つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】ストロンチウム 本当に影響ない? 監視・実測の継続必要福島第一原発から出たとみられる放射性のストロンチウム90の降下量が、関東と東北の十都県分について、ようやく報告された。一九六〇年代に大気圏内の核実験で降った量に比べて少なく、専門家らは健康影響はまずないとみるが、ストロンチウムは測定が難しく、セシウムほどのデータがない。本当に少ないことを示すため今後の監視が必要だ。 文部科学省によると、二〇一〇年四月〜一一年十二月の観測で、一カ月間のストロンチウム90降下量の最大値は、茨城県の一平方メートル当たり六・〇ベクレルだった。事故が起きた昨年三月の数値だ。 一方、一九四〇〜六〇年代前半には、大気圏での核実験が行われ、放射性物質が降った。ピーク時の六三年にはストロンチウム90も国内で最大一平方メートル当たり月間三五八ベクレル(仙台市)を記録している。 それに比べ今回の値は六十分の一程度。広瀬勝己・上智大客員教授は「健康などへの影響はないだろう」とみる。ただし「もっと早く測れば事故特有のストロンチウム89が見つかり、福島第一原発から出たとはっきり言えたはず」という。 ストロンチウム90の測定は複雑で時間がかかる。このため食品検査ではセシウム137を測り、ストロンチウム90やプルトニウムは自動的にセシウム137の12%が含まれると仮定している。甲斐倫明・大分県立看護科学大教授は「実際に含まれている量は、基準の12%より低いレベルだと思うが、言うだけでなく実測して示していくべきだ」と指摘する。 厚生労働省では「具体的な計画はまだ。二、三年かけて検証する予定」という。 福島と宮城両県は地震や原発事故の影響で測定していないという。 PR情報
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