしたことが緩みにつながった可能性もあるとみて調べる。